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【東京・蔵前で「北の竹かご 勝かご展」開催】 Salvia(サルビア)で知る、北の暮らしの知恵

  • 2024.8.9

88歳の職人が編む、丈夫なかご

東京・蔵前のショップが、リニューアルオープンしたばかりのSalvia(サルビア)。「古きよきをあたらしく」をテーマに、日本国内の伝統工芸や地場産業など、作り手たちのこだわりの技術を生かしたものづくりをするほか、セキさんがアトリエを構える北海道のよいものを紹介しています。
 
今回の展示で紹介されるのは、北海道・旭川在住の小林勝行さんが編むかご。長い冬の間、降り積もる雪を分厚くかぶって鍛えられた、北海道の「根曲がり竹」を使用。かたく重たい雪に覆われて根は曲がるけれど、幹は折れず曲がらず、しなやかで強いのが特徴。 使うほどに味わい深い色へと変化していきます。
 
小林さんは88歳になった今も、自ら竹を採取しに山へ行くこともあるそう。高齢ゆえに数はたくさん作れないからこそ、長く使ってもらえるように、とても丈夫に作られています。

幼少期に「親の見よう見まね、体で覚えた技術は確か。なくならない」と話す小林さん。かごの材料である根曲がり竹の特性を活かし、釘や針金を使わず、すべて自然に還る素材にこだわり、いかに長く使うことができるか、人の暮らしのために役立つかを大切にかご作りをしているそう。
 
日本古来からある、サーキュラーエコノミー(※)の実践者でもある小林さん。「勝行さんのかごを手にすると、人の暮らしとは、生きるとは、不器用で、多少の荒々しさをともなうもの、そういうなかで擦れて磨かれ削られて、熟していくものなのだということを、改めて思い起こさせてくれます」とセキさんは言います。

※サーキュラーエコノミーとは
 
サーキュラーエコノミー(循環経済)。大量生産・大量消費・大量廃棄が一方向に進むリニアエコノミー (線形経済)に代わって、近年ヨーロッパを中心に提唱されている新しい経済の仕組み。あらゆる段階で資源の効率的・循環的な利用を図りつつ、付加価値の最大化を目指す社会経済システムを意味します。単なる環境規制ではなく、経済の仕組みを変える政策として各国が推進しており、ビジネス界もサーキュラーエコノミーを意識した活動に変化しています。

愛でるのではなく、使って生かすかご

そんな小林さんが作る竹かご「勝かご」を愛し、愛でる道具ではなく、自ら使って生かす道具だと考えているというセキさん。スウェーデンのカード織りによるベルトの取っ手や飾りで、竹かごに彩りを加えたものも販売します。
 
「素朴な竹かごにカード織りを合わせると愛らしさが一層増し、 六ツ目編みの竹かごに草木染めの巾着を入れれば、網目からものが落ちる心配もありません。紐を縛れば中が見えず、お出かけの際も安心です」
 

オープニングイベント「Salvia納涼会」を開催!

かご展のオープニングイベントとして開催される「Salvia納涼会」では、隅田川の美しい景色を眺めながら、菓子研究家のいがらしろみさんが主宰する「romi-unie」のアイスクリームを楽しむことができます。
 
また、8月10日(土)13時からは、いがらしろみさんのトークイベントも。お菓子作りと素敵なお店を営むろみさんの生き方や、仕事観をじっくり聞くことができる貴重な機会となりそうです。

左:セキユリヲさん 右:いがらしろみさん

北の荒々しく厳しい自然や田畑での仕事にも、曲がらず折れずしなやかに応える、働くかご「勝かご」。職人による美しい手仕事をぜひ見に、「Salvia」蔵前店へ出かけてみては?

「北の竹かご 勝かご展
ー北の暮らしの知恵 自然に還る民藝 持続可能な暮らしー」
会期:8月10日(土)〜9月1日(日)
会場:サルビア
東京都台東区駒形2-1-8 03-6231-7795
11:00〜18:00
月・火曜休み Instagram@salvia_official  

●Salvia納涼会
日時:8月10日(土)、11日(日)11:00〜18:00
参加費500円(romi-unieアイスクリーム付き)
※セキユリヲさん在廊予定  

●いがらしろみさんお話会 ※満員御礼
日時:8月10日(土)13:00〜60分程度
聞き手:セキユリヲさん
参加費1000円(romi-unieアイスクリーム付き)  

※納涼会の会場はSalvia Shopの2〜3階
※事前前売り券はサルビア オンラインストアからご購入ください

edit & text: Mayumi Akagi
 
※ 画像・文章の無断転載はご遠慮ください

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