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「いただきます」と手を合わせてごはんを食べる。どこに住んでいても、幸せな気持ちになる、日本の食文化【日登美のタベコト in Berlin・78】

  • 2024.7.28

ベルリン在住で6人の子どものお母さん。モデルとして活躍する傍ら「台所から子育て、暮らしを豊かに」をコンセプトに、オンライン講座とウェブサイトを主宰している日登美さんによる、「食」からはじまるエッセイです。

日本の食文化の素晴らしさ

海外に出てみると、日本の食卓というのはなんて素晴らしいのだろう、とあらためて感動します。一般的になんでも美味しい、という食の豊かさもありますが、なにより食文化としてのあり方の素晴らしさに気が付きます。

たとえば、「いただきます」「ごちそうさま」という言葉や、手を合わせて食事を始めることが当たり前ということ。「いただきます」は外国の言葉に訳そうと思ってもそれに値する言葉が見つからないことに気が付きます。「ありがとう」でもなければ「召し上がれ」でもない。「いただきます」という言葉とともに手を合わせる。そんなことを老若男女が考えもせず、当たり前に脈々とやってきているわけです。

いつものご飯を、異国でも紡げる幸せ。思わずいただきますって手を合わせちゃうよね。

日本人は礼儀正しく、互いを尊重し調和を重んじる人たちが多い、とドイツに来てよく言われるのですが、その一端はもしかするとこんな日々の食卓からも培われているのかもしれないな、と思います。

日本は日本で、住んでいるといろいろと行き過ぎると思うこともあるし、どの国に住んでも、慣れてしまうと、いいことばかりではない習慣や国民性もあると思いますが、どこにいても「いただきます」と言って子どもたちが食事を始めるのを眺めていると、なんだかホッと幸せな気持ちになります。

手を合わせて食事をいただく。という文化を子どもに伝えられてよかったと心から思う今日この頃。
子どもが日々の食卓から学ぶことはたくさんあるのかもしれないね。

食卓の豊かさとは品数やメニューだけでなく、こんなふうに受け継がれているそれぞれの国や家庭の風習や、食への態度も含めてなんだなぁ、といつもの食卓を眺めつつ思う今日この頃なのです。

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