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3歳児に何度もリクエストされる人気絵本とは?モンテ教師の絵本選び術

  • 2024.8.8
出典:ぎゅってWeb

2〜3歳の絵本選びには、実はちょっとしたコツがあります。今回は、どんな視点で選ぶとよいのか、絵本選びのコツと、子どもに何度もリクエストされる人気の絵本リストを紹介します。暑すぎる日はおうちで絵本を楽しんでみてはいかがでしょうか。

2〜3歳児の発達にあった絵本選び

2〜3歳といえば、秩序感が育つ時期。周りのものや環境について学んでいる真っ最中の彼らにとって、「いつもと同じ」であることが精神的に安定して心地よい状態です。朝の準備の順番、保育園までの経路、かくれんぼ遊びの隠れ場所に至るまで、いつもと同じが一番です。この年齢の特性に合った絵本とはどんなものなのでしょうか。

「繰り返し」のある絵本

次々に展開していくストーリーより、「繰り返し」の方がわかりやすく、小さな子でも楽しめます。登場人物が次々に出てきて同じことをする「繰り返し」は、例えば『3びきのこぶた』や『おおきなかぶ』などの昔話でもよく使われています。

このような話は理解しやすく、先の展開がある程度わかった上でワクワクできることから人気なのでしょう。何度も繰り返し出てくる言葉のリズム感も楽しさのポイントです。

イベントを楽しむ絵本

ストーリーを重視せずに、探したり、見つけたり、当てっこしたり…などのイベントを楽しむ絵本も安定した人気があります。「これなあに?」「◯◯だよ!」と子どもとのやりとりも楽しめます。答えを知っていても、何度でも子どもが読みたがります。

不動の人気!子どもに何度もリクエストされる絵本リスト

私の担当している2歳児クラスで読んでいる本の中から、繰り返し子どもたちにリクエストされる絵本を紹介します。定番の絵本が多いので知っているものもあると思いますが、似た系統の絵本を探してみるのもよいと思います。

「繰り返し」のある絵本

『にんじん だいこん ごぼう 〜日本の昔話より〜』
植垣 歩子 再話・絵/福音館書店

にんじん、だいこん、ごほうの仲良しトリオ。はじめは真っ白の体をしていた3人ですが、ある日どろんこ遊びをして汚れてしまいます。お風呂に入ることになり、熱い一番風呂にはにんじん、次にだいこん、最後にごぼうが入りました。お風呂から上がった3人はどんな色になったのでしょうか?

親しみやすいイラストの力もあって物語に引き込まれます。お風呂で野菜が熱いのをガマンしていたり気持ちよさそうにしている様子を見て、子どもたちも体が動いてしまうようです。何度も読んでいる本ですが、「だいこんのお話がいい」とリクエストが絶えません。

『ぞうくんのさんぽ』
なかの ひろたか 作・絵、なかの まさたか レタリング/福音館書店

私が子どもの頃に大好きだった絵本です。今回紹介するのは、ぞうくん、かばくん、わにくん、かめくんがごきげんにさんぽをする『ぞうくんのさんぽ』シリーズの第1作目。ぞうくんが散歩の途中で出会った動物たちを次々に背中に乗せていくというシンプルなお話です。

ぞうくんの背中にかばくんが、かばくんの背中にわにくんが、わにくんの背中にはかめくんが…とどんどん積み上がっていくうちに、ついにぞうくんは重さに絶えきれなくなってしまいます。子どもたちが「ぞうくん大丈夫かなあ?」と心配したり、最後の場面で笑っている姿がかわいくて、こちらも笑顔になってしまいます。ほのぼのしたタッチの絵も子どもに人気です。

『おおきなかぶ ロシアの昔話』
A・トルストイ 再話、内田 莉莎子 訳、佐藤 忠良 画/福音館書店

誰もが知っている不朽の名作です。おじいさんが植えたかぶが大きく育ち、抜いてみようにも大きすぎてびくともしません。家族が1人ずつ助けにきて一緒に引っ張るのですが、これがなかなか抜けずにどんどん人が増えていく…。

「うんとこしょ、どっこいしょ」と子どもと一緒にかけ声をしながら読むのが楽しい絵本です。いろいろな出版社から発売されていますが、やはり味のある昔ながらのイラストで読みたい1冊です。

イベントを楽しむ絵本

『くだものさん』
さく tupera tupera/Gakken

亀山達矢さんと中川敦子さんによる大人気ユニット・tupera tupera(ツペラ ツペラ)の絵本シリーズの1冊です。「葉っぱの影に隠れているのは、なんのくだものかな?」と当てっこを楽しめます。りんごやみかんなど子どもの好きなくだものがかわいらしく、ポップながらも果実や葉っぱの形がリアルに描かれている点も良いです。

基本的には子どももよく知っているくだものが登場しますが、たまにくだものではないものも登場したり…「えっ、これはくだものじゃないよ〜!」と子どもたちが総出でツッコミを入れて楽しんでいます。

『きんぎょが にげた』
五味 太郎 作/福音館書店

みんな大好き五味太郎さんの絵本の中でも大人気の作品です。金魚鉢から逃げだしたきんぎょは、カーテンの模様の中に隠れたり花の中に隠れたり…。「ここにいた!」と逃げたきんぎょを指差して遊ぶのが子どもたちのお気に入りの1冊です。何度読んでも飽きません。

『だれのおめめかな? どうぶつえん』
リーバン

動物たちが森の中でかくれんぼをしています。暗闇の中におめめだけが動いていますが、いったい誰?めくってみると、いろいろな動物が現れます。「きりん」「パンダ」と当てっこするのが楽しいです。赤ちゃんから3歳くらいまで長い期間楽しめそうなしかけ絵本です。

3歳児なら、「ほんとだ、きりんだったね。でも、どうしてきりんだってわかったの?」と質問すると、「だって、おくびの模様が見えてるよー」と得意げに教えてくれたり、やりとりも楽しめます。

いかがでしたか?すぐれた絵本の魅力には、子どもだけでなく大人も夢中になってしまいますよね。書店や図書館で、ぜひステキな物語にであってください。

<ライター/堀田はるな>

モンテッソーリ原宿子供の家・モンテッソーリすみれが丘子供の家教員、保育士。アパレル業界、eコマース、金融など様々な業種でのマーケティング業務を経験後、教育の道へ転身。日本モンテッソーリ協会承認モンテッソーリ教員免許取得。著作「子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド」。

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