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『悪天候』後に悪化するぜん息!?医師「イマが1年で最も悪化しやすい」→医師からの“衝撃の注意喚起”にゾッ…

  • 2024.9.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

時に甚大な被害を与える「台風」。今年の8月も、浸水や倒木などさまざまな話題がニュースになりました。しかし…実は台風シーズンって、1年の中でもっとも喘息が悪化しやすい時期でもある、ということはご存知でしょうか?

喘息患者の方々の中には、台風が過ぎた後に「なんか息が苦しい…」と感じたご経験もあると思います。その現象、実は「雷雨喘息(らいうぜんそく) 」と呼ばれるものだったかもしれません。

そこで今回は、「雷雨喘息」の詳細や症状の抑え方などについて、詳しく解説させていただきます!

雷雨喘息ってなに?

(1)台風による「マイクロ花粉」の発生

通常、花粉などのアレルギー原因物質は、私たちが吸い込んでも鼻や喉でキャッチされるそう。そのため、気管支の奥まで届くことはあまりないようです

しかし台風や雷雨がやってくると状況が一変するのだそう。雷雨の際には空気中の湿度が急上昇してしまい、花粉が水分を吸って膨張し、そして破裂するのだとか。その結果、本来30~40µmの大きさだった花粉が、10分の1の3~4µmくらいに細かくなってしまうそうです。

このサイズがちょうど、空気の通り道である気管支の先の先、「終末細気管支」という非常に奥の細い気管支にまで到達しやすい大きさなのだとか。実際に、喘息でつかう吸入薬の薬のサイズは、これくらいのサイズになるように設計されているそうです。

この「マイクロ花粉」とも言うべき花粉が、強風とともに遠く離れた地域へただよい、我々の気道の奥に入ってしまうことがあるのだそう。これが、雷雨喘息の原因のひとつとされているそうです。

(2)気圧の低下も原因に

台風が接近すると気圧が低下します。実は、「低気圧」も気管支を縮みやすくさせる要因になるそうです。

また、秋の夜などは急に涼しくなることもありますが、この涼しさも気管支を刺激するのだとか。これらが重なることで、喘息の発作が引き起こされやすくなるそうです。

どうすれば抑えられるの?

では、どうすればこの雷雨喘息から身を守ることができるのでしょうか?

(1)日頃から喘息の管理をしっかりと行う

まず一番大切なのは、日頃から喘息の管理をしっかりと行うことなのだそう。処方された吸入薬を正しく使い、症状が出ないようにしっかりとコントロールすることが大切なのだとか。

実際に、喘息の患者さんの中には、調子がよいと薬を自己中断してしまう方が少なくないそうです。本当に安定していればまだ良いものの、「ちょっと調子が悪い」「でも、病院に行くほどではない」と放置してしまう方もいらっしゃるのだとか。

そのような不安定な状態の方に、台風が重なってしまうと、救急搬送が必要なほどの呼吸困難が生じてしまう場合もあるそうです。普段から安定して治療している方はしっかり継続し、不安定でも病院に受診できていない方は、困る前にしっかりと受診しましょう。そのようにして、喘息発作がおこらないように予防策を講じることが必要になるそうです。

特に、台風が接近する時期や雷雨が予想される時には、吸入薬の使用を怠らないようにしてくださいね。

(2)花粉やハウスダストから身を守ろう

台風や雷雨の後は、空気中に飛散している花粉やハウスダストが増加している可能性が高いそうです。そのため、これらから自分を守ることが重要になるのだとか。特に晴れた日に油断しがちですが、実はこの晴れた日の方が危険なのだそう。湿った空気に溶けた花粉が再び乾燥し、小さな粒子として空気中に舞い上がってしまうそうです。

(3)家の中の環境も整えて

家の中の環境も整えておいた方が良いそうです。台風の後は窓を開け放って換気をしたくなりますが、同時に小さな花粉を家に招き入れてしまうことに繋がる可能性があります。空気清浄機などを上手に使って、室内の空気を清潔に保つよう心掛けると良いそうです。

(4)ダニ対策も重要!

さらに、湿気で増えやすいダニ対策として、寝具やカーテンなどもこまめに掃除すると良いそうです。ダニの繁殖を防ぎ、ダニの糞や死骸などが溜まらないようにすることも大切なのだとか。

(5)天気予報も要チェック

加えて、天気予報にも目を光らせておくと良いそうです。最近では、気象情報と喘息のリスクを組み合わせた「喘息天気予報」というものも登場しているのだとか。こちらを活用することで、より具体的に自分の体調管理を行うことができるそうですよ。

(6)実は、喘息患者以外も要注意…!

実は、雷雨喘息は普段喘息と気づいていない方でも発症する可能性があるそうです。長引く咳の後ろに実は喘息が隠れていて、それが台風とともに悪化するといった話も珍しくないのだとか。

そのため、調子の悪そうな咳をしている方がいたら、ぜひ「あなたも気をつけてね!台風って咳が悪化するらしいよ」と声をかけてあげましょう。予防策を講じることで、安心して台風シーズンを乗り切ることができると良いですね。

9月は台風シーズン!雷雨喘息に気をつけて

8月に次いで台風の発生、上陸する確率が増える9月。大雨や落雷、暴風以外にも、「雷雨喘息」のリスクが依然として高まります。今回ご紹介した情報を参考に、台風シーズンを乗り切っていきましょう!


出典:医療法人社団博雅会 草ヶ谷医院