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桜色に染まった旬のほっき貝を召し上がれ。磯の香り漂う、宮城のふるさとごはん「ほっきめし」

  • 2016.3.10
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宮城の名物料理、冬から春の「ほっきめし」や、秋の「はらこめし」。旬の魚介を贅沢に使った炊き込みご飯は、宮城県南部の亘理町(わたりちょう)に伝わる郷土料理です。震災を機に亘理町から仙台へ移転した「わたり あら浜」の人気メニュー「四季飯」で、季節感たっぷりの“故郷の味”を味わってみませんか。

宮城の魚介を楽しめる、行列のできる人気店

JR仙台駅から徒歩約10分。仙塩街道に面したビルの1階に、緑色ののれんが目印の「わたり あら浜」があります。

宮城県産の旬の魚介を楽しめるとあって、昼は行列ができ、夜は予約で埋まることも多いお店です。

もともとは、宮城県南部にある亘理町で「旬魚・鮨の店 あら浜」として営業していましたが、震災で大きな被害を受け、現地に残ったのは看板のみ。その後、2011年秋に現在の場所でお店をスタートさせました。2016年8月には、仙台のお店はそのままに、ついに亘理町でも営業を再開します。

冬から春の旬の味覚「ほっきめし」

看板メニューは「四季飯」。魚介の旨みたっぷりの煮汁と醤油、酒などで炊いたご飯に、初夏はしゃこ、秋は鮭など、その時期に最もおいしい魚介の肉厚な身をたっぷりとのせた郷土料理です。

冬から春にかけていただけるのは「ほっきめし」(1620円)。加熱することで赤色をまとう旬のほっき貝に、さやいんげんの緑が添えられて見た目にも鮮やか。ふわりとただよう磯の香りが食欲をそそります。

身からひも、貝柱まで余すところなく使われたほっき貝の、やわらかな食感やプリッとした歯ごたえを楽しめます。だしをたっぷり吸ったご飯とあいまって、貝の甘みや旨みが、口の中にふわっと広がります。目を閉じてしみじみと味わいたくなる、この季節、この土地ならではの味覚です。「ほっきめし」が味わえるのは5月中旬までなのでお早目にどうぞ。

料理を通して、宮城県の四季を伝える

「ほっきめし」「かきせいろ」の後には、5月初旬に「しゃこめし」、7月初旬には「あなごめし」、9月に入ると「はらこめし」(価格はそれぞれに異なる)がお目見えします。

それぞれの「四季飯」が味わえるのは、短いもので2か月、長くても5か月ほど。ご飯を炊く魚介のだしをとるには、冷凍のものは使えないため、旬の数か月間しか作ることができません。

店長の塚部さんは「一年中同じものを出したら、おいしい時期が分からなくなってしまいます。四季を大切にするのが日本の良さ。旬を伝えるのも、私たちの仕事です」と話してくれました。

「四季飯」のほかにも、新鮮なお刺身やお寿司、旬菜の天ぷらなどの一品料理もそろいます。宮城をはじめとした東北地方の地酒も10種類ほどあるので、飲み比べも楽しめますよ。

季節を変えて何度も足を運びたくなる「わたり あら浜」。宮城の旬を味わいに、訪れてみませんか。

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