にがうり(ゴーヤー)の栄養は?
その名の通り、特有の苦味に好き嫌いが分かれる「にがうり(ゴーヤー)」。正式な植物名は、にがうり(またはツルレイシ)で、ゴーヤーは沖縄地方で使われてきた呼び名です。この記事では、親しみを込めてゴーヤーと呼びたいと思います。たくさんのイボがある見た目や苦さが苦手という人もいるかもしれませんね。ですが、ゴーヤーには暑い夏を乗り切る栄養成分が詰まっています。
ゴーヤーの大きな特長の一つが、豊富に含まれるビタミンCです。ゴーヤ1本分(210g)にキュウリの10倍以上、レモン果汁3個分よりも多いビタミンCが含まれています(※1)。ご存知の通り、ビタミンCには紫外線によるメラニン色素の沈着を防ぐほか、コーラーゲンの生成や抗ストレスホルモンの合成にも関与しています。夏の疲れや日焼け後の肌ケアに欠かせない栄養素といるでしょう。
(※1):『日本食品標準成分表(八訂)増補2023年版』、奥嶋佐知子監修『食品の栄養とカロリー事典 第3版』女子栄養出版部より/ゴーヤー1本の正味重量210g(種子・わた・両橋を取り除いた重量)のビタミンC含有量160mg、レモン果汁3個分(90g)のビタミンC含有量45mg、キュウリ1本の正味重量(両端を除いた重量)100gのビタミンC含有量14mgを比較
苦味成分はどんな働きをする?
苦味の原因は、モモルデシンという成分によるもの。20種類以上のアミノ酸で構成されたゴーヤー独特の成分とされ、胃腸の働きを活発にして食欲を増進させたり、急激な血糖値の上昇を抑えたり、インスリンの分泌を促す働きなどの研究が進んでいる注目成分です。また、体を冷やす作用もあり、熱中症対策にも役立つと考えられています。
白いワタは食べた方が栄養面では正解
実は、ゴーヤーのビタミンCは緑色の皮に守られ、加熱しても壊れにくい特徴があります。淡色野菜に分類されていますが油と相性の良いβ(ベータ)-カロテンやビタミンKも含まれていますので、豚肉を使った炒め料理「チャンプルー」は理にかなった調理法と言えます。また、苦味成分はイボイボの緑の皮に多く含まれ、中の白いワタには苦味がほとんどありません。ワタには果肉よりも多くのビタミンCが含まれていると言われていますので、料理に活かしたいものです。
油を使った調理がおすすめ!
<おすすめの調理法>●ゴーヤーチャンプルー
ゴーヤーと木綿豆腐(島豆腐)、豚肉やハムなどを炒め合わせた沖縄の定番料理。油でコーティングすることで苦味を感じにくくなる利点も。豚肉やカツオ節と組み合わせると、うまみ成分のイノシン酸によってコクとうまみが深まります。また、ゴーヤに含まれるビタミンCとお肉のたんぱく質は一緒に摂ることでコラーゲン生成が促されるのもうれしいポイント。
●ゴーヤーの天ぷら・フライ
輪切りにしてワタごと天ぷらに。小さなタネは気にならなくなります。ワタとタネが口に触って嫌な場合は取り除いてリング状で揚げてもOK。少し厚めの輪切りにして豚ミンチを詰めてフライにすると、食べ応えのあるおかずになります。
●ゴーヤーのナムル
ゴーヤーを薄くスライスして熱湯でさっと下ゆですることで苦味が和らぎます。下ゆで後に冷水にとり、水気を取って味付けを(ゴーヤー1/2本に対して、ごま油大さじ1、鶏ガラだし(顆粒タイプ)小さじ1/2、塩・こしょう・砂糖少量が目安)。暑い夏にぴったりの涼やかな副菜になります。
※参考文献:杉田浩一ほか監修『新版 日本食品大事典』医歯薬出版株式会社,2017、池上文雄ほか監修『からだのための食材大全』NHK出版,2019、上西一弘ほか監修『健やかな毎日のための栄養大全』NHK出版,2022、名取貴光監修『新・野菜の便利帳 健康編』高橋書店,2016、板木利隆監修『新・野菜の便利帳 おいしい編』高橋書店,2016、白島早奈英・板木利隆監修『もっとからだにおいしい野菜の便利帳』高橋書店,2009
(野村ゆき)