Onが開発した技術「ライトスプレー」に注目！　これからのランニングシューズは紐なし?!

スイスのスポーツウェアブランド「オン（On）」が、ブランド初のアッパー製造技術「ライトスプレー（LightSpray）」を発表した。

LightSprayの誕生は、Onのイノベーションチームのメンバーであるヨハネスがハロウィンの装飾で使われるグルーガンを使用してクモの巣を作る動画を見たことがきっかけになったというユニークさ。彼は一瞬で形成されるクモの巣から、シューズの製造技術への応用を思いついた。その後、自動化されたロボットアームを使って、一連のフィラメントをスプレー噴射する製造ユニットを開発し、継ぎ目のないアッパーを作り出すことに成功した。

LightSpray技術の特徴
・高速かつ精密な製造：LightSprayは、自動化されたロボットアームを使用して、たった一つの工程でアッパーを製造することが可能。この方法により、極薄でシームレスなアッパーを実現し、シューレースが不要となり、走ることに集中できる最適な履き心地を提供できる
・サステナビリティ：この一連の製造工程は完全に自動化されており、廃棄物を大幅に削減。CO2排出量も従来のレーシングシューズと比較して75%減少できる。
・再生利用可能な素材：単一の素材を使用し、接着剤なしで結合されているため、循環型製造への応用が期待される。

この技術を使ったランニングシューズが「Cloudboom Strike LS 」

この技術を使用したランニングシューズが「Cloudboom Strike LS」。このシューズは、LightSpray技術を採用した最初のモデルで、重さはわずか170gである。これはブランド史上最軽量のランニングシューズ。緻密なスプレー技術によりシームレスなアッパーが実現され、シューレースも不要！ さらに、ミッドソールにはPebax®製素材を使用しており、優れた衝撃吸収力と反発性を備えている。

アスリートによる実証も

4度の世界優勝を誇るヘレン・オビリ選手によってテストされ、彼女は開発段階の「Cloudboom Strike LS」を履いてボストンマラソンで優勝。これにより、技術の実用性と性能が高く評価されている。

Cloudboom Strike LS
販売開始：2024年秋冬シーズン予定
価格：￥44,000

 

Onはこの夏、パリにて「LightSpray」技術のデモンストレーションを行う予定。ランニングシューズの製造工程とパフォーマンスに革命をもたらす、この技術は注目し続けたい。