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【おしごと図鑑】自衛隊について“世間の勘違い”4選 バンバン撃つ・戦車に乗る・大食い…は「違います!」

  • 2024.7.21

銃をバンバン…撃ちません!

現役・退職済みを問わず、自衛官経験者なら世間の認識とのズレに驚くことがあります。実際人から言われたことや、テレビやドラマのシーンで「そんなわけないよ!」とツッコみたくなったことなど……。そんな場面を、元自衛官の筆者が紹介します。

自衛隊のイメージ、勘違いが多い?
自衛隊のイメージ、勘違いが多い?

自衛官には射撃訓練があります。そんな話をすると、「すごい!じゃあもうバンバン撃てちゃうの?」という風に聞かれることがあります。ドラマで拳銃を連射したり、撃つ前後に直立不動だったり、片手でパンパンと軽々撃っていたり、そんなシーンを思い浮かべているのかもしれません。

しかし、銃は撃った瞬間ものすごい衝撃を受けます。狙いを正確に定めていても、撃った瞬間に銃そのものの衝撃で銃口がブレます。そのため、狙ったところに命中させるのはまさに至難の技。その上、狙いを定めるにも時間や集中力が要りますし、力を使うので体も疲れてきます。

筆者は現役時代、拳銃ではなく置き型の銃で訓練していました。銃の下部にある肩掛け部分を肩に掛けて銃身を体に固定し、寝転がって狙いを定めて撃つものです。私の同期は銃の衝撃で鎖骨にヒビが入りました。相当な熟練者でもない限り、銃はバンバンと撃てるようなものではないのです。

戦車・船・飛行機に乗ってるの?

自衛隊をよく知らない人には、陸上は戦車、海上は船、航空は飛行機に乗るイメージがあるかもしれません。筆者は元航空自衛官ですが、その話になると8割ぐらいの割合で「パイロットだったの?」と聞かれます。

しかし、空自の隊員の多くはパイロットでないばかりか、そもそも飛行機と全く関係のない部隊のほうが多く、飛行機の機種すら見分けがつかない人も少なくありません。

仕事の内容の差こそあれど隊員の大半は、普段は普通の社会人と同じように仕事をしているというイメージでしょうか。地上勤務の方が圧倒的に多いことは、世間ではあまり知られていないようです。

誰が言い始めたか?謎のウワサも

自衛隊のイメージ
自衛隊のイメージ

「自衛隊って『資格の学校』なんて言われているよね」と、自衛官ではない友人に言われたことがありますが、これも違います。しかし「何か資格取った?」「どのぐらい資格取った?」とも聞かれたことがあったので、わりと世間に浸透しているイメージなのかと感じた次第です。

正確にいうと、職務に必要な資格が取れる部隊もある、という程度です。運転免許や電気工事系など、筆者が実際に聞いたことがあるのはこの程度でしょうか。

しかもこれらは、ある程度の年月勤務してから取らせてもらえるものでもあります。任期制の自衛官が退職するときに、手に職を付けさせてくれるらしいと友人は聞いたそうですが、そういう手厚さはありません。ただ、若年定年を問わず退職者に対して職を探すサポートをしてくれる部隊はありました。

ちなみに筆者はそうしたサポートを依頼せず、資格もゼロで退職しました。なぜ「資格の学校」というウワサがあったのか今となっては不思議です。

“イメージ”通りの人ばかりではない!

自衛官というと体が資本で、食事はかなりの量を食べるイメージがあるようです。自衛官といっても普通の人なので、食べる人もいれば食べない人もいるというだけなのですが……。

かくいう筆者も、入隊して初めて隊員食堂へ行ったときは驚きました!ものすごいボリュームだな、と。しかし、すぐにそのボリュームに慣れました。入隊してから約3か月は訓練期間だったので、本当に食べても食べても太りませんでした。おかわりしたいほど足りなく感じることも……。きっと、自衛官以外の人にはこのイメージがあるんだろうなと思います。

友人の夫である自衛官は、友人の家に結婚のあいさつへ行ったときに、予想はしていましたが案の定“飲めや食えや”の大歓迎を受けたそうです。しかし彼は食が細く、プレッシャーにも弱いタイプ。ただでさえ緊張しているのに、「自衛官だから毎日訓練していて大変でしょう!我慢せず思う存分食べて!」と食卓にたくさんのおかずを並べてくれたそうです。

自衛官が大盛りご飯を必要とするのは、隊員食堂の中だけかもしれません。ぜひ知っておいていただけたらと思います。

(yorinami)

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