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今が一番若い。どこにでも行けるし、なんでもやれる!菊地凛子に学ぶ40代のマインド【インタビュー】

  • 2024.8.1

一年ぶり二度目の本誌登場となる俳優・菊地凛子さん。今回はオープンカーで初夏の海へショートトリップ! エルメスやGUCCIなどのメゾンブランドを颯爽と身に纏いアルファ ロメオを乗り回す、最高にイケてる女性を演じてくださいました。青い空と海に真っ赤な車…。目にも鮮やかでシネマティックなストーリーをどうぞ。 
 
作品によってその印象は自在に様変わりし、そのうえ、日常も透けてこない。菊地凛子さんとは一体どんな人?  個の部分にフォーカスします。

なんでもやれるし、どこへでも行ける。

そのマインドだけは手放さない

オープンカーとドレス。鮮やかな赤は私を強くポジティブにしてくれる。マキシ丈ドレス¥1,045,000(グッチ/グッチ クライアントサービス)

キャリアや年齢を重ねた大人たちほど、「今が楽しい」と口にするのを耳にしてきた。菊地さんはその楽しさを享受しつつも、どちらかといえば“楽しまなきゃ”が前に出る。
 
「若いときには、今が一番若いなんて考えたこともなかったんですが、年齢を経て痛感するのが“常に今が一番若い”という事実。だから、もう自分の楽しみをためらってはいられないなと思います。今やりたいことをして、着たい服を着て、今の自分を満たしていく。もう大人だからとか、若い子にしか似合わないよね、と自ら手放してしまうことばかりでは、すごく寂しいなと思うんです。私の場合は、子どもに費やす時間が最優先で、自分のことは後回しになりがちだけれど、一人の時間ができたときにふと心に芽生える、“あれしたい、これしたい”を見逃さないようにしています。若くはなくても、40代は体力だってあるし、どこにでも行けるし、なんでもやれるくらいの気持ちで。もちろん本当に疲れ果てちゃうときもあるけど、実際にできる、できないは別として、マインドだけは常にそう保っておこうと」

パールのジュエリーに刻まれた海の記憶。カーディガン¥297,000(ヴァレンティノ)、ネックレス[ロゴ付き]¥106,700、チョーカー¥133,100、ピアス¥58,300、ブレスレット¥68,200、ヘアークリップ向かって右上から:[ロゴ立体]¥74,800、[ロゴ平面]¥58,300、向かって左:[ゴールド平面]¥68,200(全てヴァレンティノ ガラヴァーニ/ヴァレンティノ インフォメーションデスク)

忘れてしまいがちになるけれど、結局のところは自分の心次第ということ。
 
「そう、全部自分でブレーキをかけているんですよね。年齢のせいにするのも、誰かの目が気になるのも、実は自分の中の問題。“誰かの目”と言っても実際みんな他人にそんなに興味がないと思うんですよ(笑)。だからあれこれ気を張らずに、自分の中だけで起きていることで、淡々と物事を捉えていくほうが健やかですよね」

ふわりと舞い上がったりからだに巻きついたり。海風を全身で感じることができるとっておきの一着。ドレス¥1,045,000、シューズ¥156,200、ネックレス¥75,900、ピアス¥57,200(全てグッチ/グッチ クライアントサービス)

朗らかに、そして自然と。ポンッと肩を軽く叩いてくれるような言葉。そんな菊地さんが今、日常の中で頼りにしている感覚。
 
「ワクワクすることや、キラキラしていること、そういった心が惹かれる感覚を大切にしているし、今こそその感覚には素直になったほうがいいぞと思います。時間も限られているうえに、さらに優先順位もある生活をしているのでなおさら。家族が最優先であることは不変なので、その中で選択をしていくわけですが、限られた時間の中でもう余計なことはしたくないじゃないですか。選択のときは、素直にどっちが好きなんだろう?  どっちがワクワクするのかな? と根本的な衝動に従ったほうがいい。たとえいい方向に行かなかったとしても、自分の素直な気持ちで導いた選択ならば後悔にはならない気がします。いいこともそうじゃないことも含めて、何が起きたとしても、その全てが私を形成している大事な要素。今、目の前にある選択にしても、将来の自分を形成するものになる。自分が歩いて生きた道も、これから歩んでいく道も、人がなんと言おうが自分だけは肯定してあげたい。その心持ちは忘れずに」

ワークウエアの代表格であるジャンプスーツを極上のレザーで仕立てた、エルメスらしいスーパーラグジュアリーな一着を纏って海へ。ジャンプスーツ¥2,684,000※参考価格、リング¥108,900、ペンダント[長い方]¥580,800、ネックレス¥1,027,400、ブレスレット¥552,200(全てエルメス/エルメスジャポン)

菊地さんの視点で日々を生きられたとしたら、過去の出来事も、それがネガティブなものでも、少しだけ温かく鮮やかな記憶に。
「ただ、だいたい過去って美化されるものなんです。それにいつかは忘れてしまいますしね。限られた時間の中で起こる出来事は、特に子どもの成長は一瞬だからこそ、忘れたくないし、忘れちゃいけないと思うのに忘れていくんですよ。素敵な言葉をくれたとか、胸熱な瞬間に立ち会ったとか、たくさんの感動があったのに。……でも、それが生きていくってことなんだと思うんです。それに忘れてしまったとしても、その記憶が私の中を通過した事実は何かしら残っているはず」

profile_きくち・りんこ/1981年、神奈川県出身。1999年、映画『生きたい』でスクリーンデビュー。2006年、『バベル』でアカデミー賞助演女優賞をはじめ多数の賞にノミネート。主な出演作に、映画『ノルウェイの森』『658㎞、陽子の旅』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、連続テレビ小説『ブギウギ』など。映画『パシフィック・リム』シリーズほか海外の作品にも出演し、国内外問わず活躍。待機作に映画『あの人が消えた』(9月20日公開)がある。

photo:ITTETSU MATSUOKA styling:Babymix
hair:YUSUKE MORIOKA[eight peace]
make-up:RYOTA NAKAMURA[3rd] model:RINKO KIKUCHI
special thanks:KEISUKE KAWANISHI Interview & text:HAZUKI NAGAMINE
 
otona MUSE 2024年9月号より

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