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雑念に振り回されず、自分を取り戻す。手軽にできる瞑想の取り入れ方

  • 2024.7.22

瞑想で不安も怒りもリセットし

今この瞬間の自分にフォーカス

心のセルフコントロールに役立つ瞑想について、メンタルトレーナーの兼下真由子さんが教えてくれた。

不安もプレッシャーもイライラも、今ここにはないものに対して意識が向いている、意識の矢印が外に向いている状態。なので、瞑想によって意識の矢印を内側に向けます。瞑想の手法で言うと、自分の呼吸を感じることがポイントです。呼吸は生まれた瞬間から今まで一度たりとも止めることなく、ずっと続けているもの。今自分の内側にある呼吸に意識を向ける=過去や未来を見ない、他人を感じない、というトレーニングになる。これが瞑想の目的です」

Photo_ Oleg Breslavtsev/Getty Images
Photo: Oleg Breslavtsev/Getty Images

過去を悔やんだり、未来の不安にとらわれるのではなく、今、ここ、自分にフォーカスするマインドフルネス状態になるのが瞑想のメリットだ。「情報過多のデジタル社会で常に脳疲労状態の現代人は、パフォーマンスの低下やネガティブ思考を招きやすくなっています。心地よく生き、またステップアップするためにも、毎日お風呂で体を洗うように、マインドフルネスで脳をリセットする必要があるのでは?」

いつ、どんなタイミングで、どんな姿勢で瞑想をやるかには、こだわらなくていい、と兼下さん。「私が作った瞑想メソッドは、こうなりたいというゴールに向かうための手段。瞑想が目的ではないから」

ちなみに、兼下さんは4人の子どもを持つワーキングマザーで、末っ子は生後6カ月の女児。

「妊娠・出産のタイミングだった去年と今年で人体実験をしているような感覚でした。朝から晩まで瞑想をやっているので、体の不調も不安も苛立ちもなく、あらためてメディテーションの実力を痛感。ホルモンバランスに左右される女性にこそ瞑想をすすめたい。女性特有の心身の不調に有効なのは、背中を丸めて両膝を胸の前に抱えて呼吸をする瞑想。腰や首のこわばりが楽になり、リラクセーション効果も得られます」

瞑想を習慣化し、セルフコントロールのスキルが身についたからといって、未来永劫心が揺らがなくなるわけではない。いいイメージを持っていても現実は厳しく、結果に結びつかないことも多いだろう。

「生きることはストレスと共存すること。環境や状況が変われば感情が動き、当然揺らぎます。気分が上がることもあればドーンと下がることもある。重要なのは、ストレスを感じて心のコンディションが落ちた状態に気づけること。そして戻し方を知っていること。しなやかに回復していく能力を持つことで人生は大きく変わります」

さらに、ここからは具体的なメソッドについて紹介しよう。

1. 呼吸を実況中継しながら5分間瞑想

まずは、基本のメディテーションをマスターしよう。目を閉じた状態で、ニュースの実況中継を見ているかのように、息を吸っているときは息を吸っていることを、息を吐くときは 息を吐いていることを心の中で感じながら、瞬間瞬間の呼吸にフォーカスする。頭の中に雑念が浮かんだら、浮かんだことに気づきその都度消して呼吸に戻る。この呼吸法を 1回5分、毎日行う。自律神経の副交感神経を優位にし、不眠やイライラ、昂る感情を鎮めたいときは、8秒吐いて、4秒吸って、 8秒止める、ウィンブリージングというメソッドも。

2. なりたい自分をイメージトレーニング

Photo_ AleksandarNakic/Getty Images
Photo: AleksandarNakic/Getty Images

未来のなりたい自分を頭に思い描き「私は今、何々をしています」と一人称の現在進行形で唱える。心の中でも、言葉に出しても、書き出しても OK。リアルすぎると「頑張る」という意識が働いて力が入ってしまうので、スケールはなるべく 大きいほうがいい。例えば野球選手の場合、「3割打てる」ではなく、「世界中を感動させる選手になっている」など。現実はさておき、なりたい世界の臨場感をイメージトレーニング で高め、脳を引っ張り、未来の自分を作っていくのが目的。同時に自分にはそれができる、と信じる力も養っていく。

3. ご機嫌になれる方法を見つける

パフォーマンスを向上させるためにも、ご機嫌であることは重要。何をしたら自分がご機嫌でいられるかを把握するために、“マイご機嫌リスト” を作り、不機嫌な心に気づいたときには、それを取り入れて気分を上書きする。好きな音楽を聴く、温泉に行く、ネイルを塗る、など。他に、できなかったこ とでなく、できたことにスポットライトを当てる。今日やることリストを作り達成したら自分で評価し、褒める。「いい」「悪い」のジャッジ癖をやめる。こうするべき、こうあらねば、と自分を追い込む「べきべき・ネバネバ思考」をやめる。

MAYUKO KANESHITA

兼下真由子。メンタルトレーナー。脳神経トレーニングメソッドWINメディテーション創始 者。全米ヨガアライアンスの講師資格取得。メジャーリーガーやサッカーワールドカップ日本代表選手などトップアスリートから経営者、アーティスト、主婦まで、年齢や職業を超えたクライアントに支持される。

Photography and Creative Direction: Luca Meneghel Model: Nabila Lorini Text by Eri Kataoka Editor:Misaki Kawatsu

※『VOGUE JAPAN』2024年8月号「影響し合う、心と体のヘルシー学」転載記事。

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