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グラフィックTシャツ人気が再び。自己表現のツールとなったベーシックな日常着の現在

  • 2024.7.27

街中でグラフィックTシャツを着ている人を見かけると、つい気になってしまう。「身なりは人を表す」とはよく言ったもので、選ぶ服のプリントにも性格が表れる。そのせいか、どんなスローガンやロゴがTシャツにあしらわれているのか、と通りすがりにさりげなく目をやっただけなのに、その人のことを知った気になるのだ。

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ヴィヴィアン・ウエストウッド 2006年春夏コレクションより。
Vivienne Westwood - Runway - Paris Fashion Week Spring/Summer 2006ヴィヴィアン・ウエストウッド 2006年春夏コレクションより。

グラフィックTシャツの黄金期はおそらく、2000年代前半だろう。2005年にはヴィヴィアン・ウエストウッドVIVIENNE WESTWOOD)がイギリスの公民権団体「リバティ」を支援するために「I am not a terrorist - please don't arrest me(私はテロリストではない。逮捕しないでください)」と書かれたTシャツを発表。パリス・ヒルトンがかの「Stop Being Desperate(必死すぎてイタイ)」とプリントされたタンクトップを披露したのもこの年だ。このように、今なおインパクトが衰えないデザインが誕生した時代であり、ヒルトンのタンクトップに至ってはいまだにネット上で加工され、政治ミームとして出回り続けている。

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そして今、グラフィックTシャツの人気は再び高まり、セレブやデザイナーたちはそのリバイバルを知名度アップのチャンスとしてとらえ、ファッションという媒体を通じて世間を風刺し、社会問題に抗議する機会としても利用している。

昨年、『ニューヨーク・マガジン』誌に父親のスティーヴン・ボールドウィンだけでなく、夫のジャスティン・ビーバーの恩恵も受けている「ダブル・ネポ」と揶揄されたヘイリー・ビーバーは、後日「ネポベイビー(2世セレブ)」と書かれたTシャツを颯爽と纏い、メディアに対して静かに反撃。また、最近ではジョナサン・アンダーソンルカ・グァダニーノ監督作品『チャレンジャーズ』(2024年)のために手がけたロエベLOEWE)の「I Told Ya」Tシャツが話題を呼んだ。劇中だけでなく、プレスツアー中もキャストたちが着用したその大胆なデザインの1枚は、度々完売する人気スタイルとなっている。

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グラフィックTシャツを着るというのは、自分が感じていることや考えていることを率直に表現していることに等しい。個人的には、アーティストのグッズ、遊び心あるスローガンがプリントされたもの、無地の白Tシャツというマンネリから脱出できるものなら、割となんでも好きだ。その時々の自分のテイストと時代にフィットした1枚を見つけるのは意外に難しいが、コツさえ掴めば、求めているデザインにありつける。

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ほかとは被らない、ユニークなスタイルは古着屋やセカンドハンドECで見つかるし、何年も着られる1枚が欲しいのであれば、質のいいブランド品に投資するべきだ。値は張ってしまうが、デザイン性も高く、こだわる価値はある。スポーツテイストが好みな人はサッカーユニフォームを着るという手があるし、オーバーサイズ好きはメンズコレクションから選ぶといい。また、アクネ ストゥディオズACNE STUDIOS)など、デニムに長けているブランドはTシャツも得意なことが多いので、要チェックだ。あらゆるデザインに目を向けて、自分が表現できると思う1着を探すのも、グラフィックTシャツの楽しみ方のひとつに違いない。

Text: Julia Storm Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.CO.UK

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