紫外線は枝毛・パサつきの原因にも?
2024年は梅雨明け前から猛暑日が続き、併せて紫外線の数値が高くなっています。紫外線は、肌だけでなく「髪」にとっても大敵。紫外線を浴びると髪は枝毛やパサつきが増すだけでなく白髪の原因もなるというのは本当なのでしょうか?元美容師の筆者が分かりやすく解説します。
紫外線が枝毛や切れ毛、パサつきといった髪トラブルの原因になることは広く知られていますが、「白髪の原因になり得る」ということについて、世間の認知度は決して高くないのではないでしょうか。
紫外線が髪に与える影響について、東京医科歯科大学・難治疾患研究所・幹細胞医学分野の西村栄美教授らの研究グループが明らかにしており、その研究成果は2009(平成21)年6月12日発行のアメリカの国際科学誌「Cell(セル)」に掲載されています。
研究によると、化学物質や紫外線はDNAを傷付け、色素幹細胞(毛色を作る細胞の供給源)を不安定な状態にすることが判明しています。その結果、色素幹細胞は消失し、白髪化につながるとのこと。つまり、大量の紫外線を浴びることで毛の色を構成する色素が生成されず、白髪が増えてしまうというのです。
紫外線を浴びてすぐに白髪になるわけではありませんが、ダメージの蓄積は白髪化を引き起こす可能性があるので、自髪の色を保ちたい人にとっては日々の日焼け対策が重要になります。
とにかく早く取り入れて!日常でできるケア
ポピュラーなものも含め、あらためて日焼け対策について紹介します。取り入れやすいものから試していってください。
・とにかく頭皮全体を守ろう 帽子は頭皮に直接当たる紫外線を防いでくれます。帽子の種類はキャップ型ではなく、つば広タイプのハット型がおすすめ。広いつばが頭皮だけでなく、長い髪や首の日焼けを軽減してくれるからです。
日傘はさらに広範囲で日除けができる万能アイテムです。どちらのアイテムも遮光生地を使った商品が販売されているため、紫外線遮へい率や遮光率の高い商品を買うと良いでしょう。
・手軽に使える市販ケアアイテムも 髪専用のUVカットスプレーもありますが、髪を含めた全身に使えるタイプのUVスプレーを持っておくと便利です。さまざまなフレグランスを楽しめるのはもちろん、夏に気になる頭皮の臭いをカバーしてくれる商品もあります。
使用の際は、毛の生え際や分け目など、紫外線が集中照射するところを念入りにスプレーしてください。
・朝シャンプー派が気を付けるべきこと 朝のシャンプーを習慣にしている人は要注意です。濡れた髪は紫外線の影響を強く受けるため、湿った髪で外出するのは控えましょう。朝シャンプーをする場合は髪を完全に乾かしてから出掛けてください。
夏は海やプールといったレジャーを楽しみたいシーズン。レジャー中、髪が濡れた場合はすぐにタオルで水分を拭き取り、ドライヤーで乾かすのが理想です。
もし髪の日焼け対策を忘れてしまったら?
それでも髪を紫外線にさらしてしまった日には、いつもより丁寧なシャンプーでアフターケアを行いましょう。
・基本のケアでリカバーをめざす アミノ酸系の低刺激シャンプーで髪と頭皮を優しく洗います。シャンプーの後は、保湿力の高いトリートメントで髪に栄養を与えてください。トリートメントの油性成分が髪をコーティングして、日焼けでパサついた髪を整えてくれます。トリートメント塗布後に3~5分くらい時間を置くとさらに効果的です。
・手を抜きがちな作業こそ丁寧に シャンプー後は、すすぎ残しがないように髪を流し、タオルでしっかり水気を拭き取ります。その後ドライヤーで丁寧に乾かしましょう。乾かす前に洗い流さないトリートメントを付けて、ドライヤーの熱から髪を保護するとより良いです。
また頭皮もダメージを受けているため、頭皮に潤いを与えてくれる「頭皮ケアローション」で保湿するのも◎。頭皮ケアローションがなければ化粧水での代用も可です。
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「髪がパサついている」「白髪が多い」といった見た目は、実年齢よりも老けた印象になりがちです。肌だけでなく髪にも日焼け対策をして、若々しい見た目を保っていきましょう。
(蛯原もえ香)