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モラルとは?意味や使い方、マナーとの違いも解説<例文あり>

  • 2024.8.6


「モラルに欠ける」「モラルがない」などで使われる、モラルという言葉。その意味や類義語、対義語、何げなく使い分けている「モラル」と「マナー」の違いも解説します。また、モラルを含む言葉や使い方について、ビジネスや私生活の人間関係・コミュニケーションに詳しい心理カウンセラーの小日向るり子さんに教えてもらいました。

モラルとは?言葉の意味



モラルとは、社会で生活する上で守るべき規範や価値観を意味します。個人の信念や感性によって善悪を判断する基準で、法律のような強制力はありません。

「モラルの問題」や「モラルがない」のように、日常的に会話の中で使うほか、ビジネスの場においても、企業倫理に反する行為を指す時に使われます。

「モラル」の語源は英語の「moral」。「道徳(上)の」や「良心の」、「倫理的な」などが訳に当たり、日本で使っている意味とほとんど同じです。


モラルの類義語・対義語



モラルの類義語と対義語には、どのような言葉があるのでしょうか。それぞれの言葉の意味も含めて解説します。

モラルの類義語


■道徳
社会で生活する中で、個人が守るべき行動の基準やルールのことです。モラルと意味はほぼ変わりません。

道徳は、法律で定められたものではなく、「他人に親切にする」「うそをつかない」など、良心に基づいた正しい行いをするための指針です。

■倫理
道徳とほぼ同じ意味の言葉です。人の良心や、「正しいことをしよう」という考え方による基準やルールを指します。

■道義
「人として正しく生きるべき」という考えに基づいた行動や道筋のことです。「道義を重んじる」「道義にかなう」といった使い方をします。

モラルの対義語


■不道徳
「道徳に反していること」という意味です。「うそをつく」「他人の心を傷つける」など、人として守るべき基本的な行動や価値観に反する行為を指します。

■背徳
「道徳心がないこと」を指す言葉です。例えば、一般的な常識を無視して、自分の都合を優先する行動などが背徳的な行為とされます。

最近では、高カロリーだったり大盛りだったりと、後ろめたさを感じつつも、つい食べたくなる料理を指して「背徳グルメ」と表現する言葉が使われています。

■インモラル(immoral)
英語「moral」の対義語です。正しいことや善いことを排除した、道徳に反する行動や考え方を意味します。


モラルとマナーの違い



「モラル」と似ている言葉に「マナー」があります。何げなく使い分けている人は多いかもしれませんが、改めて意味の違いを比べてみましょう。

モラル


社会やコミュニティーの中で何が正しいか、何が間違っているかを自分の良心や主観に基づいて判断し、行動することです。例として「ごみをポイ捨てしない」「順番を守って並ぶ」などがあります。

マナー


特定の社会や文化において、客観的に定められた礼儀作法やルールのことです。

例えば、箸を正しく使う「食事マナー」や、電車の優先席を必要とする人に譲る「乗車マナー」といったものがあります。社会での円滑なコミュニケーションや人間関係を保つための、共通のルールがマナーに当たります。

マナーは客観的に定められた作法のため、地域や文化、国が変わると内容が変化します。例えば、支払いの際にチップを渡すのがマナーとされる国もあります。

一方で、モラルは個人の価値観に基づくため、環境が変わっても変化しにくいのが特徴です。


モラルという言葉の使い方<例文>



普段の会話の中で耳にしたり、口にしたりする機会も多い「モラル」という言葉。改めて正しい使い方をチェックしておきましょう。

モラルがある


モラルは、ある・ないで表すことができます。「ある」場合は肯定的に、「ない」場合は否定的な意味を持ちます。

使い方の例として、「ごみをいつも分別して捨てるのは、モラルがある行動だ」「恋人にうそをついて他の人とデートをするなんて、モラルがない」といったものがあります。

モラルを守る


モラルはマナーやルールと同じく、「守る」と合わせて使うことができます。「公共の場ではモラルを守ろう」といった使い方です。

モラルが高い


モラルは、高い・低いという表現でも使うことが可能です。例えば、「社員のモラル向上のため、定期的に研修をしている」「恋人同士の約束を軽視する人が増え、モラルが低下している」などと言い表せます。

モラルに欠ける


モラルが不十分な時に使う言い回しです。「道徳心に欠ける」「倫理に欠ける」と同じ意味になります。

「浮気をするのはモラルに欠ける行動だ」「試験中にカンニングするなんて、モラルに欠ける」など、誠実さや公正さに欠ける行為を指します。


モラルを含む言葉



モラルは、単体以外でもさまざまな使い方があります。ここでは、より詳しく使いこなせるように、モラルを含む言葉を紹介します。

モラルハラスメント


モラルハラスメントとは、モラルに反した「嫌がらせ」や「いじめ」の行為を指します。

物理的な暴力ではなく、無視や暴言、威圧的な態度など、相手に精神的な暴力や苦痛を与える行為です。企業や学校、家庭など、さまざまな場所で起こる可能性があります。

情報モラル


個人情報をどう取り扱うか、SNSで自身と他者の人権意識をどう持つか、生成AIをどう使いこなすかなど、インターネット社会で重要視される価値観です。

「情報倫理」ともいわれるこの概念は、法律が追い付いていない状況が多く、特に最近では個人の意識向上が求められており、学校や職場でも「情報モラル教育」が重視されています。

モラルハザード


もともとは保険の世界で使われていた言葉です。「保険に加入することで、事故や病気などのリスクを回避する意識が薄くなった状態」を意味します。

近年では、元の意味から外れ、「倫理的な判断力や社会的責任の欠如」というニュアンスで使われることが増えています。


モラルを正しく理解し、高い意識を持つことが大事



生活をする中で、「自分のやりたいように、自由に行動したい」「好き勝手に生きていけたら楽なのに」と考えることはあるかもしれません。しかし、もし全ての人が自己中心的に生きてしまうと、社会は成り立たなくなってしまうでしょう。社会の調和を保つために「モラル」という考えが存在しています。

モラルに対する意識が低いと周囲に不安を与えて、孤立してしまう可能性もあります。仕事も恋愛も友情も、他者との関係があって初めて成立するものです。相手やコミュニティーを思いやり、誠実な行動を取ることで、信頼関係を築いていくことが大切です。

取材・文/高坂晴奈

【監修】
小日向るり子さん
「カウンセリングスペースフィールマインド」代表。心理カウンセラー。一般社団法人 日本産業カウンセラー協会認定産業カウンセラー。JAAアロマコーディネーター。恋愛、人間関係、メンタルヘルスなど多くの悩みにカウンセリングを行っている。恋愛や心理系コラムの執筆やメディア出演、監修も多数行っている。2024年4月までの相談件数は約6000件を超える。
オフィシャルサイト:http://feel-mind.net/




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