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5分でわかる! 2024-25年秋冬トレンド、押さえるべき7つのキーワード

  • 2024.8.6

1.定番アイテムを見直した、“スペシャルな日常着”

UNDERCOVER
UNDERCOVER

今季最大のキーワードは、デイリーウェアの再構築。定番の“当たり前”を見直すことで、服の本質や実用性と向き合ったクリエイションが多く見られた。

最も象徴的なブランドといえば、アンダーカバーUNDERCOVER)。デザイナーの高橋盾は、話題を集めた映画『PERFECT DAYS』のような、日々の小さな喜びを大切にする世界観を描いた。同作を手がけたヴィム・ヴェンダースがこのコレクションのために制作した、働くシングルマザーの物語を朗読。主人公の日常生活の情景を思わせるデニムやフーディ、スウェットパンツなどのベーシックアイテムを異素材と掛け合わせて昇華してみせた。

DRIES VAN NOTEN
DRIES VAN NOTEN

創業デザイナー本人によるラストコレクションとなったドリス ヴァン ノッテンDRIES VAN NOTEN)もまた日常着をベースに、色鮮やかなテキスタイルや刺繍などの遊び心を加えて、ドラマティックなワードローブを完成させた。チェック柄のダブルジャケットの袖にあしらったスパンコールやビーズは、まさに“日常に非日常をもたらす” 1着だ。

BALENCIAGA
BALENCIAGA

トレンチコートに大胆なアレンジを加えて、センシュアルなドレスのように仕立てたのはバレンシアガBALENCIAGA)。あえて袖を通さず、スカーフのように胸もとで垂らしたユニークなデザインは、大人の女性の色香を表現してくれる。

2.抜け感とランジェリーでつくる、自信に満ち溢れた官能性

GUCCI
GUCCI

今季目立ったのは、しなやかで強さのある女性像。 肌が透けるシアードレスをはじめ、ブラやコルセット、ベビードールなどのランジェリーディティールがスタイリングにセンシュアルなムードをプラスしている。

グッチGUCCI)のランジェリードレスは、繊細なレースやベルトを重ねたり、ビーズを刺繍したりと、職人技が光るラグジュアリーな仕上がりに。

TOM FORD
TOM FORD

ピーター・ホーキングス率いるトム フォードTOM FORD)は先シーズンのデビューシーズンに引き続き、セクシーでパワフルさを表現。透け感とスリットで肌を見せるロングドレスは、90年代全盛期のブランドのエッセンスが強く感じられるものだった。

SAINT LAURENT
SAINT LAURENT

サンローランSAINT LAURENT)は、極薄のシルクを用いた官能的なシースルードレスを提案。大半のルックが胸を露わにしているが、いやらしさは皆無で、一貫して気品を感じさせていた。

3.質感とミックスプリントで楽しむ、冬のアニマルモチーフ

DIOR
DIOR

秋冬といえば、アニマルモチーフは外せない。今シーズンの特徴は、レオパードを中心にパイソン、アザラシ、ミンクなど多様なモチーフが登場したこと。ロングコートやドレスなど、一面で大胆に取り入れるのが旬な着こなしのポイントに。

ディオールDIOR)が披露したジャケット&ショートパンツのセットアップは、マルク・ボアンの任期中の1967年に生まれたプレタポルテのコレクション「ミス ディオール」が着想源になっている。キャスケット&フラットシューズで、カジュアルに見せるとよりエレガンスが際立つ。

MARINE SERRE
MARINE SERRE

マリーン セル(MARINE SERRE)は、アニマルとフラワーモチーフ、レースなどの異なる柄や素材との掛け合わせを提案。甘さとワイルドさが絶妙にマッチしたドレススタイルが新鮮だ。

ALAÏA
ALAÏA

圧倒的なボリュームで、シルエットの妙を演出したのはアライアALAÏA)。袖と裾にあしらったフェイクファーの大胆なディテールが、アニマルモチーフをいっそう強調している。

4.ロマンティシズムがトレンドに復活!

CHANEL
CHANEL

甘くフェミニンなトレンドがカムバック! リボンやフリル、フェザー、レース、チュールといったロマンティックなディティールが施されたドレスやスカートのルックがランウェイを席巻した。

シャネルCHANEL)は、アイコニックなロゴに遊び心を加えたフェミニンなプリントドレスを提案。存在感あふれるフリルと、ヘルシーな脚を覗かせたミニ丈スカートのコンビネーションが瑞々しい。

PRADA
PRADA

ベビーピンクと総リボンで、ロマンティックな雰囲気をアピールしたのは、プラダPRADA)。リーンなシルエットと規則的にあしらったリボンによって、程よい甘さを演出しているのがお見事。

CHLOÉ
CHLOÉ

今季、ボーホー旋風を巻き起こしたシェミナ・カマリ率いる新生クロエ(CHLOÉ)も、ロマンティシズムを象徴するブランドの一つ。シアーなシフォンのラッフルドレスの裾をニーハイブーツにインしたり、ボリューム感のあるネックレスやブレスレットを重ね着けしたりと、真似したい要素が満載だ。

5.歴史にヒントを得たフューチャリズム

LOEWE
LOEWE

どこか懐かしさがありながらも、前衛的な要素を掛け合わせたムードも今季らしい。 シルバーゴールドといったSFや未来を感じさせる色や質感も多く登場している。

ロエベLOEWE)は古い壁紙を連想させる花柄ドレスに、透明のしずくのような装飾をあしらったルックを発表。 総ビースで植物を描いたサイドゴアブーツも、ノスタルジーが漂う繊細な職人技が光る。

就任10周年を迎えたニコラ・ジェスキエールによるルイ・ヴィトンLOUIS VUITTON)は、過去のアーカイブをセルフオマージュしながら未来に前進するコレクションを見せた。メタリックの糸を使った重厚な刺繍をあしらったジャケットは、自身が2018年春夏に発表したルックが着想源に。ジェスキエール独自のデザインボキャブラリーを再び味わえる印象深いルックだ。

ALEXANDER McQUEEN
ALEXANDER McQUEEN

新クリエイティブ・ディレクター、ショーン・マクギアーがデビューを飾ったアレキサンダー・マックイーンALEXANDER McQUEEN)からは、アシッドイエローで彩ったモールド成形のメタルドレスが登場。リアルクローズとして着こなすのは難しいが、マクギアーが打ち出すミレニアル世代ならではの視点とエネルギーにいっそう期待が高まる。

6.シルエットと質感で魅せる、オールブラック

COMME DES GARÇONS
COMME DES GARÇONS

定番のブラックは今シーズン、強さと気品を感じさせる造形的なシルエットで人と差をつけるのがポイントだ。

「怒り」をテーマにしたコム デ ギャルソンCOMME des GARÇONS)は、複数のジャケットの袖を合体させたようなドレスが狂気的強いインパクトを残した。 マリー=アントワネットを思わせるフォルムのヘアも圧倒的な存在感を放っていた。

VALENTINO
VALENTINO

ピエールパオロ・チョーリのラストコレクションとなったヴァレンティノVALENTINO)は全63ルックをモノトーンに統一。 シースルードレスにはフリルや刺繍、レースを合わせて官能的でエレガントな印象にまとめた。深く開いたVネックとウエストをシャープに見せるカッティングが美しいドレスは、セクシーな抜け感をもたらしてくれる。

YOHJI YAMAMOTO
YOHJI YAMAMOTO

ヨウジヤマモトYOHJI YAMAMOTO)は、複数の角度から見た対象物を同じ画面に集めるという平面的なキュビズムの手法を服づくりに取り入れた。ブランドを象徴する黒に四角形が連なったディテールが加わることで、山本耀司が目指す日常着にいっそう自由な精神性が漂う。

7.強くて優しいカーキがキーカラー

BURBERRY
BURBERRY

今季はカーキをはじめ、モスグリーンやオリーブといった落ち着いた深緑のバリエーションが豊富に出揃った。 自然を想起させる癒し系の色でありながら、ミニタリー着想のルックも多くあり、今も続く戦争に対して、平和を願うメッセージも感じられる。

バーバリーBURBERRY)の苔の絨毯のようなフェイクファーコートは、柔らかな印象が漂い、エレガントなムードが演出できる1着。

ETRO
ETRO

美しいIラインが際立つロングコートは、エトロETRO)から。シックな色味にゴールドの箔押しを施すことで、ドラマティックなアウターが完成。ブラウン系のマフラーやロングソックスを添えて、色のグラデーションを楽しんで。

FERRAGAMO
FERRAGAMO

フェラガモ(FERRAGAMO)は、定番のPコートをボクシーなフォルムに落とし込み、モダンなアイテムへと昇華。裾に施したベルトのディテールがアクセントとなり、ミニドレスのような感覚で纏うことができる逸品に。洗練を強調したオリーブグリーンは、タイツやハイヒールでも取り入れて、秋冬ならではの単色コーデを謳歌したい。

Photos: Gorunway.com

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