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「身近なものこそ、きれいに」テレビカメラマンの撮影ポイント解説 札幌の花々を見つめる

  • 2024.8.10

数多くの「絶景」を持つ北海道。日常の中にも、美しさがあります。

今回はHBC帯広放送局のカメラマン・大内孝哉さんが撮影した、札幌の花々をご紹介します。

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

いつも見ている風景を見直す

映像でも写真でも、自分の中で、撮影しているときの共通のテーマがあります。

身近なものこそ、きれいに

いつもこの言葉を忘れずに、撮影に挑んでいます。

道路脇に生えている名前も分からない花、雑草、木、雲、まっすぐ続く道。
いつも見ていて何も感じていない風景って、意外とあります。

そんな風景は、少し違った角度の視点で、いろいろな物を生かした撮り方をすると、不思議と、きれいな撮影対象物へと変化します。

今回は生活の身近に咲く「花」の撮影についてお伝えしたいと思います。
札幌市内で撮りためた、季節ごとの写真です。

ローアングル×タンポポ

Sitakke

・撮影場所 札幌
・撮影時期 2023年5月

・シャッター速度 1/800
・絞り f/5.6
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ

タンポポは、春先、路上のいたるところで見ることができますよね。

近所の公園の隅っこに自生するタンポポを撮影しました。
撮影時は、カメラを地面に置いてしまっています。それから望遠レンズでサイズを詰めています。

花はまとまって自生していることが多いのですが、よく見るとなんとなく、少しだけ大きさが違うとか、長いとか、正面を向いているとか、一輪だけ目立っている花があったりします。タンポポは一輪でもきれいなんですよね。
そんな目立った花にスポットを当てた写真です。

チューリップ×八重桜

Sitakke

・撮影場所 札幌 北海道庁旧本庁舎
・撮影時期 2023年5月

・シャッター速度 1/500
・絞り f/4.0
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ

これは北海道庁旧本庁舎(赤れんが庁舎)付近で撮影しました。
5月ごろは、遅咲きの桜、八重桜と、本庁舎の前に咲いているチューリップが本当にきれいなんです。

庁舎を背景にして撮影するのが定番なんですが、背景を八重桜にしてみると、白、赤、ピンクと、春の色を複数取り入れた写真を撮ることができます。

庁舎付近は季節ごとに咲く花も変わります。私の好きな撮影スポットです。

都会×ライラック

Sitakke

・撮影場所 札幌 大通公園
・撮影時期 2023年5月末

・シャッター速度 1/1000
・絞り f/5.6
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ

ライラックは札幌の初夏を彩る花です。大通公園では、5月下旬に「さっぽろライラックまつり」が開かれます。その時期は、街中のあちらこちらでライラックを見かけます。

夕方に街中を歩くと、都会の喧騒を、優しい紫色でやわらかい雰囲気に変えてくれます。

太陽の光×シロツメクサ/マーガレット

Sitakke

・撮影場所 札幌 豊平川河川敷
・撮影時期 2023年6月

・シャッター速度 1/500
・絞り f/4.5
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ

Sitakke

・撮影場所 札幌 豊平川河川敷
・撮影時期 2023年6月

・シャッター速度 1/800
・絞り f/5.6
・ISO 100
・Edit. Adobe Photoshop Lightroom
・カメラ SONY a7Ⅳ

シロツメクサもマーガレットも、いろいろなところで目にします。
私は撮影するまで、身近にありすぎて、名前も知らないほど意識していませんでした。

豊平川河川敷で、夕暮れどき、太陽がビルの隙間から落ちてきた時間帯に撮影しました。
太陽の光を入れることで、都会の河川敷のどこにでも生えているような花が、美しく変化します。

陽の光は、撮影者にとって画の仕上がりを左右するとても大事なものです。
テレビの取材中でも、いい映像を撮影するため「陽の光待ち」をすることが多々あります。

後編の記事では、天気が悪くてもきれいな花と、青空が似合う花をご紹介します。

【後編:天気が悪くても美しい花と、青空が似合う花 「身近なものを絶景に変える」には/テレビカメラマンの撮影ポイント】

連載「テレビカメラマンがとらえた“一瞬”の北海道」

撮影・文:HBC帯広放送局 大内孝哉
2015年からテレビカメラマンとして、主にニュースやドキュメンタリーを撮影。担当作品に映画/ドキュメンタリー「ヤジと民主主義」や、ドキュメンタリー「核と民主主義」「ベトナムのカミさん〜共生社会の行方〜」「101歳のことば ~生活図画事件 最後の生き証人~」「クマと民主主義」など。
2023年10月から帯広支局に異動。インスタグラム@takayasunset0921では、プライベートで撮影した北海道の写真を公開中。

編集:Sitakke編集部IKU

※掲載の内容は各写真の撮影時の情報に基づきます

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