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「クサい……」【夏の電車のニオイ対策】女性のほうが男性よりもニオイに敏感!?

  • 2024.7.18
教えてくれたのは…
桐村里紗先生

内科医、認定産業医。予防医学に力を注ぎ、執筆、講演活動、Webメディアで最新情報を発信する。におい評論家としてテレビにもたびたび出演。著書に『日本人はなぜ臭いといわれるのか~体臭と口臭の科学~』(光文社新書)ほか。

夏の電車の中のニオイ。なぜこんなに気になるの?

桐村先生

夏は高温多湿で細菌やカビが発生しやすい時期ですから、冷房が効いているとはいえ、電車の中も湿度は高めです。そのうえ、駅までの道のりでたくさんかいた汗は乾きにくく、人の体から汗と皮脂の混合臭が皮膚ガスとなって、湿度が高くてニオイがこもりやすい車内に蔓延します。中には前日のお酒やたばこのニオイまで混ざっている場合も。
車内の環境のニオイと人間から発するさまざまなニオイが混ざった複合臭、空気中に漂っているのが夏の電車の中です。複合臭は汗だけの単体のニオイよりも、よりクサく感じられるので、電車の中のニオイがツラいと感じる人が多いのだと思います。


ニオイの分子が鼻の奥につくことで「クサい!」を感知

桐村先生

人間の鼻の奥には、ニオイを感知する嗅細胞(きゅうさいぼう)とニオイ分子をからめとる嗅毛(きゅうもう)があります。この嗅毛に、空気中に漂ったニオイ分子がくっつくことで、ニオイを感じとっているのです。
特に夏の電車は湿度が高く、換気があまりよくありません。そのような場所では、環境と人から発せられる複合臭の分子が空気中に留まって嗅毛にニオイ分子がつきやすいので、ニオイを感知しやすのです。


男性よりも女性のほうがニオイに敏感!?

桐村先生

概して男性よりも女性のほうがニオイに敏感な人が多いようです。実際に女性のほうが、嗅細胞(嗅覚の細胞)が男性に比べて多いことがわかっています。ですから、女性のほうがニオイを感じやすいのは仕方がありません。さらに、年齢とともに嗅覚は衰えてくるので、若い女性ほどニオイに敏感な人が多いと思います


現実的なニオイ対策「物理でガード」か「別の場所に移動する」

桐村先生

電車の中で自分ができるニオイ対策は、まずニオイ分子が鼻の奥に届かないようにマスクをすること。
また、狭い空間に人が多いほど複合臭は強くなります。そこで人の多い車両を避けて、比較的混雑していない車両を選んで乗ることも、苦手なニオイを避けるひとつの対策法です。


そんな対策は当たり前!と思わずに、まずはお試しを。ノーガードで電車に乗り込むよりも、簡単なことでも実践してみると、ツラいニオイのお悩みを軽減できるかも。

こんな方法もアリ!

汗やニオイについての研究&製品開発を行なっているマンダムの方にも「電車のニオイ対策」について聞いてみました!

教えてくれたのは…

マンダム広報部

石川真由さん
マンダム広報部・石川真由さん

通勤電車のニオイ対策には、すぐにバッグから出せて気分転換できる、お守りアイテムを持っておくと安心です。たとえば、電車に乗る前に香りつきのマスクミストをマスクにひと吹きすれば、ニオイを防ぐと同時に、香りでリフレッシュできます。また、マスクミストは衣類用なので、ハンカチにつけて口元を抑えるだけでもニオイ対策にもなるでしょう。
最近人気のハンディファンもニオイ対策に役立つグッズです。自分の周りの空気を循環させることで、ニオイを防ぐことができます。ただし、周りの迷惑にならないように、風の強さと向きには注意しましょう。
そのほかにも、ガムを噛んだり、香りつきのリップを活用すれば、いい香りが鼻の中を通って、外からのニオイが気になりづらくなります。さまざまな対策法の中から、自分に合ったものを準備して電車に乗れば、気になるニオイのお悩みも減るかもしれません。


ニオイのこと、カドを立てずに伝える方法は?

桐村先生

体臭は誰でも持っています。いわばニオイはひとつの個性です。とはいえ、嗅覚は五感の中でも一番本能的に感じやすい感覚なので、人のニオイが気になるのは仕方がありません。でもニオイが気になっても、なかなか他人には伝えづらいと思います。
とはいえ、もし身近な人のニオイが気になるのであれば、“体調やストレスでニオイが強くなることがあるけど、大丈夫?”と、体を気遣うように伝えてみましょう。ニオイがある=ダメなのではなく、ニオイは体調の変化をあらわす、健康のバロメーター。ニオイをきっかけに自分や身近な人の体調の変化に目を向けながら健康意識を高めて、気になるニオイの解決を目指しましょう。


電車の中でニオイの強い人がいると、ついネガティブな感情を抱いてしまいますよね。でもニオイのことを人に伝えるのはとても難しいこと。イラッとする前に、今回紹介した自分でできる対策をどんどん取り入れてみましょう!

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写真協力/Shutterstock 取材・文/山本美和

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