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フランス人に学ぶ「趣味のいい手土産」とは?

  • 2024.7.26

自宅でのディナーに招かれたら手土産に何を持っていくべき?花、ワイン、それともチョコレート?フランス流手土産マナーを礼儀作法の講師2人がアドバイス。

2人の講師によるアドバイス。photography : Luis Alvarez / Getty Images

手土産で失敗したくないのなら、守るべき暗黙のルールがある。ただしルールは時代とともに変遷する。「昔は招待を受けても手ぶらで伺ったものです。その代わり、お礼としておおよそ2週間以内に相手を招き返しました」と話すのはビジネスマン向けのマナースクール「ビジネス・エチケット・パリ」校長で『Le savoir-vivre est un jeu(原題訳:礼儀作法はゲーム)』(Éditions J'ai Lu刊)の著作があるジュヌヴィエーヴ・ダンジャンスタンだ。現代のルールでは、手土産なしは失礼にあたる。そして手土産に失敗しないための大原則はただひとつ、「相手とどれくらい親しいかによって選ぶべき手土産が決まる」とジュヌヴィエーヴは言う。

相手との関係性

フランス語を学びながらフランス流マナーが学べるEAF(エチケット・ア・ラ・フランセーズ)トレーニングコースの創設者であり、数々のラグジュアリーホテルやホテルスクールで富裕層に接する際の礼儀作法を教えるアンヌ・ドゥバールも同意見だ。「フォーマルなディナーに招待された時と友人から招待された時では手土産は異なって然るべき」なのだそうだ。したがってまずは相手との関係性を考慮することだ。「仲の良い相手なら、なにか欲しいものはあるか、ワインでも持って行こうかとフランクに尋ねるのもいいでしょう」とアンヌ。それほど親しくない場合は招待された側が選ぶことになる。招待する側はすでに招くという行為をしているからだ。ただし「これみよがしに豪華な手土産は好ましくありません」とアンヌは釘を刺す。

気持ちのこもった手土産

フォーマルなディナーに招かれた場合は時季にふさわしい手土産がいいとアンヌはアドバイスする。「パーティーシーズンだったらチョコレートボックスとか紅茶の詰め合わせ、地方特産品セレクションなどでしょうか」とアンヌ。ジュヌヴィエーヴも似たような意見で、「量より質です。安価な30個入りチョコレートボックスより、10粒しか入っていなくても高級なチョコレートを持参したほうがいいですね」と言った。

フォーマルな招待であっても、気持ちのこもった手土産は喜ばれる。ただし「豪華本をプレゼントとして持って行くなら、ホストが興味を持ちそうなテーマの本を選びましょう」とジュヌヴィエーヴは勧める。たとえば、お菓子作りが趣味の相手ならば、そのテーマに関する本が望ましい。

花束は微妙な場合も

ワインと並んで花束はいつだって人気のプレゼントだ。だが常に歓迎されるとは限らない。「食事に招かれてアレンジメントフラワーのプレゼントを持っていくのは、ホスト側としては迷惑そのものです」とジュヌヴィエーヴは注意を喚起する。大勢のお客様をお迎えしなければならないのに、花束に見合った花瓶も探さなければならず、段取りが狂う恐れがあるからだ。一方、ディナーの翌日に花束を送る慣習は昔からある。「ホストのインテリアに合ったアレンジメントフラワーを贈りましょう」とアンヌはアドバイスした。

書面のお礼状

「招待のお礼をきちんと言いたいなら、ディナーから数日以内にお礼状を送りましょう。ショートメールで招待されたのなら、ショートメールやメールで返してもいいのですが、上質の紙にペンでお礼をしたためると、もっといいですね」とジュヌヴィエーヴは紙のお礼状を勧める。

避けるべき手土産

「おしゃれなパーティにシャンパンを持参するのは避けるべきです。ホストが用意したものよりもずっと高価なボトルだった場合、ぶしつけな行為として気まずい雰囲気になりかねません」とアンヌ。

さらに、個人的なプレゼントを持っていってもいいけれど、超えてはならない一線がある。「服やジュエリーを贈るなど、プライベートすぎるプレゼントをほかのお客様もいる前で贈ることは、ホストから嫌がられる可能性があるので避けるべきです」とのこと。善意ならなんでも許されるというわけではないのだ。

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