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「60代後半両親の実家片付け。受け継げないものは正直に伝えました」佐藤藍子さんの実家片付け話

  • 2024.8.6

実家が「物であふれている」「出しっぱなし、置きっぱなしが増えた」と感じたら、片づけを始めるサイン。できるだけ早めに着手したいところですが、声がけの際に親を怒らせてしまったり、片づけ方をめぐって意見が衝突してしまい、思うように進まないことも。

そこで実際に〈実家の片づけ〉問題に直面した経験を持つ、俳優の佐藤藍子さんに話を聞きました。

思い出の品を整理整頓。「私のグッズを処分する際、親の気持ちにも配慮しました」

5年前(2023年インタビュー時から)、神奈川県内にある実家に数日間通い、片付けをしたという佐藤さん。「両親が、家族4人で暮らした家から新婚さんが住むようなミニマムな家に移ることになったため、物を整理する必要に迫られた」といいます。

◇思い出の品々に母の愛を感じた


15歳で芸能界デビューした佐藤さんの実家には、小学生時代の図工の作品から、デビュー後に掲載された雑誌、ポスター、台本、ビデオテープ、デビュー当時に着ていた衣装など、どれも佐藤さんの人生の歩みが感じられるものが、長年保管されていました。
「自分にとって必要なものは、結婚したときに新居に移していたのですが、それでもかなりの量がありました。保存状態がよく、『こんなものまでとっておいたの?』というものもあって、親の愛情を感じ、素直に感謝しました」

一方で、もっと前に「処分していいよ」と両親に言うべきだったと反省も。
「でも、大切に保管してくれていた親の思いもあるので、子どもとしては、それをくみ取ることも必要なんじゃないかと」

佐藤さんは母の気持ちも確認しながら整理すると同時に、「『思い出、ここまで残しておいたからいいよね』という言葉を聞いて、母の中でも折り合いがついたように感じた」といいます。

◇受け継げないものは正直に伝える


この引っ越しをきっかけに、「いつかは藍子に譲ろうと思っていた」という宝飾品の数々も手渡された佐藤さん。しかし、仕事以外でアクセサリーを身に着けることがほとんどなく、大事にできないという確信があったため、きちんと伝えることに。
「実用性のある真珠のアクセサリーだけはもらいましたが、残りは『お母さん、私がこの宝飾類を受け継いだら、その末路がわかるでしょう?』と素直に伝えたところ、母も察したようで。母の姉妹たちと物々交換をしたようです。」

母の思いもあるので、「一度は受け継ぐことも考えた」という佐藤さんですが、結果、大切にしてくれそうな人の手に渡って、物の良い循環につながりました。

◇夫婦の価値観のズレ、子どもはスルーを


両親の荷物に関しては、2人の意見が食い違う場面があっても、中立の立場をとっていたといいます。
「こまめに片づけをする両親ですが、実家に帰ると、家の中で気になることっていろいろあるんですよね。でも、日々そこで暮らしている人にしかわからないことも絶対にあるはず。だから、あまり外から口出しすべきではないですね」

夫婦間の問題はスルーするのみ。ただ、もう少し手伝うべきだったという後悔の念も。
「佐藤家が代々飼っているミニチュアダックスフント用に使っていた木製のケージを、父の頑固な『そんなものはいらない!』というひと言に従って母が泣く泣く捨ててしまったことは悔やんでいます。しかも新居に行ったらプラスチック製のゲージを買いなおしていたんですよ。処分したケージは私が買ったもので、インテリアとしても映えるものだったのに……。あのとき、私が一時的に引き取ればよかったです(苦笑)」

当時60代後半だった両親の年齢を考え、「けんかになってしまったかもしれないけれど、両親は体力も落ちていたでしょうし、一軒分の引っ越し準備は大変だったはず」と。


両親は実家を片付け、新生活へ。
「引っ越しした後は元気いっぱいで、精神的にも若返ったように感じます。あのタイミングで物を整理して、いったん暮らしをリセットし、新しい一歩を踏み出せたのは本当によかったと思います。今は両親2人の生活を存分に楽しんでいます」

佐藤さん自身は、物への執着がまったくなく、「整理整頓が苦手」だと明かします。
「人間いつ死ぬかわかりません。だから私は、自分が死んだ後のことに想像をめぐらせ、残された人に迷惑がかからないようにしておきたいですね。唯一、小さい頃から集めている漫画数千冊だけはかさばりそうだし、絶版になっているものもあるので、どこかに寄贈するなど、ちゃんと一筆残しておきたいと思っています(笑)」。

※インタビューは、2023年7月のものです。


佐藤藍子(さとう あいこ)さん
1977年、神奈川県生まれ。92年、「第6回全日本国民的美少女コンテスト」でグランプリを受賞し、デビュー。ドラマ「いたずらなKiss」(テレビ朝日系)、「女子アナ。」(フジテレビ系)など話題作で主演を務め、「奇跡体験!アンビリバボー」(フジテレビ系)のMCなどバラエティ番組でも活躍。2007年、結婚を機に千葉県に移住。芸能活動のかたわら、夫の実家が営む乗馬クラブをサポートしている。

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