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「マンガ全部消えちゃった」橋本環奈さんの嘆きから「電子書籍のリスク」を考えるXユーザーたち

  • 2024.7.25

橋本環奈さんが7月21日、X(Twitter)で「電子書籍のマンガ全部消えちゃった 」と投稿し、注目を集めている。

橋本さんは芸能界でも漫画好きとして知られ、『銀魂』『キングダム』など漫画原作の実写映画作品にも多数出演。最近では電子書籍サービス「BookLive」のCMにも出演中だ。

Xでは「つらい、だいぶつらい」と打ちひしがれている橋本さんを心配する声のほか、「全部消えたってことはアカウント引き継ぎ失敗か」と原因を推測する声や、「電子書籍の怖さ」などと電子書籍サービスへの不安をもらす声も見られた。

電子書籍サービスにある「所有」の問題

Amazonの「Kindle」を例にすると、基本的に購入した電子書籍データは削除されたとしても、アカウントが紐づいていればカスタマーサービスに連絡するなどによって、復元させることができる。

橋本さんがどのサービスを利用していたのかは不明で、かつSNSなどでその後の顛末も語られてはいないが、無事にデータを復元できている可能性はありそうだ。

一方、橋本さんの一件は電子書籍データの「所有」にまつわる話題へと派生し、議論を呼んでいた。

紙の本とは違い、Kindleを始めとする主な電子書籍サービスは、データを購入したからといって「所有」したことにはならない。Kindleストアにある利用規約を見ても、

当該コンテンツプロバイダーからお客様に対して、Kindleソフトウェアまたはその他本サービスの一部として許可される形で、Kindleストアより指定された台数の対象デバイス上でのみ、お客様個人の非営利の使用のみのために、該当のKindleコンテンツを閲覧、使用、および表示する非独占的な使用権が付与されます
AMAZON KINDLEストア利用規約より
出典:Togetterオリジナル

とあり、購入者に与えられるのはあくまで「閲覧」「使用」の権利であることが明記されている。

Xでも、こうした電子書籍サービスの所有にまつわる問題について、

「電子『書店』が売ってるものが、本の所有権ではなく閲覧権の貸与でしかないことは事あるごとに主張しておきたい」
「電子書籍はなるべく出版社のダイレクト販売で買うようにしている。所持できるpdfで買えるものも多いのです」
「あわよくばストア独自のリーダー以外でも読める形態にならんかなとは思ってる」
出典:Togetterオリジナル

などとコメントするユーザーも少なくなかった。

たしかに一部の電子書籍ストアでは、DRM(デジタル著作権管理)フリーの書籍データ(PDF、EPUB形式)を販売している場合もある。仮に利用していた電子書籍ストアがサービスを終了したとしても、データを所有していれば他のサービスで閲覧ができ、デジタルの蔵書を失わなくて済むというものだ。

とはいえ、横断的に書籍データを閲覧できるようにすることはDRMの観点から難しく、大半の電子書籍ストアは制限せざるを得ないのが現状だろう。

電子書籍のイメージ画像 出典:Togetterオリジナル

電子書籍は、紙の書籍のように保管スペースを気にすることなく、外出先へもスマホやタブレットで大量の本を持っていくことができるなど、メリットは多い。

一方で、サービスが終了すると購入した書籍データは閲覧できなくなってしまう可能性については、常に不安がつきまとう。本当に手元に「所有」しておきたい本は、紙で残しておくと良いかもしれない。

文:トゥギャッターオリジナル記事編集部 編集:Togetterオリジナル編集部

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