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「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」が茨城県近代美術館で開催中

  • 2024.8.3

­こんにちは。フリーキュレーターのSEIJIです。価値観や表現方法が多様化しているアートの世界を、ニュースや展覧会、作家や作品に注目したコラムにしてお届けする「今どきのアート」。近頃、気になったのがコチラ!

美術館で体験する日本のものづくりの楽しさ。「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」が茨城県近代美術館で開催中!

出典:シティリビングWeb

《TASKOの棚から》2021年 ©TASKO

日本は、世界に誇れるものづくりの国です。伝統工芸品や建築、そして精密機械などに活かされている巧みな技術の伝承と発展は、世界中の人々が求める産業文化の象徴ともいえるでしょう。

そのものづくりをさらに元気にしているのが、アートファクトリー「TASKO(タスコ)」。

豊かな発想力と優れた技術力をもつTASKOは企業や様々なクリエイターたちとコラボレーションをしながら、多くの映像や広告物、アート作品などを手がけているクリエイティブ集団なのです。

そのTASKOの作品が存分に味わえるこの展覧会。さてさて、どんな楽しみが待っているのでしょうか。

出典:シティリビングWeb

《うかぶ風船》2021年 ©TASKO

ものづくりの技術力をテーマにした斬新な展示

TASKOのユニークなものづくりの秘密にせまる今回の企画展は、うごく・さわれる・体験できる作品たちでいっぱい。多様性と変化が交錯する現代アートの視点からみてもしっかり楽しめます。

なんといってもその魅力は、あの有名な明和電機出身者も参加するTASKOならではの、磁力や風力を利用した動く装置や、光や影の特性を活かした空間展示、音やオブジェ、香りが連動する作品などが五感で楽しめること。

作品の動くしくみやしかけや作品制作の裏側やエピソードなどを通じて、作品を鑑賞する人の想像力、発想力、創造力を触発し、自分も何かを「つくりたくなる!」、そんなワクワクな気持ちにさせてくれるのです。

出典:シティリビングWeb

《パフューマリー・オルガン》2015年 ©TASKO

TASKOと明和電機

TASKOは、明和電機の出身者らによって2012年に結成された、ものづくりのプロ集団。機械、美術、舞台、イベント、デザインなどそれぞれの専門スタッフとスキルが集まり、さまざまな素材や手法、ユニークなアイデアと創造力で、業界騒然の「ニューものづくり工場」として、新しいものづくりに挑戦しつづけ、国内外で活躍しています。

そして、明和電機はなんと企業ではありません。筑波大学芸術研究科を修了した土佐信道プロデュースによるアートユニットなんです。

その活動では、日本の高度経済成長を支えた中小企業のスタイルを特徴に、ナンセンスマシーン(常識を超える商品)と呼ばれる独自のプロダクトを開発し、日本や海外でライブ、展覧会などで発表しています。何だか、思わず就職を希望したくなりますね。

出典:シティリビングWeb

《PIXTERIOR》2024年 ©日本テレビR&Dラボ・TASKO・サンミューロン《PIXTERIOR》展示期間2024年8月18日(日)~9月18日(水)

つくる展初出品の特別作品を展示!

たくさんのスイッチが並んだ"すわれるイス型デバイス"!?

今回初出品される《PIXTERIOR(ピクステリア)》は、Pixel+Interior/Exterior+Ulterior(先の、将来の)の語をかけあわせたタイトルの最新作。

押しボタンスイッチが並んだイスの表面に、ピクセル画やカラフルな映像が映り、遊べるデバイスとしても家具としても楽しめる奇抜な発想がおもしろい作品が初登場!

こちらは展示期間が限定されていますので、事前に確認してください!

出典:シティリビングWeb

《ししおどし?!》2021年 ©TASKO

明かされる展覧会の楽しさの秘密とは…

RGB(赤、緑、青)の光源の前に立つと色のついた影ができ、光の三原色を体感できるのが《ひかりの3原色》。

レトロな音楽に浸りながら、札幌の町並みの影が移り変わっていくさまを鑑賞できるのが《札幌ループライン》。

鍵盤をおすと同時にその音に対応した香りが出る装置で、自動演奏のほか、来場者が自由に演奏することができるのが《パフューマリー・オルガン》。

子どもも大人も五感を使って楽しめてワクワク感がいっぱいです。

風力や電力などの動力による動くしかけが楽しめるのが《うかぶ風船》《FLOWER DISPLAY》。

水ならぬパチンコ玉で動く《ししおどし?!》をはじめ、多くの作品はアイデアスケッチや作品に使われた部品も見ることができ、鑑賞者が動くしくみについて分かりやすく学べるんです。

同展のキーヴィジュアルにも登場する《TASKOの棚から》では、TASKOが制作に用いる道具や素材、試作なども展示され、制作の裏側を知ることができます。

TASKOがどんな風にものづくりを工夫しているのか、制作の裏側やエピソードにも触れられる体験ができるのもうれしい演出。

出典:シティリビングWeb

《札幌ループライン》2017年 ©TASKO2021年 ©TASKO

学芸員からのひとこと

「TASKOのものづくりの秘密を存分に味わえる企画展です。ぜひご家族やご友人と一緒に体験しにいらしてください」(担当学芸員 永松さん)

出典:シティリビングWeb

茨城県近代美術館外観

「つくる展 TASKOファクトリーのひらめきをかたちに」

会期は9月23日(月・振休)まで。展覧会の詳細は下記のURLからご確認ください。

茨城県近代美術館

https://www.modernart.museum.ibk.ed.jp/viewer/info.html?id=332

プロフィール/SEIJI(小太刀正史)

フリーキュレーター。MeDEL個人事務所主催。学芸員の目線から美術館の情報を発信する活動を始める。自身もオブジェ作家として活動歴あり。

OBJECT東京展入選 From A The art日本オブジェ部門佳作 日本文化デザイン会議

ETDA展参加など。

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