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【さぁ、夏休みだ!】 自宅を長期不在にする際の《防犯対策》 合い言葉は「走るカレー」?心理カウンセラー・防災士が解説

  • 2024.7.18

長期留守の家は空き巣のターゲットになりやすい

留守中の家のイメージ
留守中の家のイメージ

いよいよ夏休み。今年の夏こそは、家族で旅行に行く計画を立てている人も多いのではないでしょうか?あなたが楽しい旅行計画を立てている一方で、その留守を今か今かと狙っている人がいるかもしれません。JTBが行った「2024年夏休み(7月15日~8月31日)の旅行動向」では、国内旅行の旅行者数が6800万人で、前年95.8%と減少したものの、海外旅行は175万人と前年101.2%と増加しています。楽しい旅行から帰ってきた後、空き巣に入られてしまっていたことのないよう、気をつけたいですよね。そこで今回は、長期間家を空ける際の防犯対策について考えてみました。合言葉は「走るカレー」です。 (※参考:犯罪白書 刑法犯認知件数 20年ぶり増 “行動制限緩和背景に” NHK 法務省 )

侵入窃盗の心理とは

イメージしてください。あなたは空き巣の犯人です。今から一戸建ての住居に侵入しようとしています。次の状況のうち、どちらが成功しそうですか?

(1)壁や庭木などに死角が(A:ある/B:ない)(2)窓に防犯フィルムが(A:ある/B:ない)(3)郵便受けに新聞が(A:溜まっている/B:溜まっていない)(4)留守番電話で帰宅日や時間が(A:わかる/B:わからない)

では、ラストクエスチョンです。

(5)侵入を試みて、何分かかると犯行を諦めるでしょうか?

犯人が侵入に成功しやすいのは、すべてAです。全て正解した人も多いのではないでしょうか?では、一つひとつ詳しく見ていきましょう。

(1)死角が多く、外から見えづらい

ALSOKのデータ(※)では、侵入窃盗の約1/3は一戸建てです。そして、一戸建ての中でも、道路などの外側からみて、何が起きているのかわかりにくい家は狙われやすいです。犯人は発覚を恐れ、「見られたくない心理」が働くからです。ただ、既存の壁を壊すことや、植え込みの樹木の伐採が必要などと考えると、かえって気が重くなってしまいます。まず、庭を片付ける、伸び放題の樹木の枝を伐採するなどのように、できるところ取り組んでみてはいかがでしょう。何かと雑然とした感じの場合、犯人も「スキあり」と感じることでしょう。(※参考:2023年版 最新の統計データから読み解く、侵入窃盗の傾向と防犯対策はコレ!|HOME ALSOK研究所|ホームセキュリティのALSOK )

(2)窓からの侵入が多い

侵入窃盗の際、窓やドアに鍵がかかっていないケースが圧倒的に多いです。これは「ほんの数分だから」という油断からです。たとえ数分でも鍵を掛ける心掛け、これが防犯意識を高めます。では、施錠してある場合は?窓を割っての侵入が多いです。玄関の防犯はダブルロックなどで強化してあっても、窓は手つかずという方も多いのではないでしょうか。手軽にできるものとして「窓のフィルム」があります。UVカット機能のあるものなど種類もあります。検索してみてはいかがでしょう。

(3)新聞受け(郵便ポスト)は意外と盲点

犯行をする際、「犯人は事前に下見」を数回します。いきなり犯行をするわけではありません。そして、チェック項目の一つ、それが新聞受け(郵便ポスト)です。例えば、新聞やチラシが溜まっている場合。すぐに長期不在とわかってしまいます。さらに見落としがちな点として2つ挙げます。

・ポストが汚いかどうかマンションも同じです。マンション全体のポストが汚い場合、管理が不十分と思われてしまうことでしょう。

・ポストの付近での声掛け状況これも、マンションも同じです。例えば、新聞受けで何かを行っている際、付近の住民とすれ違うことがあります。その際お互いが、挨拶をしていれば、「ここはコミュニケーションがよく取れている。見送ろう」となります。ダブルロックや窓のフィルムなど、ハード面での対策だけではなく、挨拶をし合う雰囲気など「入りにくさ」というソフト面での対策も必要です。

(4)留守番電話にご注意を

固定電話の留守電のメッセージが、「○○まで不在です」または「○○に戻ります」となっている場合。相手に「〇〇までは犯行OK」と通知しているようなものです。「ただいま手が離せません」などのように、不在とわからないメッセージにすること、ないしはスマホに転送することが大事です。なお、不在かどうか、犯人が確認する場合はインターフォンを鳴らすことが多いです。近年では録画機能付きのインターフォンも増えてきました。この場合、玄関の呼び出す側にも「録画中」のようなステッカーを貼っておくと、より効果的です。

(5)5分が分かれ目

侵入を試みる者が何分で諦めるのか、これは「5分が分かれ目」と言われます。つまり、5分以上アレコレと試みて無理な場合、「ここは諦めよう」となります。“ほんの少しでも対策を講じることへの意識”を持つことが、5分にも反映されるのではないでしょうか?

「走るカレー」とは

走るカレーとは??
走るカレーとは??

冒頭のタイトル「走るカレー」このフレーズ、警備会社のセコムが考案したものです。長期間自宅を不在にする際の注意すべき点をまとめたものです。

は:配達物(新聞等)を留めること!し:照明はタイマー設定(夜間は自動で明るく)る:留守番電話のメッセージに注意!か:鍵はかける!れ:連絡、近所の方や近い親族に予め連絡をしておく!え:SNSの投稿に注意!※リアルの投稿だと、不在がバレてしまいます。

この「走るカレー」の中で、「れ・連絡」については面倒、という声もあると思います。ちなみに「走るカレー」のうち、ソフト面からの対策は、実はこの「連絡」のみです。そして、声掛けなどの普段からの人間関係が大事とお伝えしました。ハード面とソフト面、両方からのアプローチを心掛けてはいかがでしょう。

おわりに

長期不在の対策についてポイントを見てきました。調べれば、まだまだたくさん出て来ます。まさに、ここまでやれば絶対に大丈夫というものではありません。ただ、今回の長期不在の目的はなんでしょう?旅行を楽しむことですよね。そうであるのならば、「備えあれば憂いなし」です。必要な対策を講じた後は、ぜひ旅行を楽しんできてください。 あなたの心の明るさや楽しさが、自宅の明るさにも通じるのですから。

(佐藤城人(さとう・しろと))

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