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何もかもが日本最南端!星空と海の波照間島で最果てロマンを味わおう

  • 2024.7.28

「最果ての地」……この響きはいつだって旅人のロマンを掻き立てますよね。

日本における北の最果ては北海道の宗谷岬、そして南の最果ては沖縄八重山諸島の「波照間島(はてるまじま)」です。

つまりこの島にあるものすべてが日本最南端。そう考えると何だか一つ一つが特別に思えて、愛おしく感じられませんか?

今回は、そんな波照間島で体験する、いろんな“日本最南端”をご紹介します。

日本最南端の波照間島とは

Photo by Mayumi

沖縄本島から南西へ約450km、石垣島を中心とする八重山諸島の南西部に浮かぶのが「波照間島(はてるまじま)」です。

人口450人余り、島の周囲はわずか15kmという実にコンパクトな波照間島は、島の語源「果てのうるま(サンゴ)」が示す通り、日本最南端の島として知られています。

島に存在するすべてのものが“日本最南端”!ただそれだけで、他とは違うプレミアムが感じられるからふしぎ。

今回は島のあちこちに潜む“日本最南端”を探すぶらり旅へ出かけてみました。

海に関する“日本最南端”

日本最南端の海水浴ビーチ「ニシ浜」

Photo by Mayumi

波照間島の代名詞ともいえるのが、この唯一無二の「ハテルマブルー」の海。

波照間港からほど近い「ニシ浜」がもっとも有名ですが、島内にいくつか存在する名前の付いたビーチのうち、海水浴が許されているのはこの「ニシ浜」のみ。

つまり、ニシ浜は“日本最南端”にある海水浴ビーチなのです。

ちなみに、ニシ浜の「ニシ」は琉球の方言で北を表し、正式には「北浜」と書きます。ちょっと頭が混乱しますね。

日本最南端の岬「高那崎」と日本最南端之碑

Photo by PIXTA

打ち寄せる荒波と紺碧の海が印象的な「高那崎(たかなざき)」。島南東部に位置するこの岬は“日本最南端の岬”として知られています。

また、高那崎には、冒頭画像の「日本最南端之碑」や「日本最南端平和の碑」、そして全国47都道府県から集められた石で作られた碑へ続く歩道などが設置され、“日本最南端”を知るうえで絶対外せないスポットです。

日本最南端のビーチ「ペムチ浜」

Photo by Mayumi

ニシ浜が日本最南端の海水浴ビーチなら、名前の付いたビーチとして、正真正銘、日本最南端に位置するのが「ペムチ浜」です。

水平線の南の彼方にはフィリピンが、西の彼方には台湾が横たわります。まさに異国との境界を示す大海原を前にロマンあふれますね。

ちなみに、潮の流れが速いペムチ浜では遊泳禁止です。とはいえ、透明度の高さ、白砂のビーチ、そして干潮時に姿を現すサンゴ礁群の美しさは折り紙付き。また、ここは打って変わってひと気が少なく、のんびり海を感じたい方にはおすすめです。

星に関する“日本最南端”

南十字星がもっともよく見える「星空観測タワー」

Photo by Mayumi

ハテルマブルーとともに波照間島の代名詞とされるのは、「南十字星が輝く満天の星空」。

南十字星(サザンクロス)は、本来的には南半球で見える星。しかし、北半球に位置する日本でも沖縄まで下ればギリギリ地平線上で見ることができます。そして、そのもっとも南に位置する波照間島であればよりくっきりと浮かび上がって見えるのです。

その最たる鑑賞スポットが島南東部に位置する「星空観測タワー」。あいにく、現在は老朽化に伴い2022年から休館中ですが、光害の及ばない駐車場周辺は今なお絶好の星空鑑賞スポットとして人気です。

Photo by PIXTA

国内初の「星空保護区」に認定された八重山諸島の「西表石垣国立公園」。八重山の夜空には、88ある星座のうち84もの星座を見ることができるそうです。

海の彼方には異国があり、頭上のはるか彼方にはとびきりの銀河が横たわる……最高にロマンチックですよね。

Photo by Mayumi

余談ですが、星空観測タワーの近くに設置された公衆トイレもまた“日本最南端の公衆トイレ”と言えますね(こちらは現役稼働中)。

史跡に関する“日本最南端”

日本最南端の城(グスク)跡「下田原城跡」

Photo by Mayumi

沖縄の史跡といえば、琉球王朝時代をしのばせる石組みの「城(ぐすく)」跡。実は波照間島にも「下田原城跡(しもたばるじょうあと)」が存在します。

15~16世紀頃のものとされ、琉球王朝統一の歴史を示す貴重な遺跡として平成15年(2003年)3月、国の文化財に指定されています。沖縄の日本復帰直後は「ぶりぶち公園」として整備されたものの、今は訪れる人は少なく、ひどく荒廃して当時の面影はだいぶ失われています。

人々の生活を支えた古井戸「シムスケー」

Photo by Mayumi

河川が存在しない離島にとって地下水は島民の大事な生命線。中でもこの古井戸の「シムスケー」は、大干ばつで島じゅうの井戸がことごとく枯れ果てても、この井戸だけは枯れることなく島民を支え続けたとされています。

古い言い伝えでは、かつてこの地がシムス村と呼ばれていた大昔、大干ばつが村を襲い、そのとき村で飼われていた赤牛がこの水源を掘り当て島の危機を救ったとされています。以後、その牛は神の化身として崇拝され、現在でも拝所を立てて祀られているとか。

水道が引かれた今、その古井戸は役割を終えましたが、今なお湧き水をたたえ、現在は竹富町の史跡に指定されています。

施設に関する“日本最南端”

サトウキビ畑に囲まれた「波照間灯台」

Photo by Mayumi

灯台といえば海岸沿いや岬に立っているイメージ。そんな先入観を覆す、日本最南端に位置する「波照間島灯台」は、なんと、島中央部のサトウキビ畑に囲まれて立っています。

その理由は、この地が島で一番標高が高い場所だから。灯台として、船の安全な航海を導く役目を果たすには、ここが最適なんですね。

ザワワと揺れるサトウキビ畑にキリッと映える白亜の灯台。この絵になる光景、ぜひ一目ご覧ください。

最南端のプレミアム消印が人気の「波照間郵便局」

Photo by Mayumi

こちらは“日本最南端”に位置する「波照間郵便局」。

当局の人気アイテムは最南端入りプレミアムな風景消印。来島記念にここからハガキを出す観光客も多いそう。また、手作りの消しゴムハンコを使ってオリジナルのハガキ作成も行っています。

最果ての地を守る「波照間交番」

Photo by PIXTA

こちらは、“日本最南端”の交番「波照間駐在所」。島唯一のお巡りさんが日々島の安全を見守ってくれています。

ちなみに、駐在所の壁面にかたどられた青色の日本列島は、よく見ると、波照間島の部分だけ赤くなっているんですよ。

最果ての地の空の玄関口「波照間空港」

Photo by Mayumi

島の東端に位置する、ちょっと公民館みたいな建物が“日本最南端”の空の玄関口をあずかる「波照間空港」。

石垣空港線の廃線に伴い長らく波照間空港は閉鎖されていましたが、16年ぶりとなる2024年1月、大阪に本社を置く第一航空により新石垣―波照間線が再開。現在は、月・水・土曜日の週3便で運航されています。

番外編:ちょっと変わった“日本最南端”スポット

ここでは、ちょっと変わった“日本最南端”のスポットをご紹介します。

最果ての地の「自動販売機」

Photo by Mayumi

畑に囲まれた道路脇にポツンとたたずむ自動販売機。誰がやったか、Google Mapにも「日本最南端の自動販売機」として登録されています。

日本最南端の「波照間島マンホール」

Photo by PIXTA

こちらは、波照間島のシンボル、南十字星と星空観測タワーがデザインされたご当地マンホールです。

ここだけにしかないとっておきの隠れアイテムですね。

最南端の幻の酒「泡波」

Photo by Mayumi

沖縄の酒といえば泡盛。

その泡盛の中でも波照間酒造所が製造している「泡波」は製造量が極めて少なく、入手困難なことから「幻の酒」と言われています。

波照間の気候風土に合わせて一つ一つ手作業で仕込まれた“日本最南端”の銘酒。石垣島で購入しようとすると何倍もの高値で販売されています。波照間島内でも出回る量が少なく入手できるかはその時次第ですが、運よく見つけたらぜひ銘酒を味わってみてくださいね。

たどり着けるかどうかは時の運!?最果てのロマンを求め、いざ波照間島へ

Photo by Mayumi

実は波照間島、外海の影響を非常に受けやすく、石垣と波照間を結ぶ航路において国内屈指の欠航率を誇ります。ひどいときには5~6割という月もあるとか。さらに船酔いしやすいことでも有名です。

たどり着けるかどうかは運次第!それもまた旅の醍醐味……とはいえ、やはり限られたスケジュールではできるだけ確実性を高めたいですよね。

そんな方には2024年1月から就航を再開した飛行機でのアクセスがおすすめ。しかし、週3便でメンテナンス運休も多く、最大乗客数はわずか13席、フライト時間は25分と短い割に一般運賃は割高。もちろん、空港から離れた集落までの移動の確保も大切です。それらの点だけ注意しておきましょう。

波照間島では出会うものすべてが“日本最南端”。ロマンあふれる日本最果ての波照間島へ、ぜひ今度遊びに出かけてみませんか。

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