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豆腐チェーン【三代目茂蔵豆腐】、豆腐屋の倒産急増でも拡大! 「断トツおいしい」意外な商品は?

  • 2024.8.11
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「三代目茂蔵」の店舗外観(写真:サイゾーウーマン)

物価の優等生の一つとして知られる豆腐ですが、現在はメーカーの倒産や廃業が急増する苦境に陥っています。そんな中、店舗数を拡大し続ける豆腐店チェーン「三代目茂蔵」の人気の秘密を知るべく、グルメライターが店舗で商品を購入し実食してみました。

目次

・【三代目茂蔵】とは? 豆腐メーカー倒産・廃業ラッシュでも拡大
・【三代目茂蔵】行ってきた
・豆腐3品を実食
・豆腐3品、冷奴で食べ比べ
・デザート3品実食
・【三代目茂蔵】安いとは言えないが、ちゃんと満足感がある

【三代目茂蔵】とは? 豆腐メーカー倒産・廃業ラッシュでも拡大

卵やもやしとともに“価格の優等生”として、庶民の食生活を支える豆腐。そんな豆腐のメーカーが現在苦境に立たされています。4日にシンクタンク大手の帝国データバンクが発表したところによると、スーパーなどの小売店を対象としてパック豆腐を生産している豆腐メーカーについて、今年の1月から7月にかけて倒産と廃業が36件と急増しているとのこと。前年を大幅に上回る年間60件台に到達する可能性あると伝えています。

この背景には、もともと薄利多売のビジネスモデルであったところに、円安による原料価格の高騰や、電気・ガス代、物流費などのコスト上昇が重荷となってしまっているという状況があるようです。

さらに、小売店からの値下げを強いる圧力が依然として高く、かつプライベートブランドや、大手メーカーの大量生産品との競争もあることから価格を上げにくいという事情も。これらの原因が苦境に拍車をかける一因となっています。

そんな逆境の中、大きく店舗数を伸ばしている豆腐店チェーンがあります。それが、株式会社篠崎屋が展開する「三代目茂蔵」です。1999年に埼玉県春日部市に1号店をオープンした同チェーンは、その後拡大を続け、現在では関東を中心に87店舗(公式サイトによる)を展開。

昨年7月に発表された9月期第3四半期の営業利益は2100万円の赤字となっていましたが、今年の7月31日に篠崎屋が公表した同じく9月期第3四半期の営業利益は、3600万円の黒字に転換しています。

【三代目茂蔵】行ってきた

逆風をものともしない勢いがある「三代目茂蔵」の人気の理由を探るべく、店舗を訪れて商品を購入し、実食してみました。

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店舗を訪れたのが閉店1時間前であったこともあり、タイムサービスが行われていました(写真:サイゾーウーマン)

18時前頃に店舗を訪れた筆者でしたが、同店舗が19時までの営業ということもあってか、タイムサービスとして値下げが行われている商品が多く見られました。

中でも、筆者が気になったのはお弁当コーナーで元々627円(税込み、以下同)のものが376円となっていた「うな重」。ついつい残っているものを全部買ってしまおうかと思いましたが、今回はメイン商品である豆腐を試したかったため、ぐっと我慢することに。

店内には、豆腐以外にもお菓子などの様々な商品が置いてあり、「マコロン」をはじめとした懐かしさあふれる商品も多く存在。品揃えを見る感じでは、ターゲットとしている年齢層は比較的高めのようです。

メイン商品である豆腐のコーナーでは、かなり多くの種類が並んでおり、さすが専門店という風格。同じく、豆腐や大豆が使用したデザート類も豊富に置かれていたことから、豆腐とデザートそれぞれ3品を購入し、実食してみることにしました。

【三代目茂蔵】豆腐3品を実食

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今回購入した豆腐3種類(写真:サイゾーウーマン)

メイン商品である豆腐からは、多くの種類の中から比較的スタンダードな商品であった「国産大豆 大吟醸」というシリーズの絹ごしと木綿(それぞれ117円)をチョイス。

くわえて、店舗のパネルで「大豆の旨味を極限まで活かした極上の豆腐です。絹でも木綿でもありません」と説明されていたことから興味を持った「極上豆富」(161円)の3品を購入しました。

まず、「国産大豆 大吟醸」の絹ごしから食べてみることに。皿に取り出し、端を薄く切ってそのまま食べてみると、絹ごし特有の滑らかさはあるものの、筆者がいつも食べている絹に比べてかなり密度が高く、「あれ? 木綿と間違えた?」と思ってしまうほどでした。

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「国産大豆 大吟醸」の絹ごし。絹ごしにしてはかなり密度を感じる食感です(写真:サイゾーウーマン)

続いて、「国産大豆 大吟醸」の木綿は、絹ごしに比べるとさらに密度が高く、歯を押し返してくるようなしっかりした食感。ただ、一般的なパック豆腐に比べると、両者の差は比較的少ないようにも感じました。

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「国産大豆 大吟醸」の木綿。こちらはさらにしっかりした食感があります(写真:サイゾーウーマン)

そしてパックの中でガーゼに包まれていた「極上豆富」は、従来の豆腐にはない、モチモチした食感と、豆のおいしさがダイレクトに伝わってくる味わいで、確かに絹ごしでも木綿でもない独特さがあります。

常日頃、50円ぐらいの豆腐を買っている筆者は購入する際、「ちょっとお高めかな……。300gでこの値段だと鶏肉買えちゃうし……」と思ってしまいましたが、このクオリティなら十分に納得できる味わいです。

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「極上豆富」。モチモチした独特の食感と、豆の濃い味わいがありました。(写真:サイゾーウーマン)

【三代目茂蔵】豆腐3品、冷奴のおすすめ味付け

続いて、それぞれの豆腐を冷奴で味わってみます。

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冷奴は3パターンで食べます(写真:サイゾーウーマン)

今回はネギと生姜を乗せて醤油をかけた“スタンダード冷奴”、筆者お気に入りのアレンジである「業務スーパー」で販売されている食べるラー油の一種「麻辣藤椒香醤」に濃縮めんつゆを混ぜたものをかけ、刻み海苔を乗せた“食べラー冷奴”、人気テレビ番組『マツコの知らない世界』の22年8月9日放送回「冷奴の世界」の中で紹介された、赤しそふりかけ「ゆかり」とオリーブオイルをかける“ゆかり冷奴”の3種類の味付けで試してみました。

「国産大豆 大吟醸」絹ごし

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スタンダードが◎(写真:サイゾーウーマン)

まず、「国産大豆 大吟醸」の絹ごしは、その滑らかさが冷奴と相性抜群。こちらは生姜やネギと口の中で合わさっていく感じが楽しい“スタンダード冷奴”が、もっとも相性がいいように感じました。

「国産大豆 大吟醸」木綿

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ゆかりが◎(写真:サイゾーウーマン)

続いて試した「国産大豆 大吟醸」の木綿は、個人的には冷奴よりも煮込みなど、他の料理の方がよりそのおいしさが際立つのかな、と感じました。

一方、“ゆかり冷奴”は、オリーブオイルを使っていることから、しっかりした食感がチーズのように感じられ、今回の3種類の味付けのなかではこちらがベスト。同じように、チーズの代わりに豆腐を使用したカプレーゼなどにも相性が良いかもしれません。

「極上豆富」

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スタンダードが◎(写真:サイゾーウーマン)

最後は「極上豆富」。こちらは独特のモチモチした食感が意外にも冷奴と相性がよく、どれもかなりおいしく仕上がりました。素材の強さを強く感じる結果となりましたが、やはり“スタンダード冷奴”が一番シンプルにその味わいを堪能できると思います。

いずれもクオリティの高い味わいでしたが、やはり「極上豆富」が印象に残る秀逸さ。「三代目茂蔵」を訪れた際には、ぜひ試してほしいと思います。

【三代目茂蔵】デザート3品実食

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購入したデザート3種類(写真:サイゾーウーマン)

デザートは、いずれも大豆や豆腐の原料が使われている同チェーンのオリジナル商品3つを購入しました。

「健康生どら」(97円)

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(写真:サイゾーウーマン)
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(写真:サイゾーウーマン)

「健康生どら」(97円)は、生地に豆乳と全粒粉、餡は特製のおから餡と白ごま、ホイップクリームが使用された一品。カロリーは100kcal、糖質量は13.9gと、和菓子にしてはかなり少なめで、名前の通り健康的です。

ちょっとどら焼きの生地がパサついているように感じたものの、クリーミーな餡がそれを補い十分おいしく感じられます。値段を考えても、気軽に食べられるヘルシーなスイーツとして重宝するのではないでしょうか。

「豆腐まるごとティラミス」(205円)

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(写真:サイゾーウーマン)
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(写真:サイゾーウーマン)

「まるでマスカルポーネチーズの様な自家製豆腐で作った究極の健康スイーツ」と店内のパネルで説明されていた「豆腐まるごとティラミス」(205円)は、原材料を見ても本来ティラミスに使用されているマスカルポーネチーズクリームを豆乳クリームに置き換えた商品のようです。

この豆乳クリームがかなりすっきりした味わいで好印象でしたが、コーヒーがしみ込んだスポンジは個人的にはちょっとマイルドすぎるかな、と思いました。苦みをもう少し効かした大人の味わいにしてもいいかもしれません。

「マダムユミコ」の「あんバタースコーン」(380円)

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(写真:サイゾーウーマン)
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(写真:サイゾーウーマン)

最後は、同チェーンのハワイアンスコーンシリーズである「マダムユミコ」の「あんバタースコーン」。

店内のパネルには「豆乳バターとおから餡と雑穀スコーンで作った超健康あんバタースコーン」と説明がありましたが、あんこよりも多く見える量が挟まった投入バターは意外と軽さがあり、しっとりした食感のスコーンや餡とのハーモニーはかなりハイレベルな味わいでした。

今回購入した3つの中では断トツのおいしさでしたが、カロリーも1個当たり628kcalと、こちらも他の追随を許さない数値となっていましたので、食べ過ぎには注意が必要かもしれません。

【三代目茂蔵】安いとは言えないが、ちゃんと満足感がある

メイン商品の豆腐からそれを原料に使ったスイーツまで、多くの商品がしっかりとおいしかった「三代目茂蔵」。こと豆腐に限って言えば、豆腐の値段としては決して安いとは言えない価格帯でしたが、その分ちゃんと満足感があるものとなっていました。

豆腐メーカーが苦境に立たされる中で、店舗数を拡大で来ているのは、この“ちょっとお高め、しっかりおいしい”というコンセプトが、多くの人に受け入れられた結果なのかもしれません。

今後も同チェーンには今の人気を保ち、我々の食卓にクオリティの高い豆腐やスイーツなどを提供し続けてほしいものです。

阿左美賢治(ライター)
中学3年生で体重100kgを超え、全盛期の30代前半には200kgを超えた業界最大級の巨漢ライター。焦って低糖質ダイエットを始め、150kgまで減量に成功したものの、近頃は再びリバウンド気味となっている。自宅で低糖質スイーツを作るのが趣味だが、コンビニやスーパーで見かける糖質たっぷりスイーツの誘惑に負けることも多々。

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