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寿命の短い人が多かった歴代王の中で「あの英祖」が一番の長寿になったワケは?

  • 2024.8.10

朝鮮王朝の国王は、絶対的な君主でありながらストレスで悩まされた。なぜなら、国王に直言することが高官たちの伝統だったからだ。彼らは、国王に苦言を呈することも惜しまなかった。

そのために命を失うことがあっても、それはむしろ本望だった。当時の高官たちは国王が儒教的な教えに忠実に従うように監視していて、国の方向を正しく導く番人という意識と使命感を強く抱いていた。

また、王宮には史官がいて、国王の命令や日課はもちろん、国王に伝わる報告を詳しく記録した。史官が記載した内容は極秘性を保つために、史官以外は国王すら見ることができなかった。その史官も記録の内容を漏らすと重罪で処罰された。

それほど日常をいつも監視されていた国王。その業務は、一万種類に及ぶといわれるほど多かった。実際に、どれほど忙しかったのか。

国王の起床時間は日出前の朝5時前後で、衣冠を整えて祖母や母に挨拶に行く。これが一日の日課の始まりだ。

そして、朝から儒教の経書を読んだ。経典の解釈を学問討論する時間があり、主に政策討論が行われた。それは、朝、昼、晩の3回にわたった。

『赤い袖先』の英祖
ドラマ『赤い袖先』では重鎮俳優のイ・ドクファが英祖を演じた(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)
たゆまぬ努力で長寿を勝ち取った

朝の学問が終わると朝会を開き、大臣たちの謁見を受けた。朝会の後は各部署別の業務報告を聞き、午後には地方に派遣される官吏たちと謁見した。

午後4時頃には夜間護衛兵の名簿を点検し、合言葉を決めた。これは国王が自分を守るために必要な日課だった。以後、夕講に入って学習と討論をした後、祖母や母に夜の挨拶をして日課を終わらせた。自分で自由になる時間は、寝る前の2時間くらいだった。

これほどの激務をこなしていたので、長生きできない国王が多かった。歴代の27人の国王の平均寿命は46歳だ。

そんな中で突出して長生きしたのが、21代王の英祖(ヨンジョ)である。82歳まで生きた彼は、とても身体が丈夫だった。そして、規則正しい生活をして、食事にもかなり神経をつかっていた。たゆまぬ努力によって、彼は長寿を勝ち取ったのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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