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「性欲は努力して維持すべき」アラフォーのセックスレス、解消する方法は?専門家に聞いてみた

  • 2024.8.9

日々の生活のなかで、パートナーへの欲望が薄れていく。どうしたら昔のような情熱を取り戻せるのだろう。それとも、気持ちはもうすっかり冷めてしまったのだろうか。ファニーの話を聞こう。

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欲望が失われる。photography : JDawnInk / Getty Images

ファニーの現状認識はこんな感じだ。夫とは仲がいい。でもセックスしたいとはあまり思わない。一緒に暮らすうちにセックスは義務化していった。「2週間おきにしてるけれど、それは夫からうるさく言われないためです」ときっぱり。以前はそうではなかった。43歳のファニーはマーケティング・マネージャーとして働いており、2児の母だ。夫のエミリアンと出会ったのは10年以上前、マッチングアプリを通じてだった。彼は離婚したばかり。彼女は友達がみんな結婚した後の最後の独身として生活を謳歌していた。それまで自分を律しながら生きてきたファニーは、食道楽でパーティー好き、常に前向きの人生を生きるエミリアンに夢中になった。「すぐに意気投合し、たわいのないおしゃべりを何時間しても飽きませんでした。いまでも何か思いつくと1日に何回も電話します。とても仲がいいんです」とファニーは言う。ただ、日々暮らしていくうちにファニーの性欲は薄れていった。「きっとまた戻ってくるでしょうけれど、正直なところ、いまは寝る前に夫とセックスするより、本を読む方が好きですね」とあけすけに語る。

心理学者であり、『Être un couple épanoui(成熟した夫婦生活のために)』(Éd.Dunod刊)の著者であるカミーユ・ロシェは、「このような相談は日常的に受けます」と言う。ファニーはセックスに関して夫との温度差に悩んでいる。「夜、着替えている私を見て、夫はよくムラムラしてやりたくなるみたいなんです」とファニーは言うと、自分の方は精神的にも時間的にもゆとりが必要だと打ち明けた。「ありがたくもありますが、夫の性欲が強くて、私は気持ちが萎えてしまいます」。『Le désir est un sport de combat(欲望は格闘技)』 (Éd.Arkhé刊)の著者で社会学者のレベッカ・レヴィ=ギランによれば、性欲はセックスのことをどう教わったかに影響され、それは男女で異なるそうだ。「女性は、常に身体を抑制するよう教えこまれます」と社会学者は言う。身体を休止状態にするよう、教えられているのだ。ついには自分がどう感じているのかさえ分からなくなってしまい、快楽に対して多かれ少なかれ鈍感な身体になってしまう時もあると社会学者は言う。

欲望を取り戻す

「性欲を感じるまで待っていたら死んでしまいます」と心理学者のカミーユ・ロシェは言う。ではどうすればいいのだろう? 現代人はあまりにも忙しい。まずはタイミングの問題がある。性欲を失わせる一因でもあるパソコンやスマホの偏在をどうするかについても考えたほうがいいかもしれないと心理学者は指摘する。相手と仲良くする理想的な時間をどう見つければいいのか。週末、あるいは半日でもいいから、子ども抜きのふたりだけの時間を作れないものだろうか。たとえ愛し合っていても、性欲は努力して維持すべきもの。「そうでないと夫婦仲もだんだん疎遠になってしまうでしょう」とカミーユ・ロシェ。

もう疎遠になってしまっていないかはどう確かめればいいのだろうか。「性欲は夫婦の絆を深めるもの。相手と気持ちでつながるための身体的な関係であることを意識すべきです」と心理学者は言う。たとえセックスを伴わなくても、裸で抱き合って仲良くできるようだったら手遅れではない。逆にそうしたこともできないとなると、性欲よりもっと奥深い問題がある。「性欲をきっかけに問題が見つかることがあります」と専門家は言う。専門家に相談して、まずは夫婦関係の最初の柱であるコミュニケーションの再構築をしたほうがいいのかもしれない。「相手の話を聞き、相手に関心を持つ.....。セックス以前に、それが出来なくなっている夫婦が多いのです。夫婦関係の再構築は可能です。でもそれには努力が必要です」と心理学者は言う。「私たちはいまでもくっついて寝るのが好き」とファニーは言う。そうした肉体的な感覚を取り戻すことが大切だ。

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