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現場を支える新職種「建設ディレクター」2024問題がここにも…打開の一手に

  • 2024.7.17

2024年問題に直面する建設業界です。新たな働き方として建設ディレクターが注目されています。

北海道新幹線の札幌延伸に「ラピダス」の半導体工場。さらに札幌中心部の再開発など、道内で大規模工事が相次いでいます。

そんな中、建設業界が直面しているのが、深刻な「人手不足」です。
芝浦工業大学の蟹澤宏剛教授(建築学)によると、「対策をしなければ、あと20年もすると今の半分ぐらいまで人手が減ってしまう」といいます。

帝国データバンクが、1月に行った調査では建設業の約7割が「人手不足」を感じていると回答しています。

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この危機的な状況に、追い打ちをかける「2024年問題」。働き方改革が求められる建設業界を取材しました。

建設業界にも「2024年問題」がのしかかっています。

4月から時間外労働の上限が原則として月45時間以内、年間360時間以内に規制されました。これにより、さらなる人手不足やコスト上昇への対応が求められます。

この現状を打開したいと、新たな取り組みを始めた会社があります。

「建設ディレクター」が技術者を徹底サポート!

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舗装工事などを手掛ける札幌市の建設会社です。

この日の作業は、恵庭市内での下水道工事。
現場では、技術者が工事の進捗状況を記録するため写真を撮影しています。

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これまでは、現場作業が終わってから会社に戻り、事務作業に追われていましたが、午後の社内を覗いてみると、そこにいたのは2人の女性。

新しくできた職種「建設ディレクター」です。これまで技術者がやっていた写真の管理や施工計画書などの事務作業を支援するのが仕事です。

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建設ディレクターの徳永やよい主任は「会社全体で良い工事になるようにサポートする。デジタルの技術を取り入れたり、こうしたほうがみんなの残業が減るんじゃないかとかアイディアを出し合って、一緒に変わっていこうとしていると感じています」と話します。

「建設ディレクター」のサポートに、現場の技術者も、書類仕事の手間が省けるメリットを感じています。

こちらの会社は2年前に新しい部署として「建設ディレクター室」を設置。認定資格を持つ2人を中途採用しました。

すると、目に見えて残業時間が減っていきました。

宮﨑健悟社長は「それから現場で働く技術者は例えば工程を考えたりとか、より安全な施工とか、工事の品質を保つとか。だいぶ余裕ができて本来やるべき仕事に注力できるようになったので、だんだんとお客様満足度が上がってきた」と手ごたえを感じています。

残業代が削減できた一方で、建設ディレクターの人件費がかかりますが、そこは生産性を上げることでカバーできると言います。

「いままで年間3現場しかできなかった技術者が、早く仕事にかかれて早く終わるので、4現場できるようになれば、それで生産性が上がりますので、そこを各企業が認識できれば、この制度は広まっていくと思う」

2023年は倒産も負債も大幅アップに…

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建設業界では直面する“2024年問題”の対策として、事務作業の負担を減らす「建設ディレクター」の存在が注目されています。

同時に、今回取材した芝浦工業大学の蟹澤教授によると、多すぎる書類の事務処理は、もっとデジタル技術を活用して、自動的に記録を残すような仕組みも必要だと話しています。

北海道内では建設業者の倒産が増えています。

■【北海道内の建設業者の倒産件数】(帝国データバンク調べ)
・2019年=42件
・2020年=26件
・2021年=17件
・2022年=20件
・2023年=62件(前年比3倍超)

■【負債総額】
・2019年=48.3億円
・2020年=27億円
・2021年=9.9億円
・2022年=15.9億円
・2023年=68.78億円

背景には、円安による原材料費の高騰や人手不足による人件費高騰などがあるとされます。

また、現場によっては、労働力の1~2割が外国人というところもあります。

ただ、世界中で外国人労働者が取り合いになっている中で、急激な円安が進む日本は、国際的には競争力を失いつつあります。

建設業界が直面する“2024年問題”によって、今後どのような影響が考えられるのかについて、芝浦工業大学・蟹澤宏剛教授(建築生産学)の指摘です。

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▼工期が伸びてコストがかさむため、住宅価格は高くなる。
➡ただし高くなるのは業者が法律を守っている証拠。むしろ上がらない方が危険。

▼中古物件の需要も高まる可能性はあるが、北海道の場合は、断熱性や気密性を高めるリフォームが必要で、すぐに対応してもらえなくなる

簡単には解決策が見つかることではありませんが、私たちの暮らしにも影響は避けられない中、働きやすい労働環境を整えて、いかに持続可能な建設業界を作っていけばいいのか…。

社会全体で注目して、考えていくことが欠かせません。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2024年6月24日)の情報に基づきます。

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