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【2024年】40代女性におすすめ!大人の恋愛映画3選 -『カイロの紫のバラ』『おとなの恋には嘘がある』『新しい靴を買わなくちゃ』【土曜日のシネマサロン】

  • 2024.8.4
【2024年】40代女性におすすめ!大人の恋愛映画3選 -『カイロの紫のバラ』『おとなの恋には嘘がある』『新しい靴を買わなくちゃ』【土曜日のシネマサロン】
出典 FUDGE.jp

クリエイティブチームDo it Theater(ドゥイット・シアター)がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第124回目のテーマは「40代女性におすすめ!大人の恋愛映画」です。

Do it Theaterの洲崎真紀子(すさきまきこ)です。この連載はDo it Theater女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。

今回は「40代女性におすすめ!大人の恋愛映画」をテーマに、『カイロの紫のバラ』『おとなの恋には嘘がある』『新しい靴を買わなくちゃ』をセレクトしました。恋の甘さと苦さを知っている、大人の女性が楽しめる恋愛映画です。ぜひ、チェックしてみてください。

 

恋の甘さを引き立てるのは、現実の苦さ

【2024年】40代女性におすすめ!大人の恋愛映画3選 -『カイロの紫のバラ』『おとなの恋には嘘がある』『新しい靴を買わなくちゃ』【土曜日のシネマサロン】
出典 FUDGE.jp

Illustration_skpn

title:『カイロの紫のバラ』

【story】
1930年代半ば、大恐慌のあおりを受けて不況が続くニュージャージー州。セシリアは、失業中の夫・モンクの代わりにレストランでウェイトレスをして家計を支えていた。仕事もせずに遊んでばかりの夫との生活にうんざりしていた彼女の唯一の楽しみは映画鑑賞。ある日、お気に入りの映画「カイロの紫のバラ」を観ていると、主人公のトムが突然セシリアに話しかけてきた。気が付くと彼はスクリーンから飛び出してきて…。

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最初にご紹介するのは、ウディ・アレン監督が手掛けたロマンティック・コメディです。

スクリーンから出てきたお気に入りの映画の主人公と恋をする。あり得ない設定ですが、夢のようなシチュエーション。映画好きでもそうでなくても、一度は想像したことがあるのではないでしょうか。本作の主人公・セシリアも、大好きな映画の主人公であるトムに「ずっと気になっていた」と言い寄られて、驚くより先に喜んでいるよう。「私、結婚してるけど」「どうしよう」なんて言いながら、あきらかに嬉しそう(笑)。それもそのはず、実生活では無職の暴力夫にお金を無心される日々で、愛も冷めていたのだから。そんな時に、心の支えにしていたいわば“推し”に「好き」と言われたら、ときめかないわけがないのです。夫そっちのけでデートを楽しむセシリアは、まるで少女のように可愛らしく、恋の喜びがひしひしと伝わってきます。

ラストは、さすがウディ・アレン監督。ほろ苦い現実を突きつけてはくるけれど、そのおかげで甘い恋の幻想がひときわロマンティックに輝いて、観る者の心をつかみます。甘さが強めで、ほんのりビターな恋愛映画。必見の名作です。

 

可笑しくも愛しい、哀愁漂う大人たち

【2024年】40代女性におすすめ!大人の恋愛映画3選 -『カイロの紫のバラ』『おとなの恋には嘘がある』『新しい靴を買わなくちゃ』【土曜日のシネマサロン】

title:『おとなの恋には嘘がある』

【story】
ボディセラピストのエヴァは、離婚して10年。気の置けない友人や最愛のひとり娘と充実した日々を過ごしてきた。けれど娘が大学進学で家を出ることになり、これからの人生に寂しさを覚える。そんなある日、友人が開いたパーティでアルバートと出会う。彼はバツイチで娘が1人いるという。ユーモアのセンスや優しい人柄に惹かれていくエヴァ。ところが彼は、ボディセラピーの顧客・マリアンヌの元夫だった。

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続いては、バツイチ男女のラブストーリー。監督は人気テレビシリーズ「SEX AND THE CITY」の演出も手がけたニコラス・ホロフセナーです。

主人公・エヴァが出会ったのは、離婚歴があって娘がいるという、自分と共通点の多いアルバート。初回のデートからしばらくは順調で、恋がはじまる楽しい時間を観ていると、幸せな気持ちになります。ちょっと恥ずかしい、変な癖を明かす場面もお気に入り。あえて欠点をさらけ出して、等身大の自分で相手と心を通わせていく様子が、可笑しくも愛しいシーンとなっています。

注目は、大人の心情が映し出される控え目な演出。物語の山場で、エヴァとアルバート、そして彼の元妻の3人が鉢合わせをするのですが、全員そこまで感情的にならない。その後の本音をぶつけ合うシーンでも、泣いたり、叫んだりしない。飲み込んだ方がいい言葉や、抑えた方がいい感情というものを知っている。そんな大人たちに哀愁を感じつつ、リアリティを持って鑑賞することができました。過剰なドラマがない分、登場人物たちの心の機微に触れることができますよ。

人生経験の豊かな“いい大人”が繰り広げる恋愛模様を、じっくり楽しめる良作です。

 

曖昧さが、大人の恋を醸し出す

【2024年】40代女性におすすめ!大人の恋愛映画3選 -『カイロの紫のバラ』『おとなの恋には嘘がある』『新しい靴を買わなくちゃ』【土曜日のシネマサロン】

title:『新しい靴を買わなくちゃ』

【story】
妹のスズメに付き添ってパリに来たカメラマンのセン。ところが、スズメはパリに着くなり単独行動をしたいと言って、センを置き去りにしてどこかに行ってしまう。宿泊先も分からず途方に暮れるセンだったが、ひょんなことからパリで暮らす日本人女性のアオイと出会う。彼女にパリの街を案内してもらううちに、ふたりは意気投合する。

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『ロングバケーション』や『半分、青い。』など多くの恋愛ドラマを世に送り出してきた北川悦吏子が、原作・脚本・監督を務めた本作。もちろんラブストーリーで、パリで偶然出会った男女の3日間を描いています。

舞台がパリということもあってか、恋のワクワク度は高め。お酒を飲みすぎて歩けなくなったアオイをセンがおんぶしてあげたり、アオイのアパルトマンで毛布にくるまりながら夜な夜な語り合ったり…なのに、ふたりの距離はなかなか縮まらない。
「障壁は歳の差?住んでいる場所?」などと考えながら観ていると、アオイが、過去の出来事によって心に傷を抱えていることが明かされます。これ以上傷つきたくないし、傷つけたくないから、一歩踏み出せない。ラストに近づくにつれ、恋に臆病になる大人の複雑な心の内が見えてきて、ふたりのセリフに引き込まれます。なかでもグッとくるのは、別れの場面で交わす会話。溢れる気持ちを抑えるように言葉を選ぶ様子が、胸を打ちます。恋の結末の先で迎える、“はじまり”を予感させるラストシーンも秀逸です。

関係をはっきりさせないからこそ美しく、心に残る恋もある。そう思えるのは、大人になったからかもしれません。

 

今回は「40代女性におすすめ!大人の恋愛映画」をテーマに、『カイロの紫のバラ』『おとなの恋には嘘がある』『新しい靴を買わなくちゃ』をご紹介しました。恋の甘さと苦さが味わい深い恋愛映画たち。人生の酸いも甘いも嚙み分けた大人の女性も満足できるはず。40代でも何歳でも、ぜひ、チェックしてみてください。

 

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