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罪を犯した若者の更生を支える元暴力団組員 かつて自身を励まし救ってくれた恩人のように…

  • 2024.7.18
©️ABCテレビ

現在、日本では刑法犯のおよそ半数が再び犯罪に手を染めています。再犯率は49.1%。犯罪を繰り返さないためには、居場所を設け、時間をかけて生活を見直すことが必要です。

法を犯した人たちの更生を支える民間ボランティアの保護司。かつてその支えに救われ、自らも更生支援に乗り出すひとりの男性に密着しました。

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川中正喜さん(48)は中学卒業後に暴力団組員に。15歳から34歳までのうち合計15年間を塀の中で過ごしてきました。そして最後の刑期を終えた後、一般企業に就職。しばらく保護観察が続いていた川中さんの忘れられない恩人が、当時お世話になった保護司の男性でした。

人生で「初めて真面目になれた」ことを共に喜び、励ましてくれた保護司に支えられ、更生を果たした川中さん。その後、罪を犯した若者たちが再び犯罪に走らないよう、支援する活動を自らも始めました。

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毎日足を運ぶのは、出所後に身寄りのない人などが一時的に住むことができる「自立準備ホーム」。こちらの管理運営を国から委託されている川中さんは、入所者の今の状況や心境を丁寧に聞き取り、更生への道を探ります。

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今年4月からここで暮らしているのは辻大輔さん(仮名)。中学を卒業してから真面目に働いていましたが、会社からいわれのない借金を押しつけられたのをきっかけに退職。所持金はすぐに尽き、困り果てた末の窃盗で逮捕されたのです。

刑務所での労役を経て出所後、ここで社会復帰に備える辻さん。しかし、自立準備ホームに入れる期間は平均2~3か月。この短期間で生活基盤を立て直し、再出発を果たせる人は多くはありません。

【動画】大津市で殺害された保護司の男性にかつて救われた若者も、無念の思いを語ります。

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自立の準備が整わないまま社会に放り出され、犯罪を繰り返してしまうーーそんな状況に陥りがちなのが、法に触れる行為をしてしまった障害のある人たち「触法障害者」です。川中さんはその受け皿を作ろうと、今年4月、大阪市内に障害者向けグループホーム『きさら』をオープンさせました。

入居者のある男性は、以前は別のグループホームで暮らしていましたが、窃盗を繰り返したことをきっかけに、追い出されるようにして『きさら』にやってきたといいます。

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他人と関わることが「あまり好きでない」という男性。それがストレスになり、万引きなどを繰り返したといいます。現在は、ストレスは「ないですね」と落ち着いた様子。自立を見据え、仕事をする習慣を身につける就労移行支援を受けながら飲食店で働いています。

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そして、自立準備ホームに身を寄せる辻さんも『きさら』で夜勤スタッフとして働きながら社会復帰を目指しています。「俺とかここの子たちを本気でどうにかしてあげたいと思ってくれる」と川中さんを慕い、日々努力を続ける辻さん。

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自らの活動の原点となった場所に向かった川中さん。出所後に通った保護司・社領康司さんの家です。更生の道へと導いてくれた恩人の康司さんは7年前に亡くなり、社領さんの家族が迎え入れてくれました。
当時、営業会社で務めていた川中さんは役職が上がっていく度に報告に来ていたそう。「そのまま頑張りや、頑張りやというのを常に言ってくれた」「喜んでくれましたね」
今の活動について、そしてこれからを見ていてほしいと報告し、改めて感謝の気持ちを伝えました。

かつて自分を導いてくれた恩人のように、川中さんは今日も自立に向かう若者たちを支え続けています。

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保護司に救われた男性の更生支援は7月9日(火)放送の『newsおかえり』(毎週月曜〜金曜午後3:40〜)の特集コーナーで紹介しました。

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