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【スッキリ回答】『チャングム』のセリフに出てくる「チョ・グァンジョ」とは何?

  • 2024.8.7

傑作時代劇『宮廷女官チャングムの誓い』では、イ・ヨンエが演じるチャングムをはじめとして多くの登場人物がキャスティングされている。一方で、登場人物になっていないのにセリフの中にたくさん出てくるのが「チョ・グァンジョ」という人物名だ。

「チョ・グァンジョって何なの?」

そう疑問に思っている視聴者がとても多いことだろう。そこで、謎めいた「チョ・グァンジョ」について解説しよう。

これは、趙光祖のことだ。彼は、真理の探求に精進する儒学者であり、中宗(チュンジョン)が「心の師」と頼ったほどの高潔な人だった。しかし、先代王の燕山君(ヨンサングン)を廃位にすることに成功した勲旧派たちは、その後に利権を獲得し、正道を説く趙光祖と政治闘争を繰り広げるようになった。

本来、中宗は趙光祖に政治をまかせており、成果も出ていたのに次第に窮屈な思いを抱くようになった。趙光祖は徹底的な理想主義者で、中宗がその思想に付いていけなくなってきたのだ。

チャングムの誓い
中宗は趙光祖を高く評価していたのだが……
真理の探求に精進する儒学者

そんなとき、趙光祖は中宗に直訴し、既得権にしがみつく勲旧派を厳しく糾弾した。

「彼らは私腹を肥やしています。絶対に、権力を取りあげるべきです」

とはいえ、中宗も受け入れるわけにはいかなかった。それで、趙光祖の申し出を断ったが、以後も趙光祖が何度も嘆願してきた。しかし、中宗は首を縦に振らなかった。

仕方がなく、趙光祖は辞職してしまった。中宗は復職を求めたのだが、趙光祖も頑固だった。すると、勲旧派が巻き返しに出て、趙光祖の罪状をたくさん捏造した。結果的に、1519年に中宗は趙光祖を死罪にせざるをえなくなった。この一連の出来事は、歴史的に「己卯士禍(キミョサファ)」と称された。

ドラマに話を戻すと、『宮廷女官チャングムの誓い』に出てくる悪徳高官たちは、趙光祖の同志たちが復権することを好まなかった。それゆえ、志の高い官僚たちをしきりに糾弾しており、その流れで「チョ・グァンジョ」がセリフに数多く登場するようになったのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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