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“乗ったら死ぬロボット”衝撃展開が続くアニメに「鳥肌がすごすぎて」数々のマンガ家が絶賛した名作

  • 2024.11.13

アニメや漫画、1週間のトピックスをテーマにゲストたちが語りつくすアニメ・ポップカルチャー情報番組『SHIBUYA ANIME BASE(シブアニ)』。#16の放送回では、「シブアニ名作劇場」にてアニメ好きの心をつかんだ不朽の名作であるTVアニメ『ぼくらの』が特集された。『ぼくらの』はなぜ当時のアニメファンに大きな衝撃を与えたのだろうか。

少年少女たちを待ち受ける“残酷すぎる”運命

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(C)AbemaTV,Inc

『ぼくらの』は2007年に全24話で放送がスタートしたSFロボットアニメ。原作は数々の漫画家から絶賛を受けた超名作だ。

夏休みに自然学校に参加した15人の少年少女が海岸沿いの洞窟で謎の男・ココペリと出会い、ゲームに誘われるところから物語は始まる。ゲームの内容は「巨大ロボットを操縦して地球を守る」というもの。少年少女は契約を結びゲームをプレイするが、それはゲームではなく現実の出来事だった。

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(C)AbemaTV,Inc

一見すると王道のロボットアニメのように見えるだろう。だが、伝説のアニメとして語り継がれる3つの理由があった。

1つ目の理由は、少年少女を待ち受ける残酷すぎる運命だ。実はロボットは人の生命力で動き、操縦すれば必ず死ぬ運命が待ち構えているのだ。それならロボットに乗らなければいいと考えるが、戦わなければ地球は滅亡してしまう。そして、操縦者は無慈悲にもルーレットで決められるのだ。

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(C)AbemaTV,Inc

世界の滅亡かぼくらの死か、少年少女たちの心の機微を描く繊細なストーリーが『ぼくらの』の大きな見どころだ。

2つ目の理由として挙げられるのは、操縦士に選ばれた人間の理性がなくなるという点。選ばれた操縦者がロボットに乗るまでどう過ごすのか描くのも特徴だ。操縦者に指名されたカコが、思いを寄せるチズに本能のままに襲い掛かるシーンは当時のアニメファンに衝撃を与えた。

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死を目の前にし極限状態に追い込まれた少年のリアルを描き、自らの人生、家族や社会、命の意味を問い直すという深いテーマも、子どもだけでなく大人もハマる作品になった理由だろう。

3つ目の理由は、敵だと思っていた相手の衝撃の真実だ。敵のロボットの操縦者が、別の地球の人間だという事実が発覚する。つまり、知らない間に人間同士で戦っていたという残酷さが『ぼくらの』にはあるのだ。

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(C)AbemaTV,Inc

ハライチ・岩井さんらスタジオメンバーからは「おそろしい」「こわいのよ。ずっと鬱展開」「鳥肌がすごすぎて」「ちゃんと救いないからね」「ハッピーエンドで終わったりするけど『ぼくらの』は生き返ったりしないから」と声があがり、衝撃作である『ぼくらの』に驚きと恐怖を感じていた。

“鬱アニメ”の面白さとは?

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(C)AbemaTV,Inc

鬱アニメとも呼ばれることのある『ぼくらの』。テーマが重い、バッドエンドで終わる、キャラクターが次々に死んでいく……そんな観ていて鬱になるようなアニメを“鬱アニメ”と呼ぶ。

他作品でいうと、『魔法少女まどか☆マギカ』『新世紀エヴァンゲリオン』『メイドインアビス』なども代表的な鬱アニメとして挙げられる。では、なぜ鬱アニメは重いテーマにもかかわらず人気があるのだろうか。

その理由に、“刺激”があるように思う。容赦なく人が死ぬ展開は現実ではそうそうない。しかし、フィクションであるアニメの世界なら別だ。キャラクターが脱落していく絶望感は他では味わえない。鬱アニメは深いテーマを兼ね備えていることが多く、大人向けのビターな面白さもある。

鬱展開による絶望が、日常では味わえない非日常感を演出しているのだ。だからこそ、刺激的で夢中になる。『ぼくらの』がアニメ好きの心をつかんだのも、そういった絶望感と刺激を味わえる唯一無二の作品だからではないだろうか。

SHIBUYA ANIME BASE #16
[出演者]メインMC:ハライチ・岩井勇気 サブMC:徳井青空 ゲスト:大原優乃、寺尾香信(DXTEEN)
[番組URL]https://abema.tv/video/episode/218-706_s1_p16

(C)AbemaTV,Inc


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari