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松山英樹と中島啓太が目指す“東京五輪超え” 久常涼が欧州初Vを達成したコースで悲願のメダル獲得なるか【パリ五輪2024】

  • 2024.7.31
松山英樹(C)Getty images
SPREAD : 松山英樹(C)Getty images

パリ五輪ゴルフ競技・男子が8月1日から、ル・ゴルフ・ナショナルで開催される。日本代表は世界ランキング12位の松山英樹と同94位の中島啓太。松山は東京五輪に続き2度目の出場、中島は五輪初出場となる。
パリ五輪では他競技の日本人選手が多くのメダルを獲得している。松山と中島にはこのチームジャパンの勢いに乗り、日本男子ゴルフ初のメダル獲得を実現させて欲しい。

東京五輪、リオ五輪での日本選手結果

■久常涼が優勝したコース

ル・ゴルフ・ナショナルは、フランスオープンの開催コースで、欧州ツアーで馴染みのあるフランス屈指のチャンピオンコースだ。
2023年にフランスオープンを制したのが、今季から米ツアーを主戦場にしている久常涼。最終日、首位と4打差の5位から逆転しての、欧州ツアー初優勝だった。
ル・ゴルフ・ナショナルは日本人選手に合ったコースかもしれない。

■松山英樹「3年前以上の結果を出す」

リオ五輪は、出場権を獲得していたものの、ジカ熱流行により出場を辞退した。
五輪初出場となった東京五輪では、首位と1打差の2位で最終日を迎えながら、3位タイで正規の72ホールを終えた。7人による銅メダルをかけたプレーオフでは敗れ、メダル獲得はならなかった。
パリ五輪に出場に関してはためらいがあった時期もあったようだが「3年前以上の結果を出す」と、意気が上がっている。
ル・ゴルフ・ナショナルは、2018年に米国と欧州の対抗戦であるライダーカップも開催されたコース。
松山は、‟コース経験値”という面では、他国の代表選手に遅れをとっている面があるかもしれないが、今季見せている、グリーン周りからのアプローチショットの精度の高さがあれば、十分にメダル獲得が狙えるだろう。
東京五輪では、約1カ月前のロケットモーゲージクラックを、第2ラウンドスタート前に行われた新型コロナウィルスの検査で陽性判定が出たため棄権。万全の状態とはいえない中で奮闘し、メダル争いに加わった。
スコットランドオープン予選落ち、全英オープン66位という良くない流れで、迎える今回の五輪でも、さすがの調整力を発揮してくるのではないだろうか。

■中島啓太はナショナルチームでの経験を生かせるか

中島は、アマチュア時代にル・ゴルフ・ナショナルでプレーしている。2022年のアイゼンハワートロフィー(世界アマチュアゴルフ選手権)が開催されたのがこのコースだ。
結果は個人戦53位タイ。団体戦は2日目まで首位を快走しながらも、7位タイとなった。
世界アマチュアランキング1位で臨んだ、ナショナルチーム所属として最後の大会の結果は、不甲斐ないものに終わったが、4ラウンドの内2ラウンドではあったものの、パリ五輪開催コースでプレーしたという経験は大きなプラス。パリ五輪本番でも生きるはずだ。
中島は、欧州ツアールーキーとして臨んでいる今季、好不調の波が大きい。12戦して5回予選落ちしているが、予選を通過した7回の内3回、トップ10に入っている。その3回の内の1回が、ヒーローインディアンオープンでの優勝だ。
スコットランドオープン、全英オープンと、2戦連続予選落ちの後だけに、4年に一度のビッグイベントを明るいムードで迎えるわけではないかもしれないが、今週は好調であることを願いたい。
中島はまだメジャーで予選通過がない。予選落ちが続くたびに、予選通過という四文字が重くのしかかり、プレーを小さくしていたのかもしれない。五輪は予選落ちがない。最初から4ラウンドプレーできることが確約されていることで、大舞台でも本来の力を発揮しやすくなるのではないだろうか。

■日本男子ゴルフ初のメダル獲得へ

東京五輪では女子ゴルフで、稲見萌寧が銀メダルを獲得し、日本を沸かせた。今度は男子ゴルフの番である。
世界ランキング1位のスコッティー・シェフラー、同2位のザンダー・シャウフェレ、同5位のウィンダム・クラーク、同6位のコリン・モリカワという4名をそろえた米国勢がライバルとして挙げられる。
一方で、同8位のパトリック・カントレーや、同9位のブライソン・デシャンボーなどの米国選手が代表に入れないなど、五輪では、代表枠数の関係でメジャーではライバルになる選手の名前が無い。これは、松山や中島のメダル獲得に向けては有利に働く。
東京五輪では、スロバキアのローリー・サバティーニが銀メダルを獲得し、台湾のC.T.パンが銅メダルを獲得した。どちらも伏兵。パリ五輪では中島にもメダル獲得のチャンスがあるのではないだろうか。
松山の金メダル獲得には、それ以上に期待したい。
松山がメダルをかじる写真は、2021年のマスターズでグリーンジャケットを羽織る写真に負けない輝きを放つだろう。

著者プロフィール

野洲明●ゴルフ活動家

各種スポーツメディアに寄稿、ゴルフ情報サイトも運営する。より深くプロゴルフを楽しむためのデータを活用した記事、多くのゴルファーを見てきた経験や科学的根拠をもとにした論理的なハウツー系記事などを中心に執筆。ゴルフリテラシーを高める情報を発信している。ラジオドラマ脚本執筆歴もあり。

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