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【コラム】生活費を切り詰めて「推し活」にお金をかけるのは当たり前?Xでわかる厳しい実情とは

  • 2024.7.29

アニメやゲーム、芸能人など特定の対象に心を寄せて時間やお金を費やす活動は、近年「推し活」と呼ばれています。X(Twitter)では推し活に関して、かかる費用の話や、推し活のために生活費を削ってしまうなどといった、度を超えたケースについて議論されることがあり、しばしば注目を集めています。

ツイートまとめサービスのTogetter(トゥギャッター)が解説する「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」、今回は「推し活と金銭感覚」について掘り下げます。

使ってはいけないお金も使ってしまう推し活事情


推しが出演するイベントへの参加やグッズ購入などに惜しみなくお金を使いたくなる気持ちは十分理解できるものですが、中には生活費を削ってまで傾倒していることが伺える投稿もあります。


あるXユーザーが推し活にかけるお金について「オタクはお金があるわけではなく、本当は使っちゃいけないお金も使っている」という投稿に反響が集まりました。



この投稿に対して「家賃までは切り詰めていい」「破産してでも趣味に費やすのもまた人生……楽しければ勝ちですね」など、実際に収入の多くを推し活に使っていることが伺えるコメントが集まりました。穏やかでない内容のコメントではありますが、あえてお金をつぎ込んでいると宣言することで、推し活を楽しんでいると表明している様子が感じられます。

推し活のために生活基盤を崩さないようにと訴える声


推し活にのめり込みすぎて、生活に困窮したり健康を損ねたりしてしまうケースが、残念ながら実際に起きているようです。しかし推し活をする側が、そうした状況に警鐘を鳴らす発言が注目されたことがあります。


あるXユーザーは、推し活のために借金した人がいたとの話を知ったことをきっかけに「好きなものには狂って当然!金銭感覚バカです!がスタンダードに見えるかもしれないけど、絶対絶対ダメだよ、生活の基盤を崩しちゃダメ」と投稿。

さらに、生活のすべてを推しに費やしていることを「何もカッコよくない、あたりまえじゃない」と続け「末永く幸せに推しコンテンツに寄り添うには生活の基盤が必要」と述べているのです。

この投稿に対して、Xユーザーから集まったコメントは元の投稿に同意するものでした。「推し活は生活を削ってまでやるもんじゃない。借金してまで遊ぶのは阿呆としか言えないよ」「生活基盤を崩してまで推してたら、それはもう推し活ではなく依存症だと思う」と冷静な意見が中心でした。

さらには、十分な食事を取らず睡眠時間も短時間にするなど、推し活中心の生活を送った影響で心身に不調をきたした経験を告白した人もいました。「心身が崩れた結果、推し作品が面白いと感じられなくなってしまった時の悲しさはすごいよ」と話しており、今後は推し活100%の生活に戻ることはないとのことです。

このように、限度を越えた推し活のために、深刻な状況に陥ってしまうケースは現実に起きているようです。

「推し」という言葉は商業的すぎる?調査結果に複雑な思い


博報堂のグループ会社、SIGNINGが2024年2月に発表した「オシノミクスレポート」(PDF)という報告書があります。このレポートでは「推し活」における経済行動の実態や、推し活を続ける人たちの心理について調査・報告されており、X上でも話題になりました。

レポートによると、推し活の市場は2023年で8000億円規模と予測されていました。また「推し」「推し活」「オタク」という言葉の印象について、「推し」には54.8%の人が、「オタク」については22.3%がポジティブにとらえているという調査結果があり、両者の差があらわに。また、若い人ほど可処分所得の半分以上を推し活に使っており、特に10代の女性が突出しているとの報告がありました。(※)


Xでは「推し(活)」という言葉に関する調査結果について「『オタクによる好きなものへの課金』を、ポジティブかつキラキラした形に言い換えたのが『推し活』ってことなのかね…」「推しという言葉が商業的すぎて、オタクの方がずっとよく思えてしまう」「オタク的行為(平たく言えば課金)をポジティブなイメージにするために推しとか推し活という言葉を編み出したというのは納得させられる」など、複雑な心境が述べられていました。

「推し活」という言葉が広く知られるようになり、一般的になった一方、Xの投稿からは、実生活に影響を及ぼすほどお金を使っている状況が現実にあることや、自己管理が大切であることも同時に語られています。無理なく推し活を続けるためにも、リアルな実情を知っておくことも重要ではないでしょうか。

以上、Togetterがお送りする「3分くらいで分かる週刊X(Twitter)トレンド」でした。次回もお楽しみに。

※(HAKUHODO & SIGNING「OSHINOMICS Report」2024.02)

文:トゥギャッターオリジナル記事編集部 編集:Togetterオリジナル編集部

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