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他界前、病床の父が「好きに生きろ。お前の人生なんだから」→ 親になって気づいた「父の想い」に後悔

  • 2024.8.9

自分が親になって初めてわかる自分の親の気持ち。謝りたくてもお礼を言いたくても、他界してしまったら何もできませんよね。これは筆者と筆者の父親のお話。父親の言った一言の意味が初めて分かったきっかけとは?

画像: 他界前、病床の父が「好きに生きろ。お前の人生なんだから」→ 親になって気づいた「父の想い」に後悔

病気がちな父

私の父は、私が幼い頃から身体が弱く、肺気腫という病気で50代前半で仕事を辞めなければいけなくなりました。
当時妹はまだ大学生。
店舗型の自営業だったため、店舗と一緒だった自宅も出なければいけなくなり、一家で引っ越すことに。
私は会社勤めを辞めて、当時高給だったトラックの運転手になって、家計を助けることにしました。

父は病状が思わしくなく、入退院を繰り返す状態。
家族4人の生活費、家賃、妹の学費、医療費など、多くの負担がかかることになりましたが、何とか踏ん張っていました。

喧嘩

そんなある日、退院して自宅にいた父が私に「俺が情けなくて申し訳ない。好きに生きろ。お前の人生なんだから」と急に言ってきました。
しかし、当時の私は「そんなこと言ったって、お母さんも働けないし、私が稼ぐしかないじゃない!」と父に言い返して喧嘩になってしまったのです。

当時の私は、自分で決めたことなのに、どうしても親の犠牲になっているような気がして、常に卑屈な感情に支配されていました。
「普通の生活」ができないことに苛立ち、父に反発してしまいました。
あの時の父の悲しそうな顔は、今でも忘れることができません。

大病

その後、両親は他界し、私も結婚して息子を授かりました。
あの時、父が言った一言は、きっと親として当然の感情だったのだと、親になった今では思えます。

私は40代で思わぬ大病を経験しました。
今までのように動けない私をサポートし、看病をしてくれた息子に同じことを言うと、息子は私のようには怒らず「好きに生きてるよ。俺はお母さんにいなくなられたら困るからやってるだけ」と言ってくれました。

後悔

親として、息子の人生の邪魔にはなりたくないと思いますが、私を支えてくれた息子には心から感謝しています。
私もあの時、父に対して息子と同じことが言えていたら、父の気持ちも違ったんだろうと、仏壇に手を合わせながら後悔することがあります。

他界してしまった今では謝ることもできませんが、せめてものお詫びのしるしに、父の月命日には好きだった和菓子をお供えしています。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:RIE.K

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