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実は「アンド」ではない!? 記号「&」の正しい名称は?

  • 2024.7.21

いつも意識せず使っている記号の「&」。「アンド」だと思っている人も多いと思いますが、実は正しい名称が別にありました。詳しくご紹介します!

記号「&」の正しい名称は…?

正解は、「アンパサンド」でした!

英語で書くと「ampersand」で、発音は「アンパーサンド」。英和辞典の解説によると、ampersandとは「and per se and」の短縮形で、「per se」は「それ自体は」という意味のラテン語です。

記号の「&」は、「and」を意味するラテン語「et」の「e」 と「t」を合成してつくられました。

とはいえ、「&」のどこに「eとt」が存在しているのかわかりづらいですが、西洋のカリグラフィーで書かれた「&」を見ると、はっきり「eとt」が見えます。興味あるかたは、カリグラフィーの「&」をネット検索してみてください。

ちなみに、パソコンやスマホで「&」を出したいときは、「アンド」でも「アンパサンド」でも出てきます。

記号「&」の起源はポンペイ!?

英語の百科事典サイトなどによると、記号「&」が記録に登場するのは約2000年前。古代ローマの都市ポンペイで落書きとして残されていました(諸説あります)。その後、「&」はルネサンス期に人気を博し、レタリングに取り入れられるようになったそうです。

英語に「ampersand」が登場するのは19世紀。一時期アルファベットの27番目に組み入れられ、学生はzの後に”and per se and”と暗唱していたようです。しかし19世紀後半に、アルファベットの一部ではなくなりました。

今では、「ドルチェ&ガッバーナ」や「H&M」など、特に社名やブランド名などに使われることが多い記号です。

記号「$」の意外な読み方

記号つながりで、「&」の形と少し似ている記号「$」の読み方もご紹介。

米国、カナダ、オーストラリアなどの通貨単位dollarを表す記号「$」は、通常「ドル」または英語の発音に近い「ダラー」と読みます。

しかし、辞書を見ると「ドルラル」という読み方も載っています。日本にdollerが伝わった江戸末期、英語ではなくオランダ語の「ドルラル」で広まり、明治までその読み方が使われていました。今の読み方である「ドル」は、この「ドルラル」を略したものです。

また、ドルを表す漢字「弗」も存在。記号の「$」に似ていることから当てられた字で、今でもパソコンやスマホで「ドル」と入力すると「弗」が出てきます。

ちなみに、記号「$」の由来は諸説存在。古代ローマの金貨を指すラテン語 solidusの略という説や、UNITED STATESの頭文字Sの上にUを重ね合わせた説、さらにスペイン通貨ペソのpとsに由来しているという説もあります。

記号「&」の名称はアンパサンドでした!

記号「&」の正しい名称は、「アンパサンド」でした。ついでに、「$」の意外な読み方もご紹介しました。

見慣れた記号の意外な名称はほかにもあります。次回もお楽しみに!

参考資料
・『ランダムハウス英和大辞典』(小学館)
・『広辞苑』(岩波書店)
・『日本国語大辞典』(小学館)

文・田代わこ

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