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香りのプロが‟夏のニオイ問題”にジェンダーフリーな香りを勧める理由【大人のお作法】

  • 2024.8.3

Summer Scent

©ryouko

今年も予報通りの猛暑。少し外出しただけでも汗が吹き出す、亜熱帯のような気候が続き、熱中症対策や紫外線対策は今や一大マーケット。ハンディファンやクールタオルなどのグッズやドリンク類、コスメなどなど、不快で危険な夏を乗り切るための製品がたくさん店頭に並んでいます。

暑さや紫外線と並んで深刻なのは‟ニオイ問題”。特に混雑した電車の中は、汗や柔軟剤、生乾きのシャンプーの残り香、ヘビーなフレグランスなどなど、様々なニオイが混ざり合ったカオス状態です。長年フレグランスに携わってきた私は、夏こそフレグランスを上手に使って快適に過ごして欲しいなぁ、と切に思います。というのも、フレグランスを誤って使っている方が多く、それがスメハラの原因となっているから。

ここで、スメハラの原因になってしまいがちな、フレグランスNG行動を3つご紹介しますね。

①汗や皮脂を拭かずにフレグランスをつけること

②汗のニオイをフレグランスで消そうと、つけすぎてしまうこと

③夏向きでない香りをつけること

汗をかいた肌に香りを重ねても良い香りは立ちません。フレグランスは必ず清潔な肌につけること。シャワーの後や、無香料のボディシートなどで汗や皮脂汚れ拭いてから塗布することが鉄則です。そして、つけすぎは厳禁。オードトワレの適量は体の3ヵ所に各1プッシュ。それ以上はつけすぎです。また、つける場所も重要なポイント。香りは下から上に立ち香るので、ウエストラインや膝の内側、足首など、服で肌が隠れる場所がオススメです。欧米の映画などに出てくる耳の後ろや首筋につけるのはNG。汗が出やすく、紫外線があたる場所でもあるので夏には避けたいところです。

©ryouko

また、湿度が高く、香りが重たく感じる日本の夏には、香り選びも大切です。以前、夏にヨーロッパで購入したフレグランスを日本で纏った際、友人たちから大ブーイング。同じフレグランスでも湿度が低く、空間の広いヨーロッパとムシムシした夏の日本では、香り立ちが全く違うため、“素敵な香り”が“迷惑な香り”になってしまうことも。いくらお気に入りの香りでも、夏にむせかえるように濃厚な花の香りや温かみのあるスパイシーな香り、オリエンタルノートをつけてしまうと‟スメハラマダム”になりかねません。

選びたいのは、爽やかな印象を与えてくれる柑橘系や涼しげなミント、レモンバーベナなどのハーブの香り、清流を思わせる水のような香りです。それらの香りはジェンダーフリーのものが多いので、パートナーとの共有もGood!です。

©ryouko

欧米でのフレグランスはパーソナルなものであり、他人を意識して纏うものではありません。でも、日本ではどうでしょう? 平安の昔から、香りはパーソナルなものであると同時に、空間や季節を意識して使うものでした。だからこそ、自分だけでなく、周りも快適でいられる香り選びが大切なのでは?と思います。

香りのプロを自認している私は、‟夏には夏の香りを!”と、フレグランスだけでなく、家中の香りアイテムも夏仕様に変えています。ルームフレグランスはグレープフルーツの香り、ボディソープはミントの香りに。寒い季節に活躍してくれた大好きなウッディノートのキャンドルはそっとラップに包んで秋までクローゼットに保管します。夏はどの空間に行っても‟清々しい夏の香り”に。香りの効果で少しクールダウンする気がしています。

そして、外出前にはハンカチにハーブ系のフレグランスをワンプッシュ。汗を拭くたびに涼やかな香りを楽しめるだけでなく、電車内でニオイのカオスに遭遇したときでも、そっとハンカチを鼻に当てると、不快なニオイを軽減してくれます。

‟夏のニオイ問題”。他人を変えることはできないけれど、少しの工夫で自分が快適に過ごすことはできそうです。香りの力を借りて、暑い夏を清々しく乗り切りましょう。

丸野ひかる(まるのひかる)

米国のカレッジ卒業後、30年間以上、外資系化粧品会社にて新規ブランドの立ち上げ、マーケティング、PRマネージャーなどオールマイティに活躍。現在はフリーで、コスメ、ファッション、ライフスタイルなど「面白くて、人を幸せにするモノとコト」のPRに。日々の癒やしは、最愛のモフモフ猫との添い寝。

TEXT=丸野ひかる

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