葵わかなが一人二役に初挑戦、新演出舞台『セツアンの善人』に賭ける想い

ELLEgirlが注目する、次世代スターの魅力に迫る連載「今月の推し」。vol.31は、10月16日（水）から世田谷パブリックシアターで上演される舞台『セツアンの善人』でタイトルロールを務める葵わかなさんが登場！ 一人二役に初挑戦することになった本作に賭ける想いを語ってくれた。

INTERVIEW with WAKANA AOI

“男性役を演じることは今後もあまりないと思うので、まずは楽しみたいです”

Q.ドイツの劇作家、ベルトルト・ブレヒトの代表作である舞台『セツアンの善人』。タイトルロールとしての出演が決まった時の心境は？

世田谷パブリックシアターは昔から舞台を観に通っていた劇場でしたし、舞台に出演するようになってから「いつかあそこに立てるようになりたい」と思っていたので、凄く嬉しかったです。演出の白井晃さんの作品は元々好きで、一度はご一緒したいと思っていたので、今回世田谷パブリックシアターで、白井さん演出のもとタイトルロールを演じられるなんてすごく贅沢な経験だなと思います。

今回演じるのは女性役（シェン・テ）と男性役（シュイ・タ）で、一人二役を演じるのはこれが初めてです。大きなハードルだとは思ったのですが、音楽劇であることも含めて以前から挑戦してみたいジャンルだったので、とてもいいご縁だなと思い、気持ちが昂りました。

Q.今回葵さんが演じるのは優しき女性シェン・テと、ビジネスに徹する冷酷な青年シュイ・タという真逆な人物。一人二役を演じることへの意気込みは？

最初は難しそうだと思っていたのですが、自分の持っている声や振る舞いで演じ分けてみたいなと思っています。男性の姿で歌うシーンがあるのですが、キーや発声の仕方を演出の白井さんと稽古場で模索していきたいです。男性役を演じることは今後もあまりないと思うので、まずは楽しみたいという気持ちが強いです。

Q.二役を演じられますが、自分の中に二重人格のような部分を感じることはありますか？

夜にすごくお腹が空いたときに「たくさん食べちゃおう！」という自分と、「明日も仕事だよ、もうこんな時間だけどいいの？」と問いかける自分が現れることですね。よく葛藤しています（笑）

Q.葵さんが主人公のシェ ン・テに共感したり、自分と似ていると思う点は？

シェン・テはすごくお人好しなんですよね。私もプライベートでは結構「いいですよ～」と素直に同意しがちなのと、何事も信じやすいところが似ているかもしれないです。都市伝説とかも信じやすいので、友人に心配されることがあります（笑）

Q.このほか、『セツアンの善人』で注目してほしいところは？

海外の戯曲なので難しそうだと感じる方もいると思うのですが、物語を通して「人はどこまで善人でいられるか」「人はお金で幸せになれるのか」といった問いかけがあり、現代社会にも通じるお話になっていると思います。そこに歌やライブ演奏が加わるので、とても鑑賞しやすい作品になるのではないでしょうか。あまり身構えずに観に来てくださったら嬉しいです。きっと皆さんに何か届くものが生まれるはずですし、そうなったらいいなと思います。

“今年こそ麦わら帽子が欲しいです！”

Q.葵さんが今年の夏、挑戦したいファッションは？

いつもは日焼けを気にして丈や袖が長い服を着ることが多いので、この夏は涼しげで爽やかな服を着たいです。あとは麦わら帽子やかごバッグなど、夏らしさのある素材のアイテムを探しに行きたい！ 特に麦わら帽子は毎年探しているのですがしっくりくるものになかなか出合えず、今年こそは手に入れたいです。

Q.今年の夏、訪れたい場所は？

海に行きたいです！ 去年沖縄の海に入ったらとにかく楽しくて。今までは日焼けを気にして行っていなかったのですが、今年も1回くらいは遊びに行きたいですね。

Q.毎日欠かせないビューティルーティンは？

毎晩のパックですね。乾燥肌なのと、仕事の日は朝から晩までメイクをし続けている時があるので、いかにうるおいを保つかが大事。なので毎晩のパックと保湿ケアは欠かせません！

あとは紫外線対策も毎日行っています。友人に教えてもらった「カネボウ」の日焼け止めは最近のヒットアイテムで、すごくみずみずしくて、肌が全然乾燥しないんです。

Q.最後に、葵さんが今年中に挑戦したいことは？

新しい観葉植物を家に迎えたい！ 家に大きい観葉植物は結構あるのですが、小さい植物は育てるのが難しくて枯れてしまいがちで……。なので今年こそ育てたいです（笑）

舞台『セツアンの善人』

善人を探し出すという目的でアジアの都市とおぼしきセツアンの貧民窟に降り立った３人の神様たち（ラサール石井、小宮孝泰、松澤一之）は、水売りのワン（渡部豪太）に一夜の宿を貸してほしいと頼む。ワンは街中を走り回って神様を泊めてくれる人を探したが、その日暮らしの街の人々は、そんな余裕はないと断る。ようやく部屋を提供したのは、貧しい娼婦シェン・テ（葵わかな）だった。その心根に感動した神様たちは彼女を善人と認め、大金を与えて去っていった。それを元手にシェン・テは娼婦を辞めてタバコ屋を始めるが、店には知人たちが居座り始め、元来お人好しの彼女は彼らの世話までやくことになってしまう。ある日、シェン・テは、首を括ろうとしていたヤン・スン（木村達成）という失業中の元パイロットの青年を助け、彼に一目惚れをしてしまう。その日からシェン・テはヤンが復職できるように奔走し、金銭的援助もしはじめるのだが、その一方で、このまま人助けを続けることは自滅への道だと悟った彼女は、冷酷にビジネスに徹する架空の従兄、シュイ・タ（葵わかな・二役）を作り出し、自らその従兄に変装をして、邪魔者を一掃するという計画を思いつく……。

日程2024年10月16日（水）～ 11月4日（月・休） 世田谷パブリックシアター2024年11月9日（土）、10日（日） 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール チケット一般発売日（東京公演）2024年8月25日（日）

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葵わかな（あおいわかな）／2009年に女優デビュー。以降、舞台、テレビドラマ、映画、CM、ナレーションなど幅広いジャンルで活動。17 年には連続テレビ小説「わろてんか」（NHK）でヒロインに抜擢。近年の主な出演に舞台『パンドラの鐘』（杉原邦生演出）、『アナスタシア』（ダルコ・トレスニャク演出）、ドラマ「キッチン革命」（テレビ朝日）、「Dr.チョコレート」（日本テレビ）、ほか。現在テレビドラマ「ブラックペアン シーズン 2」（TBS）に出演。今後、主演を務める「おいち不思議がたり」（NHK BS）の出演が控えている。

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