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母親嫌いの同僚に「なんて冷たい人なの」→ 価値観を押し付けそうになった私を変えた『上司の言葉』

  • 2024.8.6

つい自分の価値観で「こうであるべき」と人に意見を押し付けてしまったという失敗談は、誰にでもあるのではないでしょうか? 特に人間関係の話題については、自分の経験値をもとに話してしまいがち。今回は、私が知らず知らずのうちに価値観を押し付ける思考をしていたことに気づかせてくれた同僚とのエピソードをご紹介します。

画像: 母親嫌いの同僚に「なんて冷たい人なの」→ 価値観を押し付けそうになった私を変えた『上司の言葉』

母の病

数年前、母がある病気を患っていることが発覚しました。その病気は手術や入院が必要なものだったため、私は会社を数日休んで母に付き添い、ともに病と闘いました。

母の手術は無事に終わり、今後も通院や服薬は必要なものの、命に別状はなく日常を取り戻せることに。

母の病状が落ち着いてしばらく経った頃、会社の飲み会が実施されるとお知らせがあり、私も参加する旨を伝えました。

社内の飲み会

当日は多くの社員が参加しており、大所帯での飲み会に。母の付き添いで数日休みをいただいたことに対して社内の人たちへ感謝を伝える機会がなかったので、いい機会だと思い全体に向かって「母の件でお休みをいただきありがとうございました」とお礼を伝えました。

するとほとんどの社員さんは「大丈夫だった?」「いまはもう落ち着いたの?」と、口々に声をかけてくださったのです。

数々の温かい言葉に緊張の糸がプツンと切れてしまい、つい私は涙をこぼしてしまいました。母を失うかもしれないと初めて感じ不安だったこと、みんなのお気遣いが嬉しいと感じたことを話していると、同僚のAさんが口を開きました。

「私は母親なんて大嫌い。よくもそんなことで何日も休めるねって思ってたけどね」

心無い言葉に感じてしまい、涙も止まり呆然としてしまいました。

「人との関係値に決まりはないんだよ」

そんなAさんの発言を聞いた同僚のBさんが、ある言葉を返しました。この言葉はいまでも私が大切にしている言葉です。

「人それぞれ相手との関係値は違う。母親だから兄弟だから友達だからなんて関係ない。自分にとってはそうでなくても、ほかの人にとっては大切なものがある」

正直に言うと私はAさんの言葉を聞いたとき(なんて冷たい人なんだ。母親を大切にできないなんてきっとろくでもない人だ)と思っていました。

しかしAさんがそういった言葉を放ったのには、Aさんの生きてきた人生や母親との関係値が背景にあるはず。私と母親の関係性をAさんが理解できないのと同じように、私もAさんと母親の関係を理解できるはずがありません。

私は知らず知らずのうちに、自分の常識や価値観でAさんを否定していたと気がつきました。

まとめ

Bさんの言葉は、ほかの場面でも考えさせられることです。

たとえばペットが亡くなってもケロッとしている人もいれば、本人が心の病になってしまうほどのペットロスになる人もいます。

今、私がそういった場面で「ペットが可哀そうだ」とか「そこまで悲しむこと?」とか、自分の価値観で相手を否定してしまわずにいられるのは、Bさんの言葉があったおかげです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:Emi.A

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