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試合に大勝、学生団体コンテスト優勝で賞金300万円獲得!文武両道の東北大サッカー部が学生サッカーの台風の目に

  • 2024.7.28
試合に大勝、学生団体コンテスト優勝で賞金300万円獲得!文武両道の東北大サッカー部が学生サッカーの台風の目に
試合に大勝、学生団体コンテスト優勝で賞金300万円獲得!文武両道の東北大サッカー部が学生サッカーの台風の目に

Text by 高橋アオ

東北地区大学リーグ1部第8節東北大(宮城)vsノースアジア大(秋田)戦が27日に仙台市青葉区内で行われ、東北大が5-1でノースアジア大に圧勝した。前半6分に相手フリーキックから先制されるも、粘り強い守備から素早いカウンターにつなげて東北大の攻撃がさく裂!5得点を奪って後半戦に向けて好スタートを切った。

快勝劇だ。ノースアジア大に序盤先行される形になったが、持ち前の粘り強い守備で相手を疲弊させて走力で上回った。前半27分に同点にすると、後半は集中を切らさずに攻守一体の連動で相手を圧倒して一挙4得点奪取とノースアジア大を一蹴してみせた。

この日1得点2アシストと攻守の核として大活躍したMF池田賢永主将(3年、静岡・沼津東高)は「後半の得点ラッシュで終わってみれば5-1。総理大臣杯からの連敗がやっとストップできて安心しました。ノースアジア大とはいつも均衡した試合になるので、こういう相手に対して勝てたのはリーグ戦の順位的にも大きいですし、自信にもつながると思います」と胸を張った。

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リーグ戦前期はノースアジア大に4-3と接戦を制したが、リーグ戦後期は同じ相手に5-1と大勝したためチーム力の向上を証明。自信がつく白星を手にした東北大イレブンの喜びもひとしおだ。

この日はスーパーサブの活躍も光った。サイドからゴールへと駆け上がるFW長谷川泰史(3年、青森・八戸高)がMF太田福蔵(2年、東京・暁星高)のパスに合わせて、相手守備網を突き破るようにラインブレイク。ゴール前では冷静に左足を振り抜き、4得点目を挙げた。長谷川にとってキャリア初となる待望の東北1部初ゴールに喜びを爆発させた。

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背番号9は「トップの試合だとこれが初ゴールです。めちゃくちゃうれしいです!これまでずっと結果を出してこれなかったので、サブで出場してもなかなか試合の流れに入れなかったり…。(試合に)入ってからチームの流れを悪くするようなプレーもありました。なかなか後半で試合に入れないことが多かったんですけど、きょうは冷静に頭を動かして決められたので良かったです」と満面の笑みを浮かべた。

これまでスーパーサブとして起用され続けてきたが、大学3年目にしてやっと待望の結果を手にすることができた。控え選手の実力も向上しており、現在の東北大は常勝軍団の仙台大や昨季東北勢として初となる大学日本一に輝いた富士大相手でも渡り合えるチームへと成長しつつある。

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池田主将は「チームとしての今シーズンの目標は総理大臣杯が(4位に)終わってしまったので、リーグ戦3位以上を目指しています。3位以上ということでインカレの出場も目指しています。毎年、仙台大、富士大、八戸学院大の上位3チームが変わらないので、そこの均衡を破りにいきたいと思います。戦い方次第では均衡した試合に持ち込むこともできるので、後期はそういったゲームで勝ち切れるようにしたいです」と上位進出に向けて意気込んだ。

学生団体コンテストで優勝して賞金300万円獲得

東北大は偏差値62~72(学部別、東進ハイスクール偏差値)と日本国内でも屈指の受験難関校であり、サッカー部に所属する選手たちは激しい受験戦争を勝ち抜いた秀才が集まっている。昨年12月に開催された「部活・サークルをどう変革するか?」という問いを通じて、仲間と未来を本気で考える機会を育む、学生団体のチャレンジコンテスト『Re-Write』(主催・AYWD株式会社)に出場した同大サッカー部は優勝と賞金300万円を勝ち取った。

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ノースアジア大戦でゴールを挙げた長谷川はサッカー部のスポンサー班に所属しており、同コンテンスト優勝の立役者の一人だ。

長谷川は「サッカー部には班活動というものがありまして、用具班、スポンサー班だったりと班(チーム)が存在します。僕はそのスポンサー班に所属しています。スポンサー班は、自分たちの活動を応援してくれる企業さん、(サッカー部と)一緒に地域貢献していく企業さんを探しています。活動の一環として、先輩がツテで拾ってきてくれたコンテストに『応募してみないか』と言われてやってみました」とコンテスト応募の経緯を説明した。

約200団体が応募した1次選考を30団体が勝ち抜き、2次選考は10団体に絞られた。勝ち残った10団体は東京でプロジェクトのプレゼンを行い、審査員のフィードバックを受けてプロジェクトを再提出する過程を経て最終選考に進む。最終選考の5組に残った同大サッカー部は大企業の社長やリオ五輪水泳400m個人メドレー金メダリストの萩野公介さんと対談、プレゼンを行った。

同大サッカー部はサッカーを通じた社会貢献を根本に設定。走行距離、スプリント回数、歩数、心拍数などを数値化する最先端ウェアラブルセンサー『Knows』を導入して、分析データやノウハウを地域の高校、中学サッカー部などに提供するプロジェクトを立案した。同プロジェクトはノウハウを伝えた中高生が次の年代へと同様のアクションを継続することで東北地方のサッカーの活性化を目指し、少子高齢化や若者離れを防止を図るといった壮大な目標を掲げている。

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日本一のスポーツ分析を社会に還元することを目指す同大サッカー部。

「自分たちが日本一(の分析)を定義するのに、昨年度から試合の分析などを中心に行うテクニカルスタッフを募集し始めました。
まずはデータの分析をする。それは最低限のことですけど、それだけではただの分析です。地域の整骨院さまと協力して、インボディや体組成の結果を提供して『こういうところが弱いんじゃない』とフィードバックなどを受けて、その分析とデータの相関を取ってみる。
例えば持久力と筋力の相関を取ってみたりとか、自分たちで新たな分析をしていくというところですね。プロテインの会社とも協力して、フィジカルのデータをプロの方にも見ていただくなど、日本一の(スポーツ)分析を目指そうと思いました」と長谷川はていねいに説明した。

まだ試行錯誤中ではあるが、プロジェクトは完成に向けて着実に進んでいる。ノウハウを確立できれば地域貢献以外にも同大サッカー部の競技力向上も図れるため、多くの部員から期待を持たれているようだ。

池田主将は「(最先端ウェアラブルセンサー)Knowsは個人のデータを集めることで個人の特徴をデータからつかんで練習メニューや課題を提示していきたいと思います。またデータを集めることで、後半の何分ごろから運動量が落ちる傾向にあるのかなども頭に入れて選手交代にも役立てたいです。実際のデータをもとに、パターン練習や、フィジカルメニューも組みたいと思っていて、導入できる日を心待ちにしている状況です」とテクノロジー導入の期待を話した。

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文武両道を体現する東北大サッカー部は、優れた頭脳を駆使して学生コンテストで日本一に輝いた。東北には仙台大、富士大と全国大会でも好成績を残す強豪校はいるが、徐々に差を縮めている。知恵と努力で実力を伸ばすイレブンたちは学生サッカー界の台風の目になれるか。全国大会出場に向けてチームは勢いよく突き進んでいく。

(取材・撮影 高橋アオ)

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