【奈良　かき氷】しゅわしゅわ、カリカリ。庭の梅の実で作った、酸っぱさがたまらない奈良「梛の木」だけで味わえる特別なかき氷

不定期にしか提供されないかき氷。予定が立てにくくても、ついでにふらっと立ち寄ることが難しくても、このかき氷を食べるために出かけたい。そんなふうに心を掻き立てられるのが、イタリアン「梛の木（なぎのき）」の「お庭の梅ソーダかき氷」です。お庭の梅？ ソーダ？ はて？ おにぎりの具に梅を選んでしまう人は必見です。

お屋敷イタリアンで味わう、不定期営業のかき氷

近鉄奈良駅から約18分。駅の近くにも魅力的なかき氷のお店はたくさんありますが、わき目もふらずに歩きます。喉がカラカラになった頃に見えてくる「車両は通り抜けできません」の看板。その細い道沿いにあるお屋敷がお目当ての店「梛の木」です。

店に一歩入ると、奥の庭の緑が眩しく、広々とした空間が広がります。フローリングの床や天井まで貼られたクリーム色の壁紙が品よく、落ち着くことこの上なし。

ピカピカに磨き込まれた厨房。この場所で曜日も時間も不定期で提供されるかき氷が、熱烈なかき氷ファンの間で評判を呼んでいるのです。シェフは東京のさまざまなホテルやレストランで長きにわたり研鑽を積んだのち、奥さんの実家のある奈良で自身のお店を開店。平城京の時代から氷の守り神を祭ってきた奈良の歴史を重んじ、忙しい間を縫って、かき氷の提供を始めました。

庭の大きな梅の木が主役、名物「お庭の梅ソーダかき氷」

奥の庭には、立派に成長した梅の木。この木が「お庭の梅ソーダかき氷」を生み出す主役です。

「梛の木」の名前をかき氷ファンの間に知らしめたのが「お庭の梅ソーダかき氷」。名前そのまま、庭の木にたわわに実る梅の実からシロップを作ったかき氷です。

こちらが自家製の梅シロップ。梅のエキスが氷砂糖と混じり合い、琥珀色の液体に。しっかりとエキスが出きった後の梅がしわしわになってシロップの上に浮かんでいます。

ベースの甘酸っぱい梅シロップに加えて、ねり梅のペーストで彩りと酸味を加えます。上にのせたゼリーも自家製。

梅だけで、1杯のかき氷の中でこれだけの味の変化を感じられること、味の奥行きに驚き。梅の香りとシロップの甘さ、梅肉の塩っけがバランスよく、カリカリ梅の食感はアクセントに。口の中にすぅっと梅が広がり、後味もすっきり。塩分も利いていて熱中症対策にもなりそう。そして奥まで食べ進めると、梅のゼリーがたっぷり。このゼリーがしゅわしゅわっと舌先を刺激します。

これが話題の梅ソーダゼリー。特別に現物を見せてもらいました。梅のゼリーの中に炭酸をたっぷり閉じ込めて密封保存されています。氷の中でキンキンに冷やされることで、よりシュワシュワを感じられてさらにおいしいのです。

料理人ならではの発想が光る「白いトマト氷」

イタリアンシェフならではのかき氷が「白いトマト氷」。透明のトマトシロップをまとった真っ白なかき氷です。

トップに雪のようにのっているのは、発酵フレッシュクリーム。サワークリームのような爽やかな酸味があります。別添えのバジルソースを垂らして、カプレーゼ風。

パラパラっとふりかけてある黒胡椒もインパクト大。こちらは梅のかき氷よりもさらにすっきりとした味。水切りヨーグルトやバニラアイスなどをトッピングするのもよいですね。トッピングはチーズクリーム、ブランマンジェ、すっぱいレモンのシャーベット、チョコレートソース、飾りの鹿（ツノ・耳・顔）が各100円で選べて、自分好みにカスタマイズできます。

食べ進めていくと、中から赤いトマトの氷が出現します。このサプライズ感も、料理人ならではの発想力です。

今回は、真夏に食べたいスッキリ系のかき氷2種類をご紹介しましたが、「梛の木」では古都華（奈良県産高級いちご）、せとか（柑橘）、ラ・フランス、柿など季節ごとに趣向を凝らしたかき氷が登場します。味わってみたい人はSNSを要チェックですよ！

■梛の木（なぎのき）
住所：奈良県奈良市高畑町1028
TEL：0742-81-4445
営業時間：ランチ11時30分〜14時LO、ディナー18時〜20時30分LO
かき氷は不定営業。営業日、営業時間はInstagramで随時発信
定休日：不定休
アクセス：近鉄奈良駅から徒歩18分

Photo：photo scape CORNER.大﨑 俊典
Text：京都ライター事務所 小西尋子

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