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【土用の丑の日】「うな重」と「うな丼」実はカロリーが違うって本当!?管理栄養士に聞いてみた結果

  • 2024.7.24
意外と知らない「ウナギ」の栄養素って?
意外と知らない「ウナギ」の栄養素って?

2024年の「土用の丑(うし)の日」は7月24日です。土用の丑の日といえば、滋養強壮のために栄養価の高いウナギを食べる習慣が知られており、「毎年ウナギを食べてます」「この日は食卓にウナギが並んでうれしい」という人も多いと思います。実際、「ウナギ=スタミナ食材」というイメージが一般的ではあるものの、「どんな栄養がある食材なのか」「カロリーはどのくらいか」を正しく知っている人は少ないかもしれません。

そこで、土用の丑の日にぜひ知っておきたい「ウナギ」の栄養素やカロリーについて、管理栄養士の岸百合恵さんが解説します。

食べ過ぎに注意が必要なほど豊富な「ビタミンA」

「ウナギ」といえば、スタミナ食品の代表格としてよく知られていますよね。実際、ウナギには体にとって大切な栄養素がたっぷり含まれています。

カリウム、カルシウム、鉄、銅といった栄養により、肩こりや目の疲れなどを和らげ、余分なナトリウムを排出し、骨を丈夫にしてくれる効果などが期待できるので、まさに“夏バテ解消”にぴったりの食材といえるでしょう。

中でも、次に挙げる栄養素は特に豊富に含まれています。

【ビタミンA、ビタミンB】

皮膚や粘膜、目を健康に保つビタミンAは、食材の中でも抜群に多く含まれており、1尾で一日に必要な摂取量をほぼ完全に取ることができます。

ビタミンAは脂とともに摂取することで吸収率が上がるため、ウナギとの相性もよいのですが、過剰摂取すると健康に害となってしまう「過剰症」発症のリスクもあるため、ウナギの食べ過ぎには注意が必要です。

また、脂質やタンパク質、糖質の代謝を助けるビタミンB1、B2、B6も豊富で、疲労回復効果に優れています。

【EPA・DHA】

良質な脂質である「EPA(エイコサペンタエン酸)」は、血液や血管の健康維持には欠かせない成分であり、血中のコレステロールや中性脂肪の値を下げる働きもあります。「DHA(ドコサヘキサエン酸)」は脳の発達、成長に欠かせません。

少し意外かもしれませんが、ウナギは青魚の代表であるサンマと同程度、またアジやサケよりも多くDHA、EPAを含んでいる魚です。

ところで、脂がしっかりのったウナギはとてもおいしいものですが、カロリーが気になるという人もいるかもしれません。ウナギの焼き方には、濃い口しょうゆや酒、みりん、砂糖などを合わせたたれにつけて焼く「かば焼き」と、たれや油をつけずにそのまま焼き上げる「白焼き」がありますが、この両者、どちらの方が「カロリーが高い」と思いますか?

かば焼き……100グラム当たり293キロカロリー、1食分(150グラム)では440キロカロリー・白焼き……100グラム当たり331キロカロリー、1食分(150グラム)では497キロカロリー

この通り、意外にも「白焼き」の方が、カロリーが高いのです。白焼きは甘いたれがついておらず、見た目もさっぱりして見えるので、かば焼きよりもカロリーが低いと思われがちですが、この差には焼き方の違いが関係しています。

一度しか焼かない白焼きに対し、かば焼きは一度焼いた後にたれをつけてまた焼くため、魚の脂が落ちやすく、カロリーも下がりやすくなるのです。

「うな丼」と「うな重」もカロリーが違う?

ちなみに、土用の丑の日によく食されるメニューといえば「うな丼」や「うな重」です。この両者のカロリーの違いが気になる人もいるのではないでしょうか。

丼に入った「うな丼」と重箱に入った「うな重」は量の違いだけで、ウナギの質は基本的に同じです。お店によって違いがあるかもしれませんが、重箱は四角いため、器のふちのギリギリまでウナギを並べる一方、丼は丸形のため、必然的にウナギの量が少なくなります。

うな丼と比較してうな重は、ウナギの量がおおよそ1.5倍~2倍、ご飯の量が0.5倍程度でしょう。カロリーは、うな重が900~1000キロカロリーに対し、うな丼は700~800キロカロリーとなっています。

先述の通り、ウナギにはさまざまな栄養素が豊富に含まれていますが、その一方で食物繊維は全く含まれず、ビタミンCの含有量は微量です。

そのため、ウナギを食べる際は、食物繊維が豊富なワカメやモズクといった海藻類の酢の物を副菜として組み合わせたり、ビタミンCが豊富なブロッコリーやパプリカなどを使ったサラダを添えたりするのがおすすめです。また、野菜やキノコをたっぷり入れたみそ汁、すまし汁などを添えれば、さらに栄養素を補いやすくなります。

副菜や汁物を上手に組み合わせることで、ウナギの食べ過ぎを防ぐことができるとともに、ウナギの気になる脂質やカロリーの過剰摂取を防ぐ効果も期待できます。土用の丑の日の献立をつくる際、ぜひ参考にしてみてください。

オトナンサー編集部

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