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やわらかくなった"完熟トマト"は、ひんやり濃厚な"ガスパチョ"に!

  • 2024.8.9

料理家・フードコーディネーターの尾身奈美枝さんが毎回、余った食材をおいしく食べきるレシピを提案します。今回のお題は、真っ赤な“完熟トマト”。やわらかくなったら即、ひんやりスープに変身させましょう!

やわらかくなった"完熟トマト"は、ひんやり濃厚な"ガスパチョ"に!

■熟したトマト、無駄にしないで!

真っ赤に熟したトマトがおいしいこの季節。でも、ふと冷蔵庫を開けてみると、買い置きのトマトが熟してやわらかくなっていることはないだろうか。こうなったら、傷むのは早いのだ。わかっていても、なかなか使い切れなくて……。

「それはもったいない!生で食べるにはやわらかいトマトがあったら、迷わずガスパチョをつくりましょう。材料を切ってミキサーに入れてガーッとまわすだけ。猛暑続きですが、ガスパチョを冷蔵庫で冷やしておけば、野菜の力で元気になれますよ!」

尾身さん
尾身さん

実は尾身さん、大のガスパチョ好き。20代のころ、仕事で初めてスペインのマドリードを訪れたときには、現地のガスパチョのおいしさに感激したそう。でも、ちょっぴり悲しい思い出もあったのだとか……。

「現地では1リットルパックに入ったガスパチョが、どこのスーパーでも普通に売られていたんです。フルーツジュースみたいなパッケージでいろんな味があって、日本に持って帰りたいと思って爆買い。ところが、帰りにチェックインしたら、スーツケースが重量オーバー!追加料金が7万円もかかると言われてしまって。でもどうしても惜しくて、その場でパックを開けて飲めるだけガブガブ飲んで(笑)。飲めない分は泣く泣くあきらめました」

せつなくも悲しい思い出!しかも、そんな話を聞いていたら、口の中がすっかりガスパチョに。さっそくつくってもらうことにしよう!

■完熟トマトだからこその濃厚な味

材料を切ってミキサーにかけるだけで手軽につくれるガスパチョだが、おいしくつくるコツのひとつが、トマトの皮を湯むきすることだ。

「トマトの皮が入ると口当たりが少しよくないので、ぜひむくことをおすすめします。お湯に数十秒浸してから水にとるだけで、つるりとむけてきます。ガスコンロの火で皮を炙ってから、水にとってむいてもいいですよ」

また、野菜だけでなく、少しだけパンを加えるのもコツなのだとか。

「とろみをつけるために、現地のレシピでも必ず入れるんですよ。食パンじゃなくても、余ったバゲットなどでもOKです」

材料さえそろえば、あとはミキサーで撹拌して、キリッと冷やせば出来上がり。さわやかなのにしっかり濃厚な味わいが、暑さをシャキッと吹き飛ばしてくれる。

「しっかり熟しているトマトを使うからこそ、濃い味わいになります。トマトを半分、スイカや桃に置き換えても、フルーティーでおいしいですよ。ぜひ夏の定番にしてくださいね」

□“完熟トマトのガスパチョ”のつくり方

完成
完成

◇材料 (2人分)

完熟トマト:300g
きゅうり:1/2本
玉ねぎ:30g
セロリ:30g
赤パプリカ:40g
ニンニクスライス:2枚
食パン:1/4枚(6枚切り)
白ワインビネガー:小さじ1
塩:小さじ1
★ トッピング:
・ さいの目切りの野菜:適量(きゅうり、セロリ、パプリカ、玉ねぎ)
・ EXバージンオリーブオイル:適量


(1)食パンを水に浸す
食パンは水100ml(分量外)に浸して、やわらかくなったらちぎっておく。

食パンを水に浸す
食パンを水に浸す

(2)トマトを切る
トマトは湯むきしてから、ざく切りにする。

トマトを切る
トマトを切る

(3)残りの野菜を切る
きゅうりはぶつ切りに、玉ねぎはざく切りにする。セロリは筋を取り、ざく切りにする。赤パプリカは包丁で皮を薄くむいてから、ざく切りにする。にんにくはスライスのままでよい。

残りの野菜を切る
残りの野菜を切る

(4)ミキサーで撹拌する
ミキサーにすべての野菜、食パン(浸した水も)、ワインビネガー、塩を入れて、なめらかになるまで撹拌する。冷蔵庫でよく冷やしてから器に注ぎ、さいの目切りの野菜をトッピングして、オリーブオイルをまわしかける。

ミキサーで撹拌する
ミキサーで撹拌する
ミキサーで撹拌する
ミキサーで撹拌する

――教える人

「尾身奈美枝 料理家・フードコーディネーター」

料理家・フードコーディネーターとして、テレビ番組を中心に、新聞・雑誌など様々なメディアに出演。料理番組の金字塔『料理の鉄人』の裏方を務め、「フードコーディネーター」 という職種を世に広め、定着させた先駆け的存在でもある。
「きょうの料理」 (NHK)「あさイチ」(NHK) などの番組に多数出演。“エコ”をテーマとした新しいレシピ提案を発信し続けている。


文:大沼聡子 撮影:海老原俊之

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