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「衝撃すぎる」「理解が追いつかない」1話で退場?初回から“予想外の展開”に悲しみの声…新木曜劇場『わたしの宝物』

  • 2024.10.22

托卵とは、自分の卵や巣作り、育児をほかの親へ託す、動物の習性のひとつ。10月17日に初回スタートの木曜ドラマ『わたしの宝物』は、主人公・神崎美羽(松本若菜)の妊娠が発覚するも、それは夫・宏樹(田中圭)ではなく、再会したばかりの幼馴染・冬月稜(深澤辰哉)の子どもであることが判明する展開に。直後、冬月の死が明かされ、SNSでは「泣いてる」「深澤担、息してるの?」など、早々に悲しみの声があふれた。

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(C)SANKEI

モラハラ夫とは真逆の好青年を快演

結婚当初は仲の良い夫婦だった美羽と宏樹。美羽が仕事で上手くいかなかったときも、その悔しさを共有してともに泣くほど、彼らは心を通わせていたはずだった。結婚して5年、いつからか宏樹は立派なモラハラ夫に。美羽は、母親の入院費を負担してもらっていること、借金の肩代わりをしてもらった負い目からか、どんなに酷く当たられても何も言えずにいる。

宏樹のモラハラ夫っぷりが、なんとも上手い。夜遅くに会社の同僚を何人も家に呼ぶ、自宅に忘れてしまった資料を会社に持って来させる、美羽のプライベートを監視するような動きを見せる。物理的な暴力を振るうDV男ではない代わりに、態度や所作でじわじわと妻を追い詰めるタイプの夫だ。

そんなモラハラ夫と対比するように描かれるのが、美羽の幼馴染・冬月。二人の出会いは中学生のころで、美羽の2歳下であるにも関わらず人懐っこい性格の冬月に、すぐに意気投合した。家庭の事情で突然引っ越すことになった美羽は、冬月に何も告げずに姿を消してしまう。思い出の図書館で偶然に再会した美羽と冬月は、運命に沿うように再び思いを重ね合わせる。

宏樹との関係性に限界を感じ、子どもでもできない限り二人で生活していくことは厳しい、と考えていた美羽にとって、冬月との再会、そして彼と過ごす時間は安寧そのものだった。カッコウの鳴き声、文鳥を飼う夢、本に挟まれた栞。冬月と共有した思い出は、そのまま美羽の新たな希望となっていく。

しかし、フェアトレードの会社を経営する冬月は、新しい学校をつくるためにアフリカへ行ってしまう。現地で事件に巻き込まれ、命を落としてしまったのは、美羽と冬月が一晩の関係を持ってしまった直後だった。自身の妊娠した子どもが、宏樹ではなく冬月と血縁関係にあることを知った美羽は、ひっそりと「托卵」を決意する。

「托卵」を決意した美羽の今後は?

宏樹と冬月、図らずも同時期に二人の男性と関係を持ってしまった美羽だが、命が繋がれたのは夫ではなく、再会したばかりの幼馴染だったのも数奇としか言えない。自身の卵や子どもを、ほかの親に託す、動物の習性のひとつである托卵。美羽は、宏樹との子であると偽りながら、産み育てることを決める

冬月が生きていれば、と考えてしまう。無事に日本に帰国した彼を迎え入れた美羽は、宏樹と話し合って円満離婚し、あらためて冬月に妊娠を告げるだろう。冬月にとって、美羽は特別な初恋の人だ。二人が一緒にならない理由はない。必要以上に縛られ、精神的に拘束されるような暮らしから逃れた美羽は、たっぷりと健やかに息をしながら、新しい夫と暮らしていく。

しかし、冬月が亡くなってしまったことで、そんな未来は潰えた。二人との間に子どもができたことで、果たして宏樹の態度は変わるのか。そもそも、なぜ宏樹はモラハラ夫になってしまったのか。子どもをつくることを暗に避けていた理由は?

冬月を演じる深澤のファンにとっては苦しい展開になってしまったが、2話以降で明かしてほしい疑問は、まだまだある。



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X(旧Twitter):@yuu_uu_