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小学生以下無料! 『ねないこだれだ』からオバケ研究所まで、見えない不思議を体感する、夏の「オバケ?」展をレポート

  • 2024.7.20

2024年7月13日(土)から、東京・立川の「PLAY! MUSEUM」で始まった「オバケ?」展。みんなが大好きなオバケのことを、いろんな視点から見たり感じたりできる、楽しくてちょっぴり怖い展覧会です。なんと夏休みに嬉しい小学生以下無料。ミュージアムの周辺は食べるところや遊べるところも多いので、一日たっぷり楽しめます! 展覧会の様子を詳しく紹介していきましょう。

まずはオバケの気配を感じるところから!

「オバケ?」展を開催している「PLAY! MUSEUM」は、緑豊かな中庭がある商業施設「GREEN SPRINGS」の中にあります。入口の大きなポスターには、おなじみの絵本『ねないこだれだ』と「バーバパパ」シリーズのビジュアルがドーン。この2つの絵本も登場するのですが、絵本や原画がただ置いてあるわけではありません。今回の展覧会は、オバケを見て、感じて、知って、なる!というコンセプトのもと、形のないオバケの雰囲気を味わう仕様なのです。


エントランスの足元から、オバケ道へのささやきが始まっています。

まず、奥に見える「オバケ工場」に寄って行かないと! でも大人のみなさん、ごめんなさい。ここに入れるのは子どもだけ。秘密の変身工場なんです。ここは来てからのお楽しみ。

中へと進むと、少し薄暗くなっています。まだオバケは出てこなくても、なんだか「出そう」な雰囲気。遠くから遠吠えのような音も聞こえてきます。大人も忘れていたオバケの存在を思い出してしまうオバケ回廊です。

黒いカーテンをぬけると、次は「バーバパパ」の部屋。バーバパパはオバケと定義されているわけではないのですが、土から生まれてくるシーンが再現されています。大きくなったり、びゅっと飛んでみたり、形が自由自在のバーバパパならではです。

せなけいこさんの『ねないこだれだ』と春風亭一之輔さんがコラボした落語が見られるのも、目玉のひとつ。ただ、ここは小さな子どもだけで入らないように気をつけて……けっこう、怖いです。怪談に近い落語。プロデューサーの草刈大介さんは「子どもが、もう帰る~!(号泣)と言うぐらい怖がってくれたらいいですね」と脅かすことに自信満々でした。


実はせなけいこさんの旦那さんが落語家さんで、その旦那さんとお話している中で生まれたお話が『ねないこだれだ』なのだそうです。

オバケってなんだ?を探究する研究所へ行こう

絵本やアートが好きな親子には、「オバケ研究所」がおすすめ。オバケ研究の第一人者、日本美術史学者の安村敏信さんと絵本家の広松由希子さんが「オバケ研究所特別研究員」となってセレクトした作品を展示。江戸時代から続く妖怪などのオバケの絵や、古今東西のオバケ絵本がずらりと並んでいます。



内覧会では、絵本のセレクトをした広松さんが解説

オバケ=得体のしれないものとして、『注文の多い料理店』や『くいしんぼうのあおむしくん』『漂流物』など絵本500冊が飾られています。こうしてみると、オバケにもいろいろな形があるのですね。「翻訳されていないような世界のオバケ本も、なるべく並べるようにしました。夜が長い北欧では夜生まれてくるオバケが多いですし、メキシコはインカやアステカ時代から続く異形のものを描くのがうまいんです」と広松さんが解説してくれました。

アートディレクターの髙田唯さんは、来場した子どもたちに、オバケを探してしまうような目線を持って帰ってほしいという願いで展示を構成したと言います。「これもオバケじゃない?」と思うものはどんなものか、「研究所で調査中」ということでいろいろなものが、研究所の裏の部屋に隠されていました。


顔に見える木目、オバケっぽいフォント集、オバケリンゴなど、調査中の品々


これは、最近つかまえたオバケを段ボールの中に閉じ込めてあり、小刻みに動いています

オバケの銭湯へダイブ! 体験型ゾーン

そして「最後はオバケになる!」ということで、アートディレクター祖父江慎さんによるオバケ湯が登場。祖父江さんは妖怪やオバケが大好きで、この日は「ソビーでーす!」とオバケの格好でお風呂の中から飛び出てきました(普段は外出中です)。もうここは、子どもおおはしゃぎ間違いなしですね。


祖父江さん(左から2番目)と案内してくださった皆さんたちで、オバケ湯を堪能中


オバケの暖簾でお出迎え

「オバケは水が苦手なので、カワキミズ(渇き水)を作ってみました。この世とあの世の二つ富士も描いてあって、窓からお友達のオバケが入りたがっています」と祖父江さん。遊び心があちこちにあるので、探検してみてください。ちなみにお風呂の中で物を落とすと探すことはほぼ不可能なので、携帯や鍵などは持たない方が無難です!


祖父江さんが手にしているカワキミズは「お風呂のもと」という名前で販売もしています

プレイパークやコラボイベントも

ミュージアムショップやカフェでは、展覧会に連動したオリジナルグッズやメニューも盛りだくさん。


「PLAY! MUSEUM」の上階には「PLAY! PARK」という子どもの遊び場が併設されているので、ぜひここもチェック。期間中は「オバケ?」展とコラボしたイベントをしているほか、カワキミズとしても使われたふわふわの棒(ミナフォームマルマル(R)という建築材だそう)で自由に遊べる広場があります。好きな端材を使って工作できる場所もあるので、ぜひ自分だけのオバケを作ってみてください!


■展覧会概要
「オバケ?」展
2024年7月13日(土) ~ 2024年9月29日(日)〔会期中無休〕
開館:10:00~18:00(入場は17:30まで)
場所:PLAY! MUSEUM 東京都立川市緑町3-1 GREEN SPRINGS W3棟 2F
入場料:一般1,800円/大学生1,200円/高校生1,000円/中学生600円、夏休み特別企画として小学生以下は入場無料
※土日祝および混雑が予想される日は事前決済の日付指定券(オンラインチケット)を販売
https://play2020.jp/

取材/日下淳子

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