保育士の中田馨さんが、先輩ママとして思ったことや、保育園のママたちから聞いた体験談をもとに、親子でお友だちの家に遊びに行ったときにママたちがやりがちなNG行動と、おすすめの過ごし方を教えてくれました。長期休みや休日に、子ども連れでお友だちの家にお邪魔する機会もありますよね。仲が良いから……と何気なくやっていることが、もしかしたらママ友を困らせてしまっているかもしれません。マンガで具体的に紹介します。
こんにちは。保育士の中田馨です。夏休みにお子さんを連れて友だとの家に遊びに行く機会も多いかもしれませんね。子どもが小さければ小さいほど自宅で集まるという機会は多いのではないかと思います。楽しみな反面、失礼のないように心配りもしなければいけないですよね。今回は、私の経験も交えつつ、友だちの家での遊ばせ方や付き合い方などについてお話しします。
「何もいらないよ」と言われたとき
「何もいらないよ」と言われても、やはりちょっとした手土産がある方がよいのかなと思います。手土産というと食べ物が多いと思うのですが、その際に気をつけたいのが内容です。
特に乳幼児期は、お子さんの口に入れるものを慎重に選んでいるご家庭も多いものです。「みんなで食べよう」と、まだそのご家庭のお子さんが食べたことがないものを持っていくと、困ってしまうこともありえます。また、高価すぎるものは、逆にお友だちに気を遣わせてしまいかねませんので注意が必要です。
いろいろ考えていると、とっても難しく感じるのですが私の経験上、スイカやいちごなどの果物は大人も子どもも喜んで食べてくれたかなと思います。
遊ばせ方は?
気の知れたお友だちであっても、何度もお家にお邪魔している仲であっても、やはり適度な遠慮は必要です。子どもも慣れてくると、自分の家のようにふるまうこともありますので、その都度「○○ちゃんに貸してって言ってからよ」「○○ちゃんのママに聞いてからにして」などの声かけが必要です。決して、子どもを野放しにしてはいけません。万が一、お家のものやおもちゃを壊してしまった場合は、子どもと一緒にきちんと謝りましょう。
以前、私の家に遊びに来ていた息子の友だちが、クリスマスツリーテントの土台を壊してしまいました。その子のママは、それを見て笑っているだけだったので、私はとってもショックを受けました。どんな物であっても、そのおうちの大切な物だということを、子どもに伝えるようにしてください。
人のうわさ話はしない方がよい
人が集まるとどうしてもしてしまいがちな話題が「うわさ話」です。「△△ちゃんのお家では……」「××先生は……」なんて話になったときが困りますね。公園だったりしたら、「もうすぐ宅配が来るから」のようにその場から離れやすいのですが、お家に入ってしまうとそうはいきません。困ったときは、「そうだったんだ」などの相槌程度に留めそれ以上話が膨らまないようにするといいでしょう。
私は基本的に噂話からは逃げるのですが、それでも遭遇することがあるので、「××先生は……」みたいな話になると「私、結構その先生のこと好きやで。実は、うちの子のときにこんなこともあってね~」なんて言ったります。このように言うのがおすすめですよ、というわけではありませんが、これを言うと、それ以上話が進まないこともあります。
滞在時間は?
ゆったりとした雰囲気の中、子どもたちが遊んでいて、その横でママたちもたわいもない話に大笑い。なんて、楽しい時間は、大人にとっても子どもにとっても、あっという間に過ぎてしまうものです。お友だちの家にいる時間は、あらかじめきちんとラインを引いて決めておきましょう。「5時に帰る」と決めているなら、子どもにも「5時に帰るよ」と前もって伝えます。
もしかすると友だちが、「うちは、6時まで大丈夫よ」と言うかもしれません。それはその時々の都合によって合わせればよいと思いますが、他にもお友だちがいてその人が帰りづらくなっているのなら潔く5時に帰った方がよいかもしれません。
予定時刻にスパッと帰宅する方が、今後もお付き合いしていくうえで気持ちがよいでしょう。
私も、今まで何組ものママたちと子どもを含めて遊ばせてもらってきましたが、その中で、親友と呼べる人とも出会えました。今では、子ども抜きでお茶やランチをして楽しんでいます。マナーを守ったお付き合いで、ママ友と良好な関係を築けるといいですね。
作画/はたこ
著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨
0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。
ベビーカレンダー編集部