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【東京の秘境はまるで異世界】夏の暑さを忘れる奥多摩「日原鍾乳洞」へ!数十万年の時が造る圧巻の光景

  • 2024.7.28

まさに酷暑と言うほかない、令和の夏。そんな暑い時期に涼を得られるお出かけ先としておすすめの「日原鍾乳洞」をご存知ですか? 人智を超えた自然の営みが生み出す光景は圧巻で、何十万年もかけて形成された鍾乳石の数々や、地下に広がる大空間は異世界のような美しさ。さらに東京に位置しながら、年中11℃の天然の涼しさを提供してくれる避暑地でもあるんです! 今回は、都心から約2時間半でアクセス可能な秘境「日原鍾乳洞」の魅力をご紹介します。

東京・奥多摩の「日原鍾乳洞」とは

東京にありながら、非日常を体験できる避暑地「日原鍾乳洞」。東京都の天然記念物に指定される鍾乳洞は、関東でも随一のスケールであり、かつては山岳信仰のメッカとして、今では観光地として知られます。

JR青梅線の終点「奥多摩」駅から、さらにバスに揺られて35分。終点の停留所から10分ほど歩くと、渓流のほとりにその入口が見えてきます。

渓流沿いの道を縫って進むバスはなかなかにスリリングで楽しく、東京とは思えない奥多摩の自然も圧倒的で、すでに非日常の体験です。

入場料を支払い、橋を渡っていよいよ内部へ!

大自然の営みを感じる洞内へ

洞内の気温は11℃!夏でも涼しい天然のクーラー

岩山にぽっかりと開くのが、鍾乳洞の入り口。写真には白い霧がかかっていますが、これらは洞内の冷気による結露なんです! ひんやりと湿った風が絶え間なく吹き出しています。

中に一歩足を踏み入れると、まるで冷蔵庫のよう! 洞内の温度計を見るとこの通り、年中を通して11℃前後に保たれているんです。暑い夏に天然のクーラーは快適!

下り坂で地下に降りてゆくと、さながら冒険気分。鍾乳洞内は大きく新洞・旧洞にわかれますが、順路に従ってまずは旧洞を散策していきましょう。

ところどころには狭かったり、頭上注意だったりする場所もありますが、大部分は歩道や階段、手すりが整備されていて、照明も明るく安心です。

マップや案内が各所にあるので、迷う心配もありませんよ!

鍾乳洞の成り立ちや山岳信仰に思いを馳せる

洞内に点在する「船底岩」「ガマ岩」といった奇岩の数々や、吸い込まれそうな高さの「天井知れず」など、その造形のいたるところに大自然の力が感じられます。

地下を流れる水が石灰岩を侵食することで成長する鍾乳洞。かつての水面を示すくぼみが段になって刻まれ、はるか昔の様子を物語ります。

さらに「三途の川」と命名された辺りには今でも水が流れ、その成り立ちに思いを馳せることができますよ。

洞内の中腹には、弘法大使が修行に使ったとも伝わる「弘法大使学問所」が。

こちらは「水琴窟」として、水面に落ちる水滴が反響して、きれいな音色を聴くことができる空間になっています。

静けさに満ちたかつての山岳信仰の場に、自然が生み出す幽玄の音色が響きます。

まるで異世界!地下に広がる大空間

入口から15分ほど歩くと、最奥部へ到着。狭い通路から突如として開ける大空間は、まさに圧巻! 東京にいるとは全く思えない、まるで異世界のような光景です。

ライトアップも行われ、岩肌を幻想的に照らし出しています。グラデーションで変化する色合いが、幻想的な光景を演出。

天井まで照らされると、奥行きや高さがよくわかります!

こちらの先、「死出の山」と命名された坂を上ると、「縁結び観音」が祭られていました。場所も相まって、いかにもご利益がありそうです。

手つかずの鍾乳石が残る「新洞」

少々ハードな道のりに注意

最奥部から入口に戻る途中にあるのが、「新洞」への入り口。

1962年、奇跡的に手つかずのまま発見されたという「新洞」。あるがままの自然美が残るこちらは石筍(せきじゅん)と石柱の発達が著しく、鍾乳洞ならではの光景を間近で観察できるスポットになっているんです。

しかし注意点として、ここからの道のりは少々ハード! 約170段の階段が配置された急なアップダウンは、成人男性の筆者でも息が切れました。

注意書きにもあるように、体調に不安がある方、ご年配の方はご注意くださいね。

神秘的な鍾乳石が並び立つ!

坂道を登りきると、多くの鍾乳石を見ることのできる通路へ。

およそ2m50cmの長さに成長した「金剛杖」や……

白い衣を纏い、ベールで頭を覆った姿の観音像に例えられる「白衣観音」といった見事な石筍の数々をはじめ、大小さまざまな鍾乳石が立ち並びます。

保護のため金網越しではありますが、自然の営みを感じる、本当に神秘的な光景でした。

ちなみに、鍾乳石が1cm伸びるためには、天井から下がる鍾乳石は約70年、床から伸びる石筍は約130年の時間を要するのだとか。つまり日原鍾乳洞に乱立する鍾乳石は、数十万年以上の年月が積み重なって生まれたもの。 途方もないスケールに圧倒されます!

その後は新洞を出て、旧洞に合流。すべてを巡って再び入口に戻るまでの所要時間は、1時間弱といったところでした。

外に出ると再びの真夏日。早くも涼しさが恋しいです……。

どこか懐かしいお食事処

鍾乳洞入口からほど近くには、なつかしさを感じるお食事処が。鍾乳洞探検を終えて一息ついたり、バスの時間を待つのにぴったりです。

筆者は味噌田楽(価格:500円)をいただきました。味噌には奥多摩名物の柚子が入っていて、濃厚ながらもさわやかでおいしい!

また、こちらでは奥多摩のお土産も購入できますよ。

アクセスや注意点をチェック

行楽シーズンには混雑も

日原鍾乳洞へアクセスするには、西東京バスで奥多摩駅の1番乗り場から鍾乳洞行きへ。土日・平日ともに1時間に1本程度と本数は多くはないので、しっかりと時間を調べておくのがおすすめです。

なお土曜・休日・8月中のバスの運行は手前の停留所「東日原」止まりになり、そちらから鍾乳洞までは徒歩25分とのことでした。

自家用車で訪れる際、気を付けたいのは混雑時。

お伺いしたところ、近頃は途中の道(日原街道)ですれ違い等ができず、渋滞や事故等が起きているので注意してほしいとのこと。

また、駐車場のキャパシティが限られる関係で、夏季・紅葉シーズンの土日、ゴールデンウィーク、8月のお盆休みには、1時間~3時間以上の駐車待ちが発生し、渋滞となる場合も! 臨時駐車場等も設置されますが、鍾乳洞まで2kmの距離があります。

臨時休業などのお知らせは、X(旧Twitter)やFacebookなどからご確認ください。

洞内散策の注意点や服装は?

洞内はしっかり整備されてはいるものの、天井から滴り落ちる水によって洞内は常に濡れているので、足元には注意が必要。動きやすい格好で、スニーカーを着用してくださいね。

夏に訪れる場合は、外の気温に合わせたままの服装では寒いですから、羽織れるものがあると快適ですよ。

また、雨の日やその翌日は、洞内の水量が増加するとのこと。カッパや防水加工の上着があると安心です!

東京の秘境へ避暑の旅を

都心から約2時間半でアクセスできる秘境、日原鍾乳洞。悠久の歴史を感じる地下空間には、東京にいるとは思えない別世界が広がっていました。

奥多摩周辺にはウォーターアクティビティや温泉など行楽スポットも豊富ですので、夏の日帰り旅行におすすめですよ!

 

日原鍾乳洞

所在地:東京都西多摩郡奥多摩町日原1052

電話番号:0428-83-8491

料金:大人(高校生含む):900円/中学生:700円/小学生:600円

営業時間:4/1~11/30:9:00~17:00/12/1~3/31:9:00~16:30

[Photos by ぶんめい]

※価格はすべて税込です

※時期により商品の仕様や品揃え、価格が変わる可能性がありますので、ご注意ください。

※店舗営業については最新情報をご確認ください。

 

 

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