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インディーゲームガイド「ゲームならではのメタ視点」編。現実と空想の境界線を踏み越える5作品

  • 2024.7.25
ゲーム『Inscryption』、『OneShot』、『ドキドキ文芸部プラス!』、『Before Your Eyes』

Inscryption(2021)

developer:Daniel Mullins Games
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC

負けると手札にされてしまう、危険なゲーム

不気味な部屋の中、謎の人物と対峙しカードバトル。その手札には生物の魂が込められており、負けるとプレイヤーも殺されカードにされてしまう。ゲームの途中で机から立ち上がり、部屋を歩き回って丹念に調べると、かつて戦いに挑んだ何者かからのヒントが得られることも。

「“カードゲームをしている人のゲーム”をしている人のゲーム……という入れ子構造を楽しんでいるうちに、自分自身も物語の中に入り込んだような感覚が味わえます」(さわやか)

ゲーム『Inscryption』

OneShot(2016)

developer:Future Cat LLC
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC

攻略のヒントはウィンドウの外に

真っ暗な世界で目覚めた猫のような子供・ニコを操作して、光を取り戻す旅に出る。プレイヤーは神の視点を持つ超越的な存在としてニコを導き、時にはゲームのウィンドウ外の情報を駆使してクリアを目指す。

「ゲームが強制的に終わったり、PC内のドキュメントフォルダに攻略のヒントが現れたり、現実とフィクションの壁を壊す仕掛けがいっぱい。物語が進んでいく中で、どこまでもこちらを信じて頼りにしてくれるニコのけなげさに胸を打たれるはず」(山田集佳)

ゲーム『OneShot』

ドキドキ文芸部プラス!(2021)

developer:Team Salvato
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC

ただの青春ゲームと侮るなかれ!驚愕の大どんでん返し

文芸部に所属する男子生徒と4人の女子部員の交流を描いた、海外製のビジュアルノベルゲーム。よくある学園モノかと思いきや、1周目の終盤付近で異常事態が発生、不穏な展開に。2周目、3周目とプレイを進めると、ゲームがバグだらけになっていく。

「最後に明らかになる“本当の敵”の正体、そこに辿り着くまでのプロセス。メタ視点を生かしたゲームならではの演出が凝っていて、主人公を待つのは一体どんな結末なのか、きっと知りたくなるはず」(さわやか)

ゲーム『ドキドキ文芸部プラス!』
©2021 Team Salvato & Serenity Forge. All rights reserved. Licensed to and published by Serenity Forge LLC and Active Gaming Media Inc. Copyright Coda Group, LLC, used with permission

Before Your Eyes(2021)

developer:GoodbyeWorld Games
対応機種:PS5/PC/iOS/Android

まばたきをする間に過ぎ去る、とある人物の一生

魂となった主人公は、犬の顔をした男に釣り上げられる。男は言う。「これから門番に会う。そこでお前の人生を語らなければならない。お前の一生を見せてくれ」。本作は、とある男性の一生を追体験するアドベンチャーゲーム。Webカメラやスマホのカメラでプレイヤーのまばたきを検知し、そのまばたきごとに男性の人生の一瞬一瞬が写し出されていくシステムだ。

「ラストの展開と演出が素晴らしく、めっちゃ泣きました。NetflixやPSVR2でも遊べます」(洋ナシ)

ゲーム『Before Your Eyes』

RPGタイム!〜ライトの伝説〜(2022)

developer:デスクワークス
対応機種:Switch/PS5/PS4/Xbox/PC/Android

ある少年がノートに手書きした自作ゲームを体験

設定は「クリエイターを目指す小学生のケンタくんがノートに描いた架空のRPG」。ノートの周りに並ぶ鉛筆や消しゴム、メジャーなどを使って物語が進行する。小学生らしいダイナミックな想像力と細密な鉛筆画が同居するバランスが見事。仕掛け絵本とミニゲーム集を合体させたような、幅広い年齢層のプレイヤーが遊べる作品になっている。

「ページをめくるたびに展開する画面や、ゲーム自体の面白さ。“ケンタ才能あるなあ”と、同級生気分になれます」(さわやか)

ゲーム『RPGタイム!~ライトの伝説~』
©DeskWorks / Aniplex

profile

山田集佳(フリーライター)

やまだ・しゅうか/児童向けゲーム雑誌の編集を経て、現在は主にゲームと映画に関する記事を執筆、ゲームシナリオ等も手がける。ゲームメディア「IGN JAPAN」のYouTube番組『銀幕にポップコーン』レギュラー出演中。

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洋ナシ(兼業ゲームライター)

ようなし/同人活動を経て、2016年にゲームメディアからのスカウトを受けライターデビュー。インディーゲームとPCゲームが得意分野。Vtuber・男鹿梨衣子としてストリーミング配信活動も行っている。

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さやわか(ライター、物語評論家、漫画原作者)

1974年生まれ。音楽・出版業界での会社勤務を経て執筆活動に入る。著書には『僕たちのゲーム史』(星海社新書)、『文学としてのドラゴンクエスト』(コア新書)などのゲーム関連書籍も。

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