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【知っておきたい】災害時の非常食の備蓄について 何がどれくらい必要?栄養面でおすすめなのは?栄養士ライターが解説

  • 2024.8.9

非常食の備蓄について今一度確認を!

非常食の備蓄について今一度確認を!
非常食の備蓄について今一度確認を!

9月1日は「防災の日」。関東大震災が発生した日にちに由来し、この日を含む8月30日から9月5日は防災週間となっています。年初に起きた能登半島地震がまだ記憶に新しいところ、2024年8月8日(木)には、日向灘を震源とする震度6弱の地震が発生。気象庁から「巨大地震注意」が発表されました。さらに、8月9日(金)19時57分頃にも神奈川県西部を震源とする最大震度5弱の地震が起き、連休を前に心が安まらない人も多いのではないでしょうか。日頃からの防災意識の重要性を改めて私たちに問いかけているように感じます。防災の日を前にに、災害時の非常食の備蓄について考えてみませんか。

災害時に備えた食料のストックについて

いつ起こるか分からない災害に備えて、どんな食料をどれくらい備蓄しておけば良いのでしょう。災害が発災してからライフラインが復旧するまで1週間以上かかる場合もあることから、最低3日分から1週間分×人数分の食品を備蓄しておくのが理想的だとされています。下記の備蓄例を参考に、ご家族の人数や家族構成を踏まえ、嗜好に合うものを準備してくださいね。

栄養士がおすすめ!栄養面で特におすすめの備蓄食材

ここでは栄養士の立場で、おすすめの備蓄食材を紹介します。

●大豆の加工食品

▲筆者宅の備蓄例。ほかにも、きな粉、乾燥おから、乾燥納豆なども多彩な大豆や豆の加工品があるので口に合うものを備蓄しましょう。
▲筆者宅の備蓄例。ほかにも、きな粉、乾燥おから、乾燥納豆なども多彩な大豆や豆の加工品があるので口に合うものを備蓄しましょう。

凍豆腐(高野豆腐)、乾燥大豆、レトルトやドライパックの大豆やミックスビーンズなど。軽量で長期保存できるものを選ぶと◎。大豆には、良質なたんぱく質の証しである必須アミノ酸がバランス良く含まれています。また、疲労回復を促すビタミンB1、体内の水分を調整するカリウム、カリウムと協力しあって筋肉や内臓を動かすカルシウム、腸内環境を整える食物繊維も多く含まれています。災害時だけでなく、ぜひ普段の食事にも取り入れてみてください。

●魚の缶詰、魚肉ソーセージ

▲サバの缶詰は骨ごと食べられ、災害時には貴重なカルシウム補給源になります。
▲サバの缶詰は骨ごと食べられ、災害時には貴重なカルシウム補給源になります。

ツナ缶(主原料はマグロやカツオ)やサバ缶、魚肉ソーセージなど魚類の加工食品も高たんぱく質。血流改善を促す機能性が注目されているオメガ3(n-3)系脂肪酸(DHA・EPA)が多く含まれ、特にサバ缶は身も骨も食べられるため、カルシウムなどの栄養成分を丸ごといただけることも利点です。

●スキムミルク

▲軽量で備蓄しやすいスキムミルク。常備しておくと災害時に重宝します。
▲軽量で備蓄しやすいスキムミルク。常備しておくと災害時に重宝します。

常温保存が難しい牛乳の代用になるのが、スキムミルク(脱脂粉乳)です。牛乳から水分と乳脂肪を除いて濃縮・乾燥してあり、スキムミルク1:水9の割合で溶かせば、牛乳と同じように使えます。牛乳100gとスキムミルク10gを90gの水で溶いたものを比較すると、カルシウムとたんぱく質の含有量はほぼ同等でありながら、スキムミルクは低脂質という特徴があります(※1)。普段の料理でもシチューやクリーム煮に加えたり、パンやお菓子作りにも活用しやすいです。(※1)『日本食品標準成分表2020年版(八訂)』より/普通牛乳100gに含まれるたんぱく質3g・脂質3.5g・カルシウム110mg、脱脂粉乳10gに含まれるたんぱく質3.1g・脂質0.1g・カルシウム110mgを比較(たんぱく質:アミノ酸組成によるたんぱく質、脂質:トリアシルグリセロール当量の値)

ローリングストックとは?

▲日常生活で消費しながら備蓄するのがローリングストックの考え方。
▲日常生活で消費しながら備蓄するのがローリングストックの考え方。

普段よく利用する長期保存が可能な食品を非常食として多めに買い置きしておき、賞味期限が古いものから食べ、消費した分を買い足して常に一定の食料を備蓄することを「ローリングストック」と言います。定期的に備蓄食料の食べる・補充するを繰り返すことで賞味期限切れを防ぎ、いざという時に日常生活に近い食事をすることにつながります。

ライフラインが止まっても温かいごはんが食べられる必須アイテム

▲気温やカセットコンロの火加減にもよりますが、ガスボンベ1本1時間程度が目安。1週間想定で10本以上は備蓄しておきたいところ。
▲気温やカセットコンロの火加減にもよりますが、ガスボンベ1本1時間程度が目安。1週間想定で10本以上は備蓄しておきたいところ。

ローリングストックで日常の食材を多めに準備していても、災害時はガスや電気がストップして食材を調理できない可能性があります。そんな時に重宝するのがカセットコンロとガスボンベです。備蓄しているレトルト食品などを、おいしく食べるためにもストックしておきましょう。関連記事として、ポリ袋に食材を入れてカセットコンロで湯煎する災害時のクッキング方法もお伝えしますのでご参考に!

(野村ゆき)

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