1. トップ
  2. レシピ
  3. パスタ界のワールドカップ「PASTA CHAMPIONSHIP」で優勝!渕上シェフの優勝パスタ「Sublimation of Climate(風土の昇華)」とは

パスタ界のワールドカップ「PASTA CHAMPIONSHIP」で優勝!渕上シェフの優勝パスタ「Sublimation of Climate(風土の昇華)」とは

  • 2024.7.18

イタリアの人気パスタブランド「バリラ」は「PASTA CAHMPIONSHIP ASIA 2024 JAPAN」を開催。

本大会では6名のイタリアンシェフが参加し、厳正なる審査の結果、福岡「FUCHIGAMI」の渕上シェフが優勝しました。

渕上シェフは、10月にフィリピンのマニラで開催されるアジア大会へと出場し、更なる高みに挑戦します。

今回は、渕上シェフ考案の優勝パスタ「Sublimation of Climate(風土の昇華)」の紹介と、渕上シェフのパスタ考案の背景や熱い想いをお届けします。

日本×イタリアの全く新しいパスタは、本当に素晴らしかったです…!

パスタ界のワールドカップ「PASTA CHAMPIONSHIP」

PASTA CAHMPIONSHIP ASIA 2024 JAPAN
出典:beautyまとめ

パスタ界のワールドカップとも称されている「PASTA CHAMPIONSHIP」。イタリア食文化の継承を目的に、世界中のイタリアンシェフの育成に注力し、シェフたちが世界の檜舞台で活躍するための登竜門となる大会です。

45分間でそれぞれの想いと技術を一皿のパスタに込めて仕上げ、審査員へのプレゼンテーションを行い勝者が決まります。

渕上シェフはコロナ禍を経て、「世界が動き始めた」と感じたことから、大会への出場を決めたそう。「世界の人に自分のイタリア料理を食べてほしいし、世界という舞台で自分がこれまでやってきたことを試したい」そんな想いからチャレンジに至ったとのことです。

渕上シェフ考案の優勝パスタ「Sublimation of Climate(風土の昇華)」

PASTA CAHMPIONSHIP ASIA 2024 JAPAN
出典:beautyまとめ

試行錯誤を繰り返し誕生したこちらのパスタは、「イタリア古来の食材と日本古来の食材のそれぞれの良さを融合してみたいという思いがありました。さらに地元の漁師や農家からとりまく自然環境の変化について聞いたことがきっかけで、地球の未来やサステナビリティということも視野に入れて料理をするべきだと考えるようになりました。そうした想いをすべて詰め込んだのが今回の一皿です。」と語ります。

渕上シェフは、日本とイタリアの風土を融合させ、両国の旨みに着目した新しいパスタを作ったとのこと。地球環境にまで考慮した点も紹介されました。

審査委員も、「頭一つ抜けていました。そして日本の風土というものを織り込んでいる点も含めて、このパスタこそ日本代表にふさわしいと感じました。」と評価していましたよ。

PASTA CAHMPIONSHIP ASIA 2024 JAPAN
出典:beautyまとめ

渕上シェフのパスタは植物由来の材料だけで作られています。

植物性の材料だけだとどうしても味に深みが出にくいため、さまざまな工夫を重ねているそうで、「植物由来の材料それぞれの味わいを引き出して重ねていくことで、全体の味のバランスを取っています。乾燥させたごぼうで、クリスピーな食感と深い味わい、トマトもオーブンで焼いて旨みを引き出しました。また豆乳クリームから抽出したプロテインを藁でいぶしたもので、香りによって味に深みを加えます。他にも国産のヤマブシタケ、たもぎだけなどを使ってさらに旨味を追加します。」と説明。

イタリアと日本には四季があり、地域に根付いた食材を使用している共通点に着目し、今回のパスタでは、日本古来の食材を集めています。

PASTA CAHMPIONSHIP ASIA 2024 JAPAN
出典:beautyまとめ

美しく盛りつけされたパスタ上部にトッピングされたごぼうは、食感をプラスし深みのアクセントに。パスタには珍しいナツメは、日本古来の食材=薬膳からの着想で具材にしたとのこと。他の食材との食感の違いを楽しめ、甘みも広がります。

一番の驚きはマスカルポーネのような濃厚ソース。湯葉入りで、渕上シェフの説明の通りかなりの手間を要して完成した特別ソースです。

そして最後にパセリで作ったというオイルで全体の味のバランスを整え、フレッシュさも感じられるといったこだわりよう。

動物性の材料不使用とは信じられないほどにコク深く、お見事でした。

PASTA CAHMPIONSHIP ASIA 2024 JAPAN
出典:beautyまとめ

さらに渕上シェフは、「これからはイタリア料理を通して得たもののすばらしさを、料理人の後輩たちに伝えていきたい。これまでトライしてきたことが認められたときの喜び、試行錯誤がうまくいったときの小さな喜び、これらが乗じて大きな喜びとなる素晴らしい仕事だということを伝えたいですね。」とイタリア料理全体の未来について、これからシェフを目指す若手に対してもエールをおくりました。

日本発のイタリア料理のレベルの高さ、さらなる底上げを期待せずにはいられない、そんな取材となりました。アジア大会での活躍も大いに期待したいですね。

元記事で読む
の記事をもっとみる