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「ただ消費されるだけのものには興味がない」デザイナー・舘 かおりさんの買い物の哲学とは?

  • 2024.7.28

確固たるスタイルを確立しているおしゃれ業界人たちの、ラグジュアリーブランドとの向き合い方を教えてもらいました。歳を重ねて変わったことは? マイスタイルに欠かせないものとの出会いは? 選んだアイテムはもちろんですが、お買い物をする際の心意気も参考にしたい! LON デザイナー・舘 かおりさんのお話をどうぞ。

LON デザイナー・舘 かおりさん

目指す方向性に合っているか。

未来の自分を想像した買い物に

LON デザイナー・舘 かおりさん
ジュエリーブランド「LON(ロン)」のデザイナー。セレクトショップのプレス、ディレクターを経て、独立。現在は他ブランドのディレクションや、空間ディレクションなど、活動の幅を広げている。

「30代になり歳を重ねるにつれ、ただ消費されるだけのものには興味がなくなってきました。値段は関係なく、この先の10年、20年後も身に着けていたいか、そばに置いておきたいか、ものの価値を今まで以上に考えるようになりました。そして今もこの先も、それが自分の目指すスタイルに合っているのか、よく考えてから購入するようにしています。そうすることによって、扱い方やアフターケアなど、ものに合わせた手入れの知識も得られて、以前よりもきちんと向き合えるようになった気がします」

Q. お買い物をするときに重要視していることは?

TORISHÉJUのトップス、L'ANGELIQUEのボディスーツ、BALENCIAGAのパンツとブーツ、ROLEXの腕時計、LONのピアスとリング、Cartierのリングは本人私物
 

A. わくわくするか? という気持ちを大切にしています
「ワードローブとの着まわしを考えるより、その服を着た自分がわくわくするか? ということを大切にしています。よく買い物に行くドーバーストリートマーケットは、訪れるたびに初めて知るブランドに出会えて、新鮮な気持ちになります。最近はデザイナーが自国のルーツを落とし込んでいるブランドが気になっています」
「フォルムがユニークなアイテムに惹かれます。ナイジェリアとブラジルにルーツを持つデザイナー、トリシェジュのトップスは、実はホルターネックのようにも着用可。インナーのランジェリークは着心地がよく、会う人みんなにオススメしています」

Q. コレクションしているものはありますか?

上から:MIU MIU、BALENCIAGA、MIU MIU、THE ROWのアイウェアは本人私物

Chrome Heartsのピアス、リングは本人私物

A. アイウェアです
「サングラスなどのアイウェアは、ブランドや価格を問わず購入しています。20代のころ、自分の一重の目元が好きになれなくて。それをカバーするために毎日のようにサングラスをかけていたら、すごい数になっていました。海外旅行するたびに購入しているクロムハーツのジュエリーは、おしゃれが好きだった父の影響で集めるように」

Q. お手本にしている人はいますか?

MIU MIUのトップス、HODAKOVAのスカート、HERMÈSのバッグ、MIU MIUのシューズ、IWCの腕時計、Chrome Heartsのピンキーリングは本人私物

A. 特定の人はいません
「特定の人はいないのですが、好きなブランドのインスタグラムでタグ付けされている人のアカウントを見ることが多いです。自分と好きなものが似ている人が多いですね。イメージソースで言えば、最近車の免許を取ったので行動範囲が広がり、“こういうシチュエーションで着たいな”と妄想することも」

Q. スタイリングするうえで気を付けていることは?

A. 全身同じブランドにならないようにしています
「全身同じブランドにならないように気を付けています。ブランドのルックビジュアルも素敵ですが、全体のムードが決まってしまっているので、自分らしさのエッセンスをプラスできるようなアイテムを組み合わせて着るようにしています」
「アイコニックなミュウミュウのボーダーポロには、レディなスカートやクラシックな小物で自分らしく」

HERMÈSのバッグは本人私物

「30代のうちに手に入れたかったバーキン。ブラックレザーにシルバーの金具のタイプはもともと生産数が少ないということもあり、購入できたときは高揚しました」

photograph : KAORI IMAKIIRE(model), SPOTLIGHT
 
otona MUSE 2024年8月号より

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