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ケルシー・マンが映画『インサイド・ヘッド2』について語る【sweetムービーインタビュー】

  • 2024.8.5

Kelsey Mannケルシー・マン

2009年よりピクサー・アニメーション・スタジオで脚本を務める。『モンスターズ・ユニバーシティ』(13)、『2分の1の魔法』(20)などを手がけ、本作で長編監督デビュー。


両親の都合で暮らしの環境が激変した11歳の少女ライリーの頭の中にある感情のゆらぎをキャラクターにし、心の成長を描いた大傑作『インサイド・ヘッド』。あのヒットから9年、高校に進学するライリーに訪れた思春期の頭の中を描いた続編『インサイド・ヘッド2』がやってきます。思春期って見栄や欲も出れば、不安や嫉妬も芽生えてくる、誰にとっても厄介な時期。それをこれまた完璧なシチュエーションとストーリーで描ききっています。

監督のケルシー・マンは「ある日突然、前作の監督でスタジオのトップ、ピート・ドクターから呼び出されて、クビの宣告かと思ったらこの作品の打診だったんだ」と振り返ります。
「前作には僕は一切関わっていなくて、別の作品を手がけていたんだ。だから、ものすごく意外だった。続編を監督するにしても、過去に自分が関わったものだと思っていたから。オファーを受けたとき、続編のアイデアは白紙状態だったけど、前作の最後で“ライリーは12歳。どんな問題が?”というセリフで終わったところに着目して、その問いに答えるストーリーを作ろうと思いついたんだよ」

思春期のティーンエイジャーの揺れ動く心を描くことは、実写映画でも大変。それに成功している作品はもれなく傑作になるけど、そうでないと即忘れ去られる映画になる危険も。

「多くの人、とりわけティーンエイジャーの手助けをする映画にしたいと思いました。そして、まだ心の中にティーンのときのことを抱えている全ての人にも語りかけたいと。僕は幼いころ、自分は祝福されるに値する存在だと思っていましたけど、歳を重ねていくと自分に厳しくなり、自分には価値がないように感じるようになりました。それは今も僕の頭の中にありますが、それにどう対処すればいいのかを、その後学んできました。自分には価値がないという思いには、誰もが共感できるはずですから。あなたには価値があるのだと知ってもらいたい。この映画を観終わった人達が、鏡を見て、そこに映るもの、その内面にあるものを素直に愛してくれたら素敵だなと思います」

ライリーに芽生えた新たな感情は、シンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリィの4つ。この設定は本当に見事で、自分の思春期、もしくは青くて恥ずかしい時期を思い出してしまうはず。「ダメなところも含めて自分を愛すること。誰しも愛されるために、完璧である必要はない」という言葉で始まるこの映画、最後まで観るとこの言葉がずっしり響いてきますよ。

『インサイド・ヘッド2』
story : 中学校生活も終わりに差しかかったライリーの頭の中では、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリといった5つの感情達が彼女のメンタルを支えてきた。が、ある日異変が。シンパイなどの新たな感情が現れ、ライリーの思春期が始まってしまう。

監督:ケルシー・マン/声の出演:大竹しのぶ、多部未華子、小清水亜美、坂本真綾 ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:8月1日より、TOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー
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text : MASAMICHI YOSHIHIRO

web edit : KIMIE WACHI[sweet web]

※記事の内容はsweet2024年8月号のものになります。
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